【富士】富士山:日本最高峰から見る日の出
2024年05月12日2024年05月12日登山:富士・御坂
登山情報
GPSログ
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コース情報
- 標高
3776.1m
- 標高差
2336.1m
- 累積標高(登り)
1779m
- 累積標高(下り)
2294m
- 行動距離
18.87km
- 行動時間
13時間07分
- コース定数
48.4
アクセス
往路:〜JR東海 御殿場線 御殿場駅 > 富士急行株式会社 夏季登山バス 須走口五合目BS
復路:富士急行株式会社 夏季登山バス 御殿場口新五合目BS > JR東海 御殿場線 御殿場駅〜
須走口五合目BS〜富士山山頂
正直に言うと、おそらく自分が登ることはないだろうと思っていました。
登る山ではなく見る山だとよく言われますが、それには私も同感です。
が、登ってきました。
七月の連休、いよいよ梅雨明けで夏山シーズン突入か、と思ったら。
何度天気予報を見ても、どの山も雲ばかりであまり天気が良くなさそう。
そんな中で唯一可能性を見出せたのが富士山でした。
富士山は個人的にはそこまで優先度の高い山ではなかったのですが、これも何かの縁かもしれない。
一生に一度は登っておいても良いんじゃないだろうか、ということで。
さて、記事を書き進める前にひとつだけ。
あくまでこの記事は、それなりに山に登り慣れた人にとっての感想であって、3000m級の山への登頂経験がない人が同じような登り方をしても全く違う感想を持つと思います。
もちろん装備も高地登山用の装備を用意して登っていますし、徹夜にならないよう時間を調整して十分な睡眠を取ってから登っています。
登山経験のない人がこの記事を参考に登ろうとするとは思えないのですが、一応。
選んだのは、人気の吉田ルートを避けて、須走ルートから登って御殿場ルートへと降りる道。
少しでも人混みを避けたいのと、これが一番面白そうだなぁと思ったので。
そしてルートとアクセス手段を決めたら、徹夜登山にならないように睡眠タイミングを調整。
ナイトハイクで登るので、しっかり寝て万全の状態で挑みます。
というわけで、御殿場駅から最終バスで須走登山口へ。
夜に来る登山口というのはなかなか不思議なものですね。
富士山のご来光登山は高地順応を、とも言われますが、須走登山口は標高約2000m。
個人差はあると思いますが、せめて森林限界は超えないと順応するほど酸素も薄くないと思うので、とりあえず進みます。
序盤はまだ日が落ちる前でヘッデンなしでも進めましたが、最初の山小屋のあたりで日が落ちました。
というか、ここで日が落ちるのを待ってヘッデンを点けたというのが正しいかも。
その後は完全なナイトハイク。こうなってしまうと撮るものもないですね。
ここまではそれなりに凹凸のある登山道らしい道でしたが、ここからは森林限界を超えて歩きやすくなってきます。
一般的に富士山のナイトハイクというともっと遅い時間から登ることが多いようですが、完全に日が落ちてから樹林帯を歩くのはちょっとなあ、と思い早めに出発したのが逆に良かったかも。
途中の瀬戸館あたりで、売店の明かりがあったので少し長めの休憩。
疲れを取るというよりも高地順応がメインですね。
といっても2〜30分ほどで出発してしまったので、そこまで意味があったかはわかりませんが……。
ちなみに、こまめに少しずつ水分補給するといいと聞いていたので実践してみたところ、ほとんど高山病の症状を感じることはありませんでした。
高山病という点では、バスで一気に登った乗鞍岳の方がキツかったかなぁ。
そうして七号目。もう北岳よりも標高は上なんですね。
このあたりから、小屋の前で野宿する軽装の人たちが目に留まるようになってきました。
吉田ルートと合流してからは、様々な国籍の人が小屋の脇や登山道で野宿していて地獄絵図といった感じ。
率直に言って、このあたりの光景は見るに耐えないので、何も考えずに山頂を目指してしまうのがいいと思います。
入山規制自体にはあまり賛同できない部分はあるのですが、この光景を見ると規制したくなる気持ちもわからなくもない。
ただ、問題はおそらく、こういった野宿を前提としたツアーが存在することなのでは……と思います。
