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南アルプス初挑戦:北沢峠から甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳(二日目:仙丈ケ岳)

2018年07月25日2023年09月30日登山:日本アルプス

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

3033m

標高差

1073m

累積標高(登り)

2469m

累積標高(下り)

2471m

行動距離

20.74km

行動時間

14時間41分

コース定数

58.82

北沢峠からの南アルプス登山。前日に甲斐駒ヶ岳へと登り、二日目は仙丈ヶ岳へと登ります。 南アルプスの女王とも呼ばれる念願の3000m峰は、前日の甲斐駒ヶ岳とは違った穏やかな表情を見せてくれました。

朝4時に出発するつもりで前日は早めに寝たのですが、うっかり出発直前まで寝てしまう大失態からスタート。
朝の3時台に目が覚めても寝坊というのは、山以外ではなかなかないですね…。

北沢峠〜六合目

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朝食を軽く取って、撤収のため寝袋などを片付けてからスタート。
甲斐駒ヶ岳には新しく購入したサブザックで登りましたが、今回は三脚も持って行きたかったのでメインの48lで登ります。

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バス停付近の登山口から二合目を目指して、まずは樹林帯歩きからスタート。
仙丈ヶ岳へは幾つかルートがありますが、今回利用した小仙丈ヶ岳を経由して登るルートがお勧め。
森林限界を超えてから山頂まで、最高の稜線歩きを長く堪能できます。

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他の登山道と合流する二合目までは比較的穏やかな登りが続きます。
頭上は完全に木々に覆われていますが、それでも暑い……!

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二合目からは少し登りがきつくなります。
まだまだ序盤、体力的には余裕がありますが、見上げると延々続く登り道。
ここは焦らずマイペースで行きましょう。

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四合目を超えてしばらく進むと、馬の背ヒュッテなどとの分岐点である大滝頭に到着です。
ここでザックを降ろして少し休憩。

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まだ森林限界には至っていませんが、標高だけを見ればこのあたりが折り返し地点です。
既に2510m、他の山なら既に森林限界を迎えてもおかしくない標高ですが。山深いところだからでしょうか、甲斐駒ヶ岳も仙丈ヶ岳も、このあたりはまだ樹林帯ですね。

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一息ついたら行動再開。
ガレた山道を登っていくと、ようやく木々の背が低くなってきました。
時々手も使いますが、登る分にはキツくない傾斜。ストックを畳むほどでははいかも。

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そして木々の合間から溢れる光の量が増えてくる頃、最後の直登を登ると六合目。
樹林帯の終わり、視界の晴れる瞬間です。

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後方には昨日登った甲斐駒ヶ岳。
そして前方には、緩やかに伸びる小仙丈ヶ岳への稜線!

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仙丈ヶ岳の姿は、まだ見えません。
いよいよ始まる二日目のハイマツ帯歩きに備えて、ちょっと行動食を補給。
朝は寝坊に加えてあまり食欲もなかったので、朝食は軽めだったんですよね。

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六合目から小仙丈ヶ岳まで、見上げてみると高さは感じますが。若いハイマツの実や、高山植物が咲いていて飽きません。
ちょっと虫は多かったですが……。

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道の脇の花に気を向けられるくらいには余裕のある山、ということでもあるかも。

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階段もあったりして、なかなか登りやすい感じ。

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初めて本格的なアルプス登山に挑戦するには、この仙丈ヶ岳はちょうどいい山なのかもしれません。
……まぁ、標高差は昨日の甲斐駒ヶ岳よりもあるんですけどね。

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そうしてハイマツの間を縫って登った先には最初のピーク、小仙丈ヶ岳が。

六合目〜仙丈ケ岳山頂

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小仙丈ケ岳に到着して初めて、仙丈ヶ岳のその全貌を見ることができました。
小仙丈カールの美しい姿に、思わず声が漏れるほど。あぁ、ここは間違いなく今回のハイライトですわ……。

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シャッターを押す手が止まらない。
見渡す限り雲一つない晴天が続く、最高の稜線歩き日和じゃないですか。
先週の男体山の曇り空が嘘のよう。

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というわけでここからは、仙丈ヶ岳へと続く稜線歩き。
山頂まではまだ200mほど登ることになりますが、比較的アップダウンも少なく歩きやすい道が続きます。
甲斐駒ヶ岳の鋭い登りとは真逆の穏やかな登りを暫し堪能。

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が、見た目よりちょっと長いんですよね、この道が。
そう簡単に山頂へは辿り着かせてはくれません。

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空へと届きそうな道を、一時間ほど掛けて歩きます。
岩場も多少ありますが、鎖もロープもいらないレベルなのでご安心を。

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歩いてきた道を振り返ってみても美しい。
険しい山だとこれができないんですよね、穏やかな仙丈ケ岳ならではの光景。

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九割ほど登ってそろそろ山頂間際、というところで人だかりが。
ここでまさかの雷鳥親子と遭遇です。

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曇りの日に見かけることが多く、晴れの日に出逢うことは珍しいといいますが。
雲ひとつない快晴のこんな日に高山のアイドルと初遭遇。

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完全に逆光だったので、撮影はちょっと苦戦気味ですが。
露出オーバー気味に撮ってみて、陽に照らされて夏毛が輝くような感じで撮れたらなーと思いつつ。

