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初めてでも登れる、初心者向け関東お勧め低山リスト

2019年04月21日2023年09月30日登山コラム

SNSで盛んに山アピールをした成果が出てきたのか、周囲から「実はちょっと山登りに興味が……」という声を聞く機会が増えてきました。 でもなかなか、実際に登ってみたよ!という話になりづらいのが登山の難しいところ。「山は怖いところ」というイメージが常にあるので、最初の一歩を踏み出すには勇気が要るかもしれません。

山登りは自然とダイレクトに向き合うので怖い部分もありますが、どの山もそうだというわけではありません。
もちろん安全への配慮を怠っていいわけではないですが、しっかりと装備を揃えて登らなければいけない山ばかりでもないんですよね。

というわけで今回は、まだ行ったことはないけど山に行ってみたい、そんな人でも無理なく楽しめる初心者向けの山を紹介したいと思います。

初心者向けの山、とは?

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何をもって登山初心者とするのか。初心者の定義って難しいですね。
私なんかもまだまだメジャーな、易しいところにしか手を出していないので、見る人から見ればまだまだ初々しい初心者かもしれません。

今回は、山装備をまだ何も持っていないような人をイメージしてみました。
ロープウェイで行ける山には行ったことがあるかもしれない。あるいは、高尾山くらいなら登ったことがあるかもしれない。
でも、まだ登山は「興味がある」くらいのレベルで、本格的な登山装備に手を出すほどではない。

初級者ではなく初心者、というとしっくり来るかも。
そんな人が無理に装備を揃えずに登れて、しかも山歩きを楽しめる場所にスポットを当ててみることにします。

目安としては標高差500m程度、行動する距離は6km前後。
難所と呼べるような箇所がなく、シーズン中は安心して歩けることを条件に、今まで登ったことのある山の中から絞り込んでみました。

あ、一応注意書き。
今回の山はどれも「装備を揃えなくても登れるくらい簡単な山」ではありますが、「事前の準備を怠っても無事に下山できる山」とは限りません。
登山ギアを買わなくても、山ってどんなところなんだろう、みたいなことを調べておくのは大事なこと。そして手持ちの衣類の中から工夫して、汗をかいても身体を冷やさないようなレイヤリングで登りましょう。

【高尾】高尾山

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ミシュランにも載ったとかなんとか。世界で一番登られている山、高尾山。
アクセスが良いのと、体力に合わせてコースを選べるのが大きな特徴。お勧めの季節は桜の咲く春か、紅葉がきれいな秋ですね。

高尾山を越えたあたりから観光地っぽさは薄れて山らしくなってきます。
小仏城山までなら体力も装備もそんなに要らないので、まずはそちらをゴールにするのが良いかと。

全体的に、他の山よりアップダウンが少ないので初心者向けです。高尾山口かあら高尾山までの標高差は約400m。お隣の小仏城山でも500mに届きません。
ただ、行動距離は今回ご紹介する他の山と比べるとやや長めかな……? 高尾山だけでも、ロープウェイを使わなければ10km近く歩くことになります。
初っ端から前提が崩れてますが……まぁ、高尾山だからってことで許して!

https://www.crowsclaw.info/archives/2874

【箱根】幕山

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丹沢〜箱根エリアの初心者向けな低山。梅の名所でもあり、花の百名山のひとつに数えられています。
標高625m、標高差は400mくらいで、コースの長さは5kmほど。運動不足の人でも登れる範囲かな?

麓の湯河原梅林は梅園なので、冬〜初春の時期には約4000本の梅が迎えてくれます。
山から梅の木々を見下ろすことができ、山だけでなく花も楽しめるのがこの山の特徴ですね。
雪などで行動範囲が狭まる時期でも安全に、かつ楽しんで登れるのが良いですね。

山の裏側に下山しようとすると人の気配が少なくなるので、最初はピストンの方が良いかもしれません。

https://www.crowsclaw.info/archives/2013

【丹沢】弘法山

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こちらは丹沢の桜の名所、弘法山。
標高は235mと非常に低く、コースの長さも約5kmほど。アップダウンが少ないので慣れていなくても無理なく登れます。

桜の山として有名で、満開の時期には山頂がソメイヨシノ一色に染まってしまいそうなほど。関東の山で桜といえば真っ先に挙がる山のひとつなのではないでしょうか。
ピークの期間は短いですが、アクセスも比較的容易なので花見登山にちょうどいい山ですね。

https://www.crowsclaw.info/archives/2040

【秩父】美の山

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丹沢の桜の山が弘法山なら、秩父の桜の山はここ美の山になるでしょう。
標高586m、標高差は約400m。コースの長さはこちらも同じく約5km。
秩父という立地からアクセスは上の2つに比べると良くはないですが、こちらもまた登りやすい山のひとつ。

