HR/HMで使うマイナーペンタトニックスケールとブルーススケール
ギター講座なんて珍しいですね。次回があるかはかなり謎ですが。
先日Twitterでちょろっと書いた小ネタがあるので、それを記事にしてみようかと。
調号付けるのが面倒くさいので、全てAマイナーで話を進めていきますね。
ポジショニング
とりあえず、まずは定番の5F付近のボックス・ポジションと、それと似た感覚で弾ける12付近のポジションから。
5F付近だけ覚えてるとGmとか微妙な位置の時に困るので、この2パターンくらい指に覚えさせておくといいですね。
他の位置もあることはあるんですが、ギターらしく弾くには微妙なので覚えなくてよいかと。
次に指板を斜めに移動していくリニアなポジションふたつ。
2種のボックス・ポジションを発展させていったパターンです。
ボックス・ポジションの場合は、チョーキングを絡めたフレーズがやりやすいのがメリット。
5F付近のボックス・ポジションだと3弦7F、2弦8F、1弦8Fがそれに当たりますね。
1音チョーキングはもちろん、ハーモナイズドチョーキング、ダブルチョーキングなんかもやりやすいです。
リニア・ポジションの場合は音域の広さと、速弾きとかがやりやすいのがメリットかな?
ひとつの弦の中ではインターバルが2半音になるので、普通のフレーズなら無理に指を伸ばしたりせず弾けるのがいいですね。
私の傾向としては、それぞれの利点を活かして、スケール弾き主体の場合は音域の広いリニア・ポジションを、チョーキング主体の場合はボックス・ポジションに切り替えて弾いてることが多いようです。
だいたい無意識のうちに選択するので、考えながらやることはまずないのですが。
マイナーペンタから発展してブルーススケールへ
ペンタトニックスケールの5音だけじゃソロを弾ききるのは難しい。
ナチュラルマイナースケールの構成音を含めるのもアリなんですが、Am一発みたいなソロだとブルーノートも使えた方がロックらしいフレーズになりますね。
5F付近のボックス・ポジションとリニア・ポジションに、ブルーノートなどを含めたもの。
マイナーペンタトニックスケールにブルーノートと、ブルーノート以外でも多用するものを入れています。
シャープのつくC#、D#、F#、G#あたりがポイントでしょうか。
ブルーススケールは教則本ではよく見かけますが、いきなりこんなの出されてもわかんねえよって話ですね。
どうやって使うのかというと……、ブルースたくさん聴いて覚えてください、としか言いようがない(笑
私の場合はBB King、Eric Clapton、Carlos Santanaあたりを色々コピーして身に付けました。
とだけ書いて終わると何の参考にもならない記事として終わるので、ナチュラルマイナーではスケール外になる音についてそれぞれ書いていこうと思います。
Twitterでもちょこっと書きましたがあんまり深く掘り下げられなかったので、このあたりが今回の本題になるのでしょうか。
C#
まずC#から。Aにおけるメジャー3rdですね。
いきなりアレなんですが、HR/HMではあんまり使う機会はないです。
メジャー3rdの響きが強烈すぎるので、経過音としてクロマチックに使う以外ではなかなか使いどころがない。
私が使ってるところだとこのあたりでしょうか。0:19からのフレーズで一瞬混ぜてますね。
聴いての通り、min3rd > Maj3rd、と続けるとブルースっぽい。そういう用途で使います。
D#
次にD#、こいつは本当によく使います。
経過音として使う以外にも、Dから半音チョーキングしてみたり、Aマイナーのペンタで敢えてDを抜いてD#を使ってみたり。
意図的にこの音を印象的に使うとロック感というかブルース感というか、マイナーペンタで弾いてる感がかなり出ます。
上昇フレーズの中で使っても、下降フレーズの中で使ってもそれっぽくなるので使い勝手はかなり良いですね。
こちらの0:46〜のフレーズは私の中では定番的な使い方。薬指が疲れます。
F#
F#は非常にブルース的な響きなんですが、同時にAmのワンコードでもナチュラルマイナーの構成音外なのにあんまり違和感のない音だったりします。先ほどの聖徳伝説のソロでも使ってますね。
ブルースのコード進行ではIV7の時に使える音なので、ロックでもガンガン使っていける音。逆にナチュラルマイナーの構成音でもあるFの方は、ブルースのIV7では外れてしまう音なこともあってか、使うとペンタ感というかブルーススケール感が一気に薄れていってしまいます。
Fの代わりに使ったり、F#から半音チョーキングでGを目指したり、そんな使い方ができると思います。
Key=AmでのFMaj7 > G > Am7みたいなコード進行だと、当然のことながらFMaj7の時に外れてしまうので使いづらいです。
G#
G#はブルーノートでもなんでもないですね。基本的にはただの経過音です。
ただマイナースケールでV7が出てくる場合はGの代わりに使うとドミナント感が強調されますね。
メタルだとやっぱり、V7の時だけハーモニックマイナーPF5を弾くっていう解釈の仕方が多いと思います。
マイナーペンタに加える音という感じからはちょっと外れますね。ただ、リニア・ポジションとボックス・ポジションのG#の位置を覚えておくと、マイナーV7の時に咄嗟に対応できる……かもしれません。
締めの一言
私の艦これアレンジのギターソロ動画でも貼りながら締めに入ろうと思います。
この曲の前半もペンタ+ブルーノート主体ですね。
私流のペンタトニックスケールというか、ブルーススケールを基調としたマイナーペンタトニックへのアプローチについて少し紐解いてみました。
ギターの腕にも音楽理論にも自信があるわけではないので、普段なかなかこういうのを書いたいとは思わないのですが。私より速く指が動きそうな人でも、こういうペンタ主体のギターをコピーするときは結構苦戦している光景を見掛けるので、私のホームグラウンドである「ブルースをルーツにしたペンタトニック」の弾き方について少し解説してみました。
日本人とペンタトニックスケールは親和性が高いのですが、ブルースをルーツに持たないのでブルース的なアプローチをする人は少ない印象。この記事が、ブルース的アプローチを身につけるひとつのヒントになればいいなと。