特にモダンなロックやヘヴィメタル等の音楽のプロダクションには、様々な困難が待ち受けています。音数の多い楽器構成、複雑に構成される譜面、そして左右に聳え立つギターの壁。特にこのような音楽に対するアプローチに特化した技術書は、多く求められているにも関わらずあまり見掛けません。アマチュアやセミプロの多くの方々にとってこのような音楽のプロダクションは一つの壁であると考え、その壁を突破する一つの糸口となればと思い発行に至りました。
ミキシングを行う上で重要なこととは。私は、常に「そこにある音源に対してどのような理由から、そのプロセスを選択するのか」を考えること、だと考えています。本書では様々な楽器に対して、そのプロセスのレシピよりも、ミキシングを行う上でその音源の何が問題となるのかを提示し、それを解決するために何をするべきなのかを提案することを重視して解説しています。
また、このテキストで書かれている文章の多くは私が独自に組み立てたセオリーに基づいて構成されており、必ずしも普遍的な内容ではありません。私が今までに積み重ねてきた多くの経験から導き出された一つの答えではありますが、中には既存のセオリーからは大きく逸脱した内容も含まれていますのでご注意下さい。
願わくばこのテキストの内容をただ模倣するのではなく、記述をもとに一人ひとりが考え、模索し、その上で自分なりの正解へと辿り着いて頂けたら。そしてそれがフィードバックされ、何らかの形で多くの方々と共有できる下地となればと願っています。
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- Mixing Tips 2014 序文より抜粋
内容
- ミックスダウン作業全般(と、レコーディングとマスタリングについても少し)についての解説本(CD-R / PDF形式)です。主にはロックやヘヴィメタル等、バンドサウンドを主体とした音楽が対象です。
- DAWの操作やプラグインについて、ある程度の知識を持っている人が対象です。わからない用語などが出てきた時に、自力で検索ができる人なら大丈夫です。
- CD-R媒体での頒布となりますが、音源等は付属しません。
- 記載されている会社名・製品名等は各社の登録商標、もしくは商標です。
- その他、もし何かわからないことがあればM3当日、私を捕まえて訊いてみて下さい。答えられる範囲でお答えします。