新譜 “Soundtrack Of The Fairy Tale” 情報公開です。
世の中はポケモンGO一色。私の頭の中もポケモンGO一色。低山登山で鍛えた足と根性でポケモンゲットしまくってます。
歩くのは慣れてるので毎日タマゴを孵化させるために歩いて歩いて……。さて、肝心の登山はどうした(笑
そんな日々ですが、今日は宣言通り音楽系の話を。夏コミで頒布する新作”Soundtrack Of The Fairy Tale”、告知開始です。
今回のCDの概要みたいな話
YoutubeやSoundCloudのデモを見て頂ければすぐに察して頂けるかと思うのですが、今回は「いつものメタル」アレンジではありません。時々作る「オルタナメタル」アレンジでもありません。メタルコアやスラッシュメタル系のアレでもありません。
Epic/Cinematic系やIndustrial系、それに本来の守備範囲のBluesやHR/HMなどを色々掛け合わせて掻き混ぜた、ジャンル不詳の音楽です。
強いて言えばハリウッドのアクション映画のサントラ(主にTrevor RabinやHans Zimmerが好み)が一番のリファレンスになっていて、そういった雰囲気を一番重視して作ってます。でもここまでギターが全面に出てくるのはやはり珍しく、そういう方向性が合致しやすいのはゲームのサウンドトラックかなぁと思ったりしつつ(個人的にはゲームというには若干映画音楽寄りの雰囲気ですが、MGS3のサントラは好きでよく聴いてますね)。
サウンドトラックと言えば、今回は割とサウンドトラック的な構成も意識しながら作っているのですが。東方Projectの音楽はほとんど全ての曲が登場人物と結びついているので、今回のCDは「この曲がこんな曲調で流れるということは、こんな場面で使われるはず」というのを想像しながら聴くことができるのではないかなと思います。この構想自体はかなり以前からやりたいと思っていたのですが、私が普段作るようなものでは曲から場面や情景を想像できるようなものでもないので(笑)。今回ようやくそのイメージを具現化できたなという気がします。
なるべくアルバムの曲順もストーリーの流れとして成り立つように配置しているので、一通り聴いてみるとこのCDのストーリー(それと、このCDで書かれていない幕間の場面)のようなものが想像できるのではないかなと……期待して、いるのですが。いかがでしょう。
制作秘話っぽいもの
構想自体は2009年くらいから。何度も挑戦してみては敗北して、の繰り返しで今回ようやく完成させることができました。
中でも2曲目のLittle Hero(おてんば恋娘のアレンジ)や3曲目のScarlet Devil Mansion Chase(亡き王女の為のセプテットのアレンジ)はかなり古くから大まかな概要だけは固まっていたのですが、この形にまとめることができなかったり、このクオリティに到達することができなかったりと敗北続き。今回はこの2曲から着手して、それにある程度手応えを感じたことで完成させられるという確信に至りました。いつもと比べて2〜3倍くらい、かなり制作には時間が掛かりましたが……。
リアルな話をすると……ジャケットイラストをお願いするメールを出すと、「もう引き返せないな」と退路が断たれる思いになります。そのためになかなかメールが遅くなりがちなのですが、今回はいつも以上に送信ボタンを押すのに勇気が要りましたね……!(笑
まさにLittle HeroとScarlet Devil Mansion Chaseのラフを作り終えた段階がそれでした。今回こそはいけるな、と。
個人的なミックス技術の進歩と、昨今の音源の高品質化の両方があって初めて完成できたCDだなと個人的には思っています。今回はSpitfireのAlbion Oneを新しく導入して、オーケストラ系の音色はAlbion Oneだけで(かなりイレギュラーな使い方もしていますが)カバーしているのですが、この音源のポテンシャルに助けられた部分も大きいですね。パーカッション音源には色々な音源を結構複雑に組み合わせて使っていますが、そのあたりの力も大きいですね。
そしてそれらを纏める今の自分のミックス技術、その全部が合わさってようやく自分が納得できて、世に出せると判断できるクオリティになったなぁと。
人と組んでの制作なら簡単にこれを超えるものを作ることもできると思うのですが。一人では辛かった(笑 でも、一人でこれを完成させたいというのが長年の夢でした。それを果たせて本当に良かった。
今の心境とか
構想自体はもう8年くらいになるのでしょうか。ようやく完成して心底ほっとしています。
強いて言うとしたら今のように同人音楽がポピュラーミュージックと同じく歌モノ、キャッチーさが重視される傾向になる前に世に出せたら。そしてそういった人達がまだ多く興味を持ってくれていた時期に出すことができたら……という悔しさはあります。が。その願いを果たせないのは、自分が本当に納得のできるクオリティのものを出すということ、そのための代償かなぁとも思ったりして。