その後は真っ暗なのでカメラ遊びもせずに黙々と。
昼間に撮られた登山道の写真を見ると思いのほか傾斜があったりゴツゴツしていたりもするのですが、実際に歩いてみた感想としては思ったほどではないというか。アルプスのガレ場に比べたら全然楽でした。
富士山山頂〜お鉢巡り
というわけで色々すっ飛ばして山頂へ。
ご来光まではすることもないので、適当にそのあたりに腰掛けて日の出を待つことにします。
見下ろしてみると綺麗な夜景ですが、それよりも御来光登山中のヘッデンの光の粒の多さに目を奪われます(笑
いや、早めに登っておいて本当に正解でしたね。
そして日の出へ。
残念ながら雲多めで、そこまできれいではなかったのですが、見られただけ良し。
他の山域ではガスばかりだったようなので、これでも上出来です。
ちなみに他の登山サイトで既に語られているように、夏でも山頂はかなり冷え込みます。
着込むのも大事ですが、末端のケアもお忘れなく。手袋は冬の低山用よりも少し厚めくらいでちょうどいいくらい。
日が昇ると人がごった返すようになったので、ホットドリンクで少し体を温めてからお鉢巡りへ。
途中でガスが掛かるタイミングもありましたが、幸い剣ヶ峰付近ではガスも引いてくれて、青空を拝むことができました。
記念写真はそれなりに長い列ができていたのでスルー。傍からちょっと撮るだけで済ませます。
自分を撮る趣味はないので、こんなもんでいいのです。
ちなみに私の後ろには、スーツで山に登るあの有名な方がいらっしゃいました(笑
お鉢巡りは小一時間ほど。
火山らしいザレた道を踏みながら、ぐるっと一周。
一時間歩くというよりは、混んでいる場所で行列を待ったり、景色を眺めたりというのも含めて一時間かなぁ。
日本最高峰からの眺めはというと……これは個人の趣味によると思うのですが、独立峰ゆえに周りに高い山がなく平坦。
ダイナミックさに欠けるので、景色の良さという意味ではアルプスには見劣りするかなという印象。
よく見る冠雪した姿からはあまり想像できませんでしたが、山頂付近は火山らしい光景が広がっています。
安達太良山の印象に近いかな、という感じ。
さて、色々見て回ったのでそろそろ下山しましょうか。
富士山山頂〜御殿場口新五合目BS
下山ルートは御殿場ルートを選択。
距離や標高差は全ルート中最も長く落差がありますが、大砂走りがどんなものなのか一度体験してみたくて、こちらから降りてみます。
宝永山を見下ろしながら、九十九折のザレた道を降りていきます。
山頂は肌寒いくらいだったのですが、降りれば降りるほど下界の気温に近づいていき、次第に暑さを感じるように。
せっかくなので宝永山にも寄っていくことに。
このタイミングではガスっちゃいましたけどね。
まぁ、肝心の富士山頂ではしっかり晴れていたので、ここくらいはいいかなぁ、と。
登っていく……のですが、少し不思議な感じ。
山頂付近は登っている実感があまりなく、むしろ降りているような感覚すらありました。
待っていたら晴れるかもしれませんが、早く降りたい気が勝って、山頂での滞在時間は僅か。
富士山の方の山頂からは既に1000mくらい降りてるんですね。
が、実はここからがしんどくて、深い砂に足を取られて歩きづらい。
足を持ち上げる体力が要るのが普通の下山ルートと違うところ。
距離も長い上に景色が変わらないので、いつまで続くんだろう……と飽きてしまいます。
実際に歩いてみて、ちょっとコース選択をミスったなぁと思いました。
分岐もあるので、宝永山まで登ったら富士宮口の方に降りた方が楽でしたね。
ここから先はさほど写真も撮っておらず、大石茶屋に着いた時には達成感よりも、やっと終わったという感じ。
おそらく二度登ることはないと思いますが、次に登るなら富士宮口からのピストンかな……。
感想
というわけで初の富士山登山。
「一度も登らぬ馬鹿に、二度登る馬鹿」という言葉がありますが、その言葉通り個人的には、二度目はいいかな……というのが正直なところ。
ハイマツの稜線もなければ岩場もなく、ひたすら砂の上を登ったり降りたりするだけなので、私が登りたいと思う登山とはちょっと違ったような気がします。
ピークハントした達成感は得られたので、私としてはこれで満足。
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