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TSCC-01 CROW'SCLAW Signature Overdrive

2017年10月28日2023年10月01日音系コラム

書くと言いつつ書いてませんでした、YAMAGENさんのハンドメイドOD、TSCC-01について。

明日はどうやらM3らしく、増産したそうなのでYAMAGENさん支援も兼ねて記事にしてみます。

ちなみにYAMAGENさんとこの新譜情報とかはYAMAGENさんのサイトにて。

スペースは 第一展示場 Q-22a らしいですよ!

http://www.crowsclaw.info/archives/1126

以前こちらで記事にしましたが、その時に「いずれこっちにも纏めようと思います」とか言っておきながら結局何もしてませんでした。

……というわけで、今日はTSCC-01について今更詳しく書いてみようと思います。

サウンドデモとか

以前録ったものですが、一応再掲しておきます。

コンセプト

一言で歪み系ペダルといってもバリエーションは多いですが、TSCC-01は「アンプの前段にHPF/LPFとして経由させるペダル」という用途をメインに考えて作られています。

一応、私のシグネチャーというコンセプトで始まったOD作り。ですが、その「アンプの前段に噛ますODペダル」としてベストな1台を目指すというところに落ち着いていると思います。

アンプの前段に嚙ますODペダルの役割については過去の記事を参照。

音の方向性とかはYAMAGENさんと相談しながら微調整していましたが、好みが一致していたのでスムーズでした!

強烈な個性が欲しかったのではなくて、とにかく良いものが欲しいという感じ。キャラクターとしては割と普通ですが、後述するコントロール部分で自由に変えられるペダルだと思います(特に低域と高域)。

機能とか

基本的には一般的なODと同じだと思います。

クリッピングの選択なんかはブティック系のメーカーでよく見かける機能ですね。

個人的にはシリコンダイオードでクリップするのが一番好きです。元の音からは一番キャラが変わりますが、この音色が欲しかったんだって安心できるタイプ。

様々なアンプ/キャビネットのキャラクターに合わせて細かい調整ができるよう、通常のToneツマミだけでなくHPFツマミも追加しています。

低域をどの程度出すか/絞るかというのを自分の意思で設定できるようにすることで、アンプ側の歪み方をより細かくコントロールすることができると思います。

強いて言うとしたら、インプットインピーダンスを弄るツマミがある、というのが変わり種ポイントでしょうか。

拘りの増幅率

増幅率は結構多めなので、単体でも結構しっかり歪ませられると思います。

が、私が拘ったのはむしろ逆の方。Gainツマミをゼロに絞った時には等倍=ほぼ歪まない、というのが私の要望。

どういった使い方を想定しているのかというと、ゲインアップは特に求めていないけどODペダルのフィルタリングだけは欲しいという場面。

例えば……。クローズドバックなスタックアンプしかないのだけど、どうしてもコンボアンプ風の中域に寄った感触が欲しい時とか。

オープンバックの開放感のあるキャラクターまで再現するのは不可能ですが、クローズドバックゆえに低域や高域に散る感じはODペダルである程度解消することができます。

が、一般的なODペダルではゲインをゼロまで絞ってもクリーンにはならない。どうしても不要な歪みが掛かっちゃうんですよね。「クリーンブーストが可能」と言われるOD-820proも、完全なクリーンではありません。

TSCC-01だとほぼクリーンなので、まったく歪ませずにODペダルのキャラだけを得るということができます。

以前からOD-820proでゲイン絞ったりして使っていたので、この部分はすごく重要でした。

想像以上に良かったポイントのひとつなのでベタ褒めしたいところ!

インプットインピーダンス可変ってどういうことよ

インピーダンスはロー出しハイ受けが基本、とはいいますが。実はインプットインピーダンスの値によって、音はほんのちょっとだけ変わってきます。

以前、こんな実験をやったことがありました。

http://www.crowsclaw.info/archives/154

他にもFocusriteのマイクプリなんかはインプットインピーダンスを選べたりしますね。

本来はリボンマイクのように特殊なマイクを使うことを想定してのことだと思うのですが、キャラがほんのちょっと変わるので遊べるポイントでもあったり。

理論的にはどうあるのが理想なのか、みたいなのは正直私にはよくわからないです。

が、音が変わるということはコントロールできる要素が増えるということ。ODペダルにも付けたら面白いんじゃない?と提案したら通りました。

実際には、ほとんどその効果はわからないと思いますが。

でも収録の際にマイク越しに自分の音を聴いてみると、ほんのちょっとキャラが変わることに気づくはず。

それをコントロールできるのがこのツマミというわけです。

実際に使ってみて

ぶっちゃけて言うと、これのプロトタイプが完成した時からずっとこのOD使ってます。もう他のODには戻れない……。

ノイズも今まで使っていたペダルと比較して少ないと感じましたし、録り音もこのペダルの時の方が良い感じ。

私が拘った部分が利便性や音の選択肢にダイレクトに反映されるので、個人的にはコレ以外っていう選択肢はもうないですね!

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