Mixing Tips 2017


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“ラウドネスノーマライゼーション”時代におけるミキシングの新たな発想――

ミキシングは何をする工程なのか。そこにあるコンプレッサーやイコライザーは、どのような目的や理由で使われるものなのか。
楽曲制作を個人で完結させることも珍しいものではなくなり、エンジニアリング技術まで求められるようになった昨今、残念ながらそれを正確に意識できているクリエイターはあまり多くはないのではないでしょうか。

時代の要求に応じて、音楽は常に変化し続けることが要求されます。
ラップトップから DVD ドライブが姿を消し、今や CD で音楽を聴くという人は少数派。再生機器も スマートフォンや小型のポータブルプレイヤーになり、記録媒体から常にリアルタイムで音を読み込み 続ける必要はなくなりました。
多くの再生環境でラウドネスノーマライズが可能になり、今や嘗ての「音圧 = 良い音」という常識は 180 度覆されつつあります。ピークリミッターに負荷の掛からない、コンパクトに纏められたミキ シングが最も優れたミキシングであるという今までの価値観は、急速にその説得力を失いつつあります。
改めて、ミキシングとは何をする工程なのか。今こそ基礎を振り返り、それぞれのプロセスにダイナミックレンジを狭める以外の意図を持つことが必要です。
本書では、「◯◯は◯ Hz をブーストするとよい」といったインスタントな記述は極力控えています。 それよりもミキシングがなぜ、何のために行われるのか。そこまで遡り、一つひとつその理由と発想に 触れながら解説することを優先しています。
読んですぐ使えるプリセットではなく、最終的に理解した時に基礎から応用までの全てをこなせるようになる解説を目指しました。

録音物の在り方が激変している今、本書の視点は一般的なものではないかもしれません。しかし本書で提示するミキシングの在り方は、これからの時代を見据えたものであると私は確信しています。
本書を読み終えた時、あるいはそれから何年か読み返した後に、ミキシングに対する意識が変わっていれば幸いです。

Mixing Tips 2017 序章より

収録内容

Mixing Tips 2017
PDF形式 手焼きCD-R / DL販売
1,366×768 以上の解像度推奨
頒布価格:3,000円
頒布イベント:2017年 4月 30日 (日) M3
スペース:第二展示場 2階 サ-35a

ハイライト

1章 改めて、ミックスダウンとは
2章 ミキシングのワークフロー
3章 バランシングのための手順
4章 立体感の演出
5章 定位の扱いとM/Sプロセッシング