弘法山がソメイヨシノ一色なのに対して、こちらは様々な山桜が植えられています。なので、多少ソメイヨシノのピークとタイミングがズレても問題なし。
山桜が咲くのは少し遅いので、むしろソメイヨシノが散るくらいのタイミングがベターかも。

タイミング次第では上記の記事のように、帰りに羊山公園で芝桜を鑑賞することもできちゃいます。
秩父の山は花の山、それを象徴する山の一つかもしれません。

https://www.crowsclaw.info/archives/2077

【奥武蔵】天覧山〜多峯主山

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天覧山はヤマノススメの舞台でもある飯能の山なので、ご存知の方も多いかもしれません。
標高271m、コースも山道に限れば4kmに満たないくらい。近所の方の散歩道になっているくらいなので、今回紹介する中でも特にゆるーく楽しめる山かもしれません。

私が行った時は、秋の紅葉がとにかく印象的でした。標高も低いので、他の山では旬を過ぎていてもこの山ならまだ紅葉を楽しめるかもしれません。
下山してからも飯能の観光スポットを巡りながら帰れるので、アニメの聖地巡りのコースに組み込んでも良いんじゃないかと。

https://www.crowsclaw.info/archives/2535

【三浦】太平山(鎌倉アルプス)

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鎌倉に山なんかあったっけ?……あるんです。
標高159m、ほとんど丘です。コースは5km弱、あまり起伏がないので楽に歩けると思います。
下山後は鎌倉を観光したり横須賀に遊びに行ったり、江ノ島に行くこともできますね。そういう意味では行動距離は長いかもしれない?

麓の明月院が紫陽花で有名なので、梅雨の晴れ間を狙って行ってみるのが良さそう。めっちゃ混みますが、カメラクラスタ向けの山……かな?
標高差もほとんどなくて、起伏も少ないので歩くのは簡単。一番難しいのは、登山口を探すことなんじゃないかっていうくらい。
いや、本当に見つけるのが難しいです。

https://www.crowsclaw.info/archives/2233

【房総】鋸山

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東京湾を挟んで大平山の向かいにあるのが鋸山。
標高は329mと低いですが、千葉県の山はみんなそんなもんですね。
コースの長さは、保田駅まで歩いて7kmくらい。下山してからが長いので、ロープウェイを使って降りてしまっても良いかもしれません。

私は冬に行きましたが、秋の紅葉の時期や、初春の天気の良い日に登るのがいいかもしれません。
標高は低いですが、房総の山々を見渡したり、天気の良い日は海の向こうにある富士山を拝むことができたりします。

https://www.crowsclaw.info/archives/2653

【丹沢】南山

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今回ご紹介する山の中では屈指のマイナーな山なのでは?
神奈川の丹沢エリアの端にある小さな山ですが、山頂からは東丹沢の山々を見上げることができるので個人的には結構お勧め。

行動距離は7.5kmくらいでちょっと長いですが、起伏は控えめなのでさほど疲れないと思います。
標高差は200mに届かないくらいかな?頑張って登る、という感じの山ではないですね。
ただし東丹沢なので、晩春から初秋に掛けての暖かい時期はヤマビル出没注意。空気の澄んだ冬に行くのが良いと思います。

https://www.crowsclaw.info/archives/2640

【大月】扇山

山梨の大月周辺には、秀麗富嶽十二景という「富士山が美しく見える山リスト」みたいなのがあったりします。
中でも鳥沢駅から登ることのできる扇山は、アクセスの良さと歩きやすさからお勧めできる山ですね。
私は鳥沢駅から歩いてしまっていますが、登山口のある梨ノ木平までは、季節によってはバスが通っていたりもします。

扇山の標高は1180m。今までの山よりちょっと背が高く、1000mを超えてきます。
登山口から山頂を経て登山口までは5kmくらいの道のりですが、駅までの距離を含めると10km近くまで伸びるかなぁ……?
私は冬にばかり登ってますが、ツツジの名所があるとのことなので季節は多分、春の方がいいでしょう。

https://www.crowsclaw.info/archives/841

こちらは扇山から百蔵山まで歩いた時のもの。いきなり縦走はハードルが高いので、まずは扇山単体で。
百蔵山を単体で登るのもアリかもしれません。

【箱根】金時山

箱根の金時山も行動距離が短く、比較的登りやすい山だと思います。乙女峠から強羅方面に抜けても距離は5kmほど。
標高は1212mと、今回リストアップした山の中では高め。といっても標高差は登り400m、下り600mと少ないので易しい方だと思います。
下山後に箱根湯本に出られるので、山と温泉を一緒に楽しみたい人向けかな?

