日光:男体山、森林限界に挑む

2017.06.04 日記, 登山

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山歩きを始めてからいつも、密かな目標を抱きながら登っています。
最初は高尾山から陣馬山までの縦走、次に標高1000m超え。そして2000m級の山……。

登山一年目の最大の目標は、稲村岩尾根から鷹ノ巣山を登ることでした。
奥多摩でも屈指の急登を登り切ってやろう、という。気がつけば奥多摩も、幾つかの急登を踏破していましたが……(笑

その次に挑みたいと思っていた目標、それがこの日光男体山です。

いつもどおり、写真の大半はFlickrに。
正直、今回はキツくてあんまり写真撮れませんでした……。

2017.06.03 男体山

二荒山神社中宮祠〜三合目

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男体山に登りたい、と思っていたのはすごく単純な理由。色々な登山ブログでキツいと評判だったから。
難所もなく森林限界も越えるということで、キツいだけの山ではなさそうというところにも惹かれつつ。

そんな感じで山開きとなるGWからこの男体山へとチャレンジする機会を伺っていた今年。
山開き直後はまだ雪が残っているとのことで見送っていたのですが、そろそろ大丈夫かなと。5月は結構暑い日が続きましたしね。

そんな週末。天気も良いとの事前情報を得て、もう気分は完全に山歩きモード。
朝イチ……ではないですが、北千住駅6時42分発の特急に乗って東武日光駅へ。前回の伊豆ヶ岳もそうなんですが……最近、特急に乗っての登山にすっかりハマってしまっていますね……やばい。主に懐が。

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男体山の登山口がある二荒山神社中宮祠へ行くには、湯本温泉行きのバスに乗るのがメジャーですが。停留所数駅分くらい歩いても構わないよという人や、混んでいるバスに乗りたくないという人は「中禅寺温泉」まで行けるバスならどれに乗っても大丈夫だと思います。
そこから1kmほど歩けば二荒山神社中宮祠に着きます。

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男体山はこの二荒山神社中宮祠が管理しています。登山口の入り口で入山料の500円を支払い、軽い登録を済ませ巫女さんに元気を分けてもらって登りましょう。
大事なことです。

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色々なブログに書いてあるとおり、男体山は最初の一合目〜三合目までがなかなかの登り坂。
いつもの低山気分で飛ばしていくとバテる未来が見えるので、ゆっくりゆっくり写真を撮りながら登っていきます。

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……そういえば。実は今まで使っていたニコンのカメラとレンズを下取りに出して、広角単焦点と標準マクロを買っています。

標準マクロはSony純正、広角は色々迷ったんですがTokinaのFíRIN 20mm F2 FE MFを選びました。
最初は同じくSonyの16-35mmを買おうと思っていたんですが、値段や画質など色々考えて……敢えてMFオンリーのFíRIN 20mmに。

正直、山歩きにMFオンリーの単焦点って大丈夫かな……という不安はあったのですが。α7はMFのピント合わせもやりやすいですし、むしろ絞りリングついてて楽しいくらい。
まぁ山ではほとんど無限遠で撮ることになるので、実際にはAFなくても困りませんでしたね……。

山では圧倒的にズームの方が市民権を得ていますが(特に広角はズームの方が間違いなく有利でしょう)、私の場合余程明るいレンズでない限りメインは35〜50mmあたりの単焦点、広角レンズは20mm前後でしか撮らないとわかっていたので。

標準マクロの方は、SEL35F28Zが思ったよりも寄れないレンズだとわかったので。
そんなわけでこの日は35mmは家に残して、20mmと50mmの単焦点レンズでの撮影に挑戦です。

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さて、話を戻します。
初っ端に登るにはなかなかの坂道を登りきると、三合目の標識が見えてきます。二合目の標識はどこにあったのやら。
ここから先はしばらく舗装された林道を歩くことになります。
ちょっとした休憩気分ですね。

四合目〜六合目

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四合目からは再び山道を歩きます。
それなりに傾斜はありますが、これまでの道でもう身体が慣れたと思いますのでこのあたりは余裕でしょう。

この時期は虫も多いですね。刺されないように気をつけましょう。

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山の中腹あたりまで簡単に進んでしまうので、今回は割と余裕なんじゃないか……?と油断を誘う男体山。
樹林帯の中を進みますが、時折中禅寺湖を見渡せるような箇所もあるので飽きません。

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もう周りの山より高いくらい。風が冷たくて気持ちが良い!

