Kemperリグパックとか、キャビIRパックとか。
色々なタスクがごちゃ混ぜになった今年の前半ですが、ようやく色々落ち着いてきました。
意地でも山には行くぞ、と赤城山に行ったりはしましたが、平日休日問わずずーっとバタバタしていたような気がします。
そんな中で実はこっそりとKemperを買っておりました。あれほどマイク録りに拘ってたのに魂売ったか!と言われそうですが(何
以前Godspeed先生から色々と実演して頂いた時、これは凄い機材が出てきたもんだなぁと思いまして。
色々なタスクの合間を縫ってKemperのRigと、キャビのIRも作っていたり。折角なので Gumroad に置いています。
CROW’SCLAW Rig Pack for the Kemper Profiling Amplifier
KemperのRigの方は私の音そのもののデータ化とか、私が出したいと思う音のプロファイリングを目的に作っています。ハイゲインアンプ中心で、全部私の好みに合わせて低域はタイトで中域薄めなトーンセッティング。メタル系のギターはダイナミックマイク1本、OnAxisで録り切るべき!と考えているので、SM57一本です。
なので、あんまり柔軟性はないかもしれないですね。まぁローゲイン系はEgnater、クリーンはFender Pro Reverbがあるので私が音を出す際には特にバリエーションで困ったりはしないのですが。
ODを経由した音をプロファイルするか、それともODは別途用意することを前提にプロファイルするか……。ここは結構悩みました。本家はアンプ直でプロファイルすることを推奨していますが、色々と模索した結果Studio ProfileはODも含めてひとつの音色と考えて、繋いだ状態でプロファイルすることにしました。
Direct Profileの方はIR等を組み合わせたり、音を作る要素があるのでアンプ直(ただしODでブーストすることを考えて歪みは軽め)にしました。こっそりIR Packの方に音作りのプリセットを入れているので、参考にして頂けたらなと。
基本的にはまず、そのアンプが出せる良い音を一つプロファイルしています。そこから明るい音、暗い音、音を濁らせたくない時のためにゲインを下げた音を順にプロファイルしていっています。他にはクランチ系やクリーン等、そのアンプの独特な音もプロファイルしておくことにしています。
音色のバリエーションによってODが外れていたりすることもあります。そのあたりはRig Managerで確認して頂ければ幸い。
キャビはOversizedな4×12と、Traditionalな4×12の組み合わせが中心。スピーカーはもちろんWGSのVeteran 30。
G12H系が合う(と個人的に思う)アンプにはWGSのG12Hクローンも合わせています。5150IIIは確かオリジナルのキャビネットがG12Hでしたし、JCM800もG12Hが合うかなぁと思ったので。
他にはクランチ寄りのEgnaterには4×12のG12Hと、オープンバックの1×12に同じくG12Hを載せて、マイクはSM57とAT4081で収録しています。クローズドバックとオープンバック、ダイナミックとリボンを選ぶような感覚で選んで頂けたらな、と。
FenderのPro ReverbはStudio Profileのみ。思いっきりクリーンな音とボリューム上げ切って歪ませた状態の2パターンで、BrightスイッチのOn/Offとスピーカーの違い(JensenとEminence)がバリエーションになっています。あ、あとマイクもダイナミックとリボンがありますね。
自分ではほとんどクリーンでしか使ってなかったのですが、今回試しに歪ませてみたところコレはコレでアリかなーと思ったり。古いアンプはあまり無茶をさせたくないのですが、Kemperなら安心(笑
KemperのEQは基本的に切った状態でパッキングしています。Kemperっていう機材が「その時のアンプの状態をキャプチャーする」という一点に特化しているので、まずKemperから出てくる音を受け入れるところからスタートして頂けたらなぁと。どのRigもちゃんとキャプチャーできるまで録り直してるので、私の収録環境は結構正確に再現できていると思います。
CROW’SCLAW Cabinet Impulse Response Pack
IRデータの方は、私が今までに所有していたキャビとマイクの組み合わせをデータ化することで、ギターのトーンにおけるキャビとスピーカー、マイクのチョイスとポジションの重要性みたいなものを学べるサンプルになったらなーと思って作りました。
Veteran 30の音を、OversizedキャビとTraditionalキャビで選べるって結構贅沢だと思うんですよ(何
あと、Vintage 30の方もオリジナルの英国製ではなく、海外で評価の高い中国製に拘ってます。Vintage 30が載ってるキャビなのにVintage 30に交換するって、なんか謎ですね。
他には、KPA Rig Packの方では収録していないBlackstarの2×12キャビも収録してますね。2×12にしてはそこそこ大きめのキャビで、4×12と比較すると中域に寄った音が印象的でした。
マイクの方は定番のSM57とMD421IIに加えて一時期人気の高かったi5、最近人気のあるPR20、通好み?なe606を揃えています。さすがにEVのマイクとか、キック用のマイクとかは要らないかな……と思ったので録りませんでした。
リボンマイクはAT4081。コンデンサは録りませんでした。個人的にはダイナミックかリボンか、という二択で固まってしまっていて、キャビにコンデンサを合わせる……というのはイメージが沸かないもので。
位置はスピーカーの中心から外周に掛けて、だけ。スピーカーからの距離は、自分が思う位置で固定して録ってしまいました。自分だったらこの位置正直使わないよな、という気がしたのでそこは省略。
それでも各スピーカーで40つずつ、合計280ものIRデータになりました。結構多い……かな?ちなみに、IRのスウィープ音を録った後のEQ加工とかはしてません。
ウチのKemper用のDirect Profileに合わせたり、手持ちのアンプシミュに読ませてみたり。色々と使い道はあるんじゃないかなと思います。
あ、ちなみにスウィープ音はAmcronのD-45で録りました。もともとNS-10M用に買った子だったんですが、今回の用途が一番役に立ってくれたかも。
Kemperの個人的な感想と、その他最近のアンプシミュ事情について
Kemperはプロファイリングアンプであってアンプシミュでは……ないですが。もともとうまくプロファイルできた時の再現性は知っていたのと、私には保存しておきたい収録環境があったのでKemper一択でした。
Axe-Fxシリーズは個人的にはライブ向きという印象で、私にはちょっと合わないかなと思っていたので除外。BIASシリーズは純粋に、「アンプ」をシミュレートするツールとして気になります。
パッチのロードなど操作面でもうちょっと融通が効いてくれたらなぁと思ったりもするのですが、それでもこのクオリティでアンプ〜マイクまでの音を記録しておけるというのはすごく便利。ホンモノが100点満点だとしたら、95点くらいまでは詰められると思います。その残りの5点に該当する箇所がミキシングやマスタリングの段階でスポイルされずに残るとは限りませんし、録音ツールとしては今もっとも最先端かも。
ただ自分でリグ作って配布しておいて何ですが、せっかくKemperを買うなら自分でもプロファイルしてみることを強くお勧めします。ギターとKemper、あとはマイクとケーブルさえあればどこでもできるので、試しにリハスタに置いてあるMarshallやジャズコの音でもプロファイルしてみると面白いんじゃないかなと。
私もKemperを買ってからRigを作る前にいくつか有料のRigを購入してみたのですが、いざ自分で録ってみると他所との違いがはっきりわかるので、新しい発見も多かったですね。
ちなみに私が買ったのはヘッドタイプのパワーアンプなし。ライブしないのでパワーアンプは要らないかなと思って、あとラックタイプはツマミが少ないかなと思ってヘッドタイプにしました。でも置き場所にちょっと困ってるので(笑)ラックタイプでもよかったかなぁ。
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