1000m超とはいえ低山なので、夏の暑い時期は向かないと思います。また、個人的には太平洋沿いの山は関東でも雪が積もりやすいイメージがあるので、最初は真冬も避けた方が良いかも?

https://www.crowsclaw.info/archives/1078

【奥多摩】三頭山

お勧めルートで登ったことないけど書いちゃう。
標高1531mと奥多摩の南側では一番高い山、三頭山。
奥多摩湖側から行くと急登の連続ですが、都民の森方面から歩けば標高差500m、行動距離も5〜6kmと比較的コンパクト。
行動時間の長い山が多い奥多摩の中では珍しく、歩きやすい山だと思います。
下山後は数馬の湯に寄って、ぜひ檜原村の山の恵みを頂いちゃってください。

そんなわけで、登るならやっぱり秋が一番。紅葉と、あとは食欲の秋ということで。
晩秋の山頂は冷えるので、一枚羽織れるものをもって登りましょう。

https://www.crowsclaw.info/archives/747

こちらの記事は奥多摩湖側から登っています。
奥多摩屈指の急登を登ることになるので、こちらは慣れてから。

追記:登ってみた

https://www.crowsclaw.info/archives/3063

都民の森側からぐるっと回ってみました。
序盤の上りは初めての人にはちょっとキツいかもですが、全体的には読み通り優しめの山歩きです。

【奥秩父】大菩薩嶺

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今回のリストで唯一の百名山。そして標高は2057mと、他を圧倒する高さ。
シーズン中は標高約1500mのところまでバスが通っているので、意外と気軽に登れる山だったりします。

記事では思いっきりガスってて見晴らしがあまり良くないですが、晴れた日は稜線歩きが気持ちいい!
イージーながらも「高い山に登っている」という実感の沸く、とても良い山です。
丸川峠の方に出なければ行動距離も7.5kmほどと短いので、初夏くらいの登りやすい時期なら初心者向けと言える範囲かなぁと思います。

https://www.crowsclaw.info/archives/1428

【北関東】宝篋山

追記しちゃいました。
山に恵まれない東関東にお住いの方に朗報です。日暮里駅から電車で約1時間、バスを乗り継いでさらに30分。
茨城は土浦、筑波山のお隣に初心者向けの登りやすい山がありました。

筑波山の影に隠れた非常に地味な山なんですが、なんと高尾山に匹敵するレベルの歩きやすさ。
コースもわかりやすくて登る人も多いので、今はまだマイナーですが今後知名度の上がってくる山になるかもしれません。
山頂からは筑波山や霞ヶ浦も見えたりして、展望もなかなか良い感じ。

標高差は500m弱で行動距離も7km弱、初めてでも楽しめる適度なサイズです。

https://www.crowsclaw.info/archives/3198

おわりに

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昨年は3000m級への挑戦やアルプス縦走など、高山に行った印象が強いですが。
実は今回ご紹介したような低山にも結構登ってたんですね。
そんなことに気づいて2018年の低山歩きをまとめようと思って書き始めた記事ですが、気がつけば桜が散る季節になってしまいました。

なんかやたら丹沢・箱根方面が多かったり、奥多摩や秀麗富嶽十二景の中からはあまり選ばれなかったり、今回の基準で山を選ぶというのはなかなか難しいですね。
ですが今回選んだ山は、簡単に登ることができるだけではなくそれぞれに高山にも負けない魅力があるので、ぜひこのあたりから山にチャレンジしてみて頂けたらと思います。

今回の山なら間違って雪のある日に登ったりしない限り特別な装備は要らないと思います。
ですが、1〜2リットル程度の水分の準備と、スマホ用の登山地図アプリをダウンロードしておくことを忘れないでください。
紙の地図はちゃんと地図が読めないと扱いが難しいので、現在地を教えてくれる地図アプリの方が安心できます。
機内モードにしておけばバッテリーの消費も抑えられますが、念のため5000mAhくらいのモバイルバッテリーも携帯した方が良いかと。

このあたりの山を登ったら、次は初級者向けの山。
いつになるかわかりませんが、「高尾山の次に登ってみたい、初級者におすすめの山リスト」みたいな記事を書いてみましょうかね。

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