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五合目を過ぎたあたりで一度、こんな感じの岩場に出くわします。

……それは、男体山がその真の姿を現す前兆。

六合目〜九合目

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六合目あたりからでしょうか、徐々に足場が悪くなってきます。
樹林帯の中でも石が目立つようになり、股を高く上げて登るような場面が増えてきます。

急登でも、てくてく歩ける時はそこまで辛さを感じることもないんですよね。ですがこの男体山、後半は「歩いて登る」というよりも「よじ登る」という表現が似合うような場面も多かったり。
慣れない登りで徐々に、足に疲労が溜まっていく……!

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七合目前後は岩場の連続。鎖はほとんどありませんが、その分足で登ることを要求されるわけですね。
三点支持で……みたいなスリルのある場所はほぼありません。進行方向を示す矢印も多く、それに従って進んでいけば危険な場所は全然ないんです。

ただ、とにかく登り続けるだけ。意外と腰を下ろして休むような場所もなく、あまり休憩も取らずにひたすら上を目指します。
技術じゃなく体力で登るのが、この男体山という山……!

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七合目、八合目あたりはちょっと腰掛けることができるような場所もあります。
ひと息入れるか、それとも体力のあるうちに山頂まで登ってしまうか。各々の登山スタイルに合わせて登りましょう。

ちなみに八合目にはちょっとした鎖場も。これは完全に自己満足のルートで、別にこちらの道を選ばなくてもまったく問題ありません。というか、鎖場を経由していくと元の道に戻るのが結構面倒くさい(笑

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まぁ、登るんですけどね。
登った先には松ぼっくりが。まだ小振りなサイズです。

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八合目を越えたあたりで岩場は途切れ、少しずつ低山とは異なる表情を見せ始めます。
土というよりはさらさらした砂のような踏み心地。そういえば男体山は火山でしたね。

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そうして九合目。ここまで来ると岩場の面影もなくなり、すっかり登りやすくなりました。
登りやすくなった、はずなんですが……? 足が、もう上がりません。

そういえば朝はレーズンパン2つとかいう舐めた朝食だったなぁと思い出しつつ……。
まぁ、七合目付近でおにぎりいっこ食べちゃったんですけどね。

止むを得ず、封印していたストックを取り出す私。

九合目〜山頂

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九合目を越えて少し進むと、木々の背が一気に低くなり視界が開けてきます。これが所謂森林限界というやつ……!
森林限界を超えるのは初の体験です。

変化したのは木だけではありません。そういえば、なんか轟々と鳴っているなぁと思っていたのですが……。

風が強い!そして寒い
いつの間にか指の動きが鈍くなっています。カメラの操作をするのがとても億劫。

「山登るんですか?山頂はやっぱり涼しいんですか?」なんて訊かれて、いやぁこの時期は山頂も暑いっすよ、なんて答えていた私。それは低山の話で、森林限界を越えるような山になると事情は違うものですね。
確かに約2500mは未体験ゾーン。ここまで来れば「低山」とは言わないのではないでしょうか?

急いで風の当たらない影に隠れつつ、いつでも取り出せるように入れているレインウェアと、朝なんとなくザックに突っ込んだフリースも取り出すことに。
生憎、グローブは持ってきていません。そういえば軍手買っておこうと思って、忘れてたなぁ……。

単純な標高差による気温の変化だけでなく、標高に応じて風が変化することで体感温度も大きく変わるんですね。さっきまでTシャツの袖をまくっていたのに、今は3枚も着込んでいます。

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山頂まで……あと少し。手が冷たいですし、足も上がりません。
ストックのおかげで足の筋力に頼り切らずに登ることはできますが、このあたりは足場がざらざらした砂状なので滑らせないように注意して一歩ずつ。なかなか進みません。

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そうしてようやく辿り着いた山頂。風が強くて、感動よりもまずは風を防げる物陰を探す羽目に。
ちなみにここは、実は山頂ではありません(笑

男体山山頂

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男体山の真の山頂はこちら。この約束された勝利の剣が刺さる岩が男体山の山頂になります。
幸いこの岩が冷たい風を防いでくれたので、ここで暫く休憩を取ることに。

ここ男体山のこの日の気温は5度とも8度とも。これだけ風が強いと体感気温はマイナスだなー、なんて声が聞こえてきます。
わかる、めっちゃわかる。だって11月くらいの南高尾山稜とあんまり変わんねえもん。

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山頂に着いた時は生憎の曇り空、でも時折こんな感じで雲の切れ間から陽の光が差すことも。
たったそれだけで暖かいと感じる。やはり山を舐めてはいけなかったのだ!

右手の方に何やら怪しげな雲が。夏によく見る雲の形に似てませんか。

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男体山から中禅寺湖を見下ろす。
山頂が開けた山は何度か登っていますが、他にほとんど高い山のない山頂は貴重な体験。この日は日光白根山が雲に隠れっぱなしだったので、本当に「あたりで一番高い山」感が強かったです。

さて、名残惜しいですが下山します。
実際には名残惜しいというか、早く暖かい所に戻りたいという気持ちが強かったですが(笑

下山〜華厳の滝

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今回はピストンなので下山ルートに関しては特筆することもなく。着込んでいたフリースとレインウェアは八合目付近で脱ぎました。

下山時は岩場を下ることになります。登りの時はどうってことのない場所でも、下山の時は慎重に。男体山の岩場は浮石が多い印象でしたので、特に下山の際には思わぬ事故に繋がらぬようご注意を。

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白いツツジ?なかなか綺麗です。

そうして約2時間、再び二荒山神社中宮祠へと戻ってきます。
無事下山できたことに感謝しつつ、入り口の自動販売機で炭酸ジュースを一杯!山の後はコレですよ。

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バスが来るまではそれなりに時間があったので、中禅寺湖の畔りを歩きながら華厳の滝へと向かいます。
さすがにこの時間はお店も閉まっていてほとんど誰もいませんでしたが、それはそれで静かな自然を楽しめて良し。

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華厳の滝は……エレベーターが動いている時間に見ることができれば楽しいのかもしれません。
さすがに私が着く頃には動いておらず無料の展望台のみだったので、なんか肩すかしな景色。まぁ、男体山の景色を楽しんだ後なので贅沢は言えませんな。

他には竜頭ノ滝というのもなかなか見応えがありそうですよ。そちらには紅葉の時期にでも、ぜひ三脚を持って撮りにいきたいものです。

登山を終えて:山のレンズ

と、こんな感じで噂に違わぬ体力勝負のド根性登拝となった男体山でした。
今回は敢えて一番好きな35mmを持って行かずに20mmと50mmで登りましたが、20mmには20mmにしか写せない景色があるとして……50mmは個人的にはあまりしっくり来なくて、撮る枚数も少なくなってしまいました。
(実際には男体山自体が結構キツかったから、というのもあるのですが)

うーむ、なぜだろう?今まではむしろフルサイズ換算で50mmくらいの単焦点レンズをメインに登ることが多かったのですが……。
まぁ、当時からフルサイズで35mmの絵が撮りたいという気持ちはあったので、それを体験してしまうともう戻れないのかもしれませんね。

FíRIN 20mmの方はもう文句なし。α7のMF補助機能と絞りリングでめいいっぱい楽しめました。いっそ35mmも絞りリングあればMFでいいんじゃねえかなっていうくらい。
50mmマクロの方はつい20mmにつられて、F8とかで撮っちゃったりしてましたし。

山のレンズは広角ズーム+標準ズーム、というのがよくわかる登山でもありました。いずれは16-35 F2.8とかで登るのかもしれませんね。
広角+自分が一番好きな絵の撮れるレンズ一本、という組み合わせが一番登山を楽しめるのかも。それが私にとっては35mmだった、ということですね。
レンズ3つで登ってもいいのですが……。マクロはコンデジとかに譲ってしまうのも一つの手かな?

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