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上の方で親鳥が見守っていますが、子供は本当に警戒せずにこちらにやってきます。
手を伸ばせば届いてしまいまそう。

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一通り撮ったところで登山再開。
アイドルもいいけど私は頂を目指すのだ。

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左手には富士山と北岳、間ノ岳。
日本の標高トップ3が揃い踏み。

ベタですが、こうしてその三つの山を同時に見ることができると嬉しいですね。
好天だからこそ見ることのできた景色。

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そうして最後の登りを迎えます。
一歩登るたびに自分の最高到達記録を塗り替えているんだ……なんて思ったりしつつ。

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そして、いよいよ山頂へ。
山歩きを始めて2年目の夏、ついに3000m峰へと到達した瞬間です。

仙丈ケ岳山頂〜北沢峠

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山頂からは360度の大展望。
さすがは標高3000m、視界を遮るようなものはほとんど何もありません。
空の上から日本の山々を見下ろしているような気分。

まだまだ経験も浅くて山座同定はできませんが……。
昨日登った甲斐駒ヶ岳と、その奥に見えるのは……八ヶ岳か、奥秩父の山々でしょうか?

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先ほど見た北岳と間ノ岳、富士山の姿も。

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こちらに映るのは大仙丈ケ岳。
興味はあるのですが……、ちょっとこのあとやりたいことがあるので、今回は諦めました。

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遠くに見えるのは北アルプスでしょうか。
今年はそちら側でもテント泊したいですね……。

さて、いつまでも居たくなるような山頂ですが、実は結構狭いです。
さすがに食事は厳しいかな、ということで30分ほど滞在して後にします。
山頂から見えるところに仙丈小屋があるので、そちらに向けて出発。

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山頂を振り返って一枚。

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高山植物はこちら側、仙丈ケ岳の西側の方がよく咲いていた印象です。
この日は本当に日差しが強くて、ちょっと花を撮るような感じではなかったのが残念ですが。

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山頂から15分ほど下って仙丈小屋へ。
ここで念のため水分の補給と、万全の状態で下山するべくトイレもお借りします(笑

そして、ちょっと悩みましたがここでザックを降ろして三脚を取り出すことに。
今回やってみたかったことのひとつ。以前レインボーブリッジで試したタイムラプスに、山で再挑戦です。

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ロケハンもなく完全にぶっつけ本番になるので、初めて行く山でタイムラプスに挑戦するのはなかなか難しいと思いますが。
でもこういう美しい景色だからこそ、無茶を承知でやってみたくなるもの。

そんなわけでカメラをセットして、撮影している間にお昼ご飯。

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30分ほどカメラを回したところで昼食も食べ終わり、器材をザックに詰め込んで下山します。
往路とは別の道、馬の背ヒュッテを経て北沢峠へと下山するルートを選択。

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こちら側は稜線歩きの時間は短く感じました。
短かったというか、後ろからの足音に押されてちょっとペースが上がったというか……?

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樹林帯に入ってからも広々とした道で、なかなか歩いていて気持ちが良い道です。

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馬の背ヒュッテはほぼ素通り。
一泊二日で登るなら、このあたりに泊まるのも良いかもしれませんね。
水場もありますが、煮沸推奨とのことで補給はしませんでした。

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そこから少し下ると沢沿いの道に出ます。
水が近いからか、色々な花も咲いていて良い感じ。

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……さて、ここから本来ならば薮沢小屋を経て大滝頭、北沢峠へと帰るルートのつもりだったのですが。
なぜか、ちょっと遠回りになる薮沢沿いの道を選んでしまいました。
分岐を見落とした?……いや、ちょうど写真を撮っているここが分岐点なのですが(笑
登り返すのが嫌だったんでしょうね、間違いなく。

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そんなわけで沢沿いの、ややザレ気味の道を下っていきます。
このあたり、ちょっと滑りやすくて歩きづらいかも。
時折ロープも見掛けます。

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撤収のことも考えるとなるべく早めにテン場に戻りたいと思っていたので、こちらの道を選ぶのは失敗かな、とも思ったのですが。
谷の向こうにこんな感じで甲斐駒ヶ岳が見えるんですよ。

遠回りとかとんでもない、時間が許すならこちらの道で下るべきだとすら思いましたね!

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道中、道の脇にはこんな立派な滝が。

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これまでに歩いてきた道と沢、滝を一緒に写すとこんな感じ。
なかなかダイナミックですね、これは往路とはまた違った雰囲気。
ちょっと時間は掛かるかもしれませんが、単純なピストンよりこっちの方が好きだなぁ。

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そして沢沿いの道を下りきったところに、雪渓が。これ、渡るってことですよね……?
降りる途中にも時々雪渓の残滓が見られたのですが。まさか渡ることになろうとは!

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雪渓の上を通って対岸まで行ってみましたが、踏み跡がないので一旦引き返しました。
一体どこを進むのやら、とあたりを見てみたら、赤いテープと何やら道のようなもの。

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実はこの雪渓の下に夏道がありまして、この雪渓を下って木の橋を渡るのが正解なんですね。
雪渓を下るのは結構スリリングですが、特に足を滑らせることもなく無事通過。
木曽駒ケ岳でも雪渓は体験しましたが、夏山だからこその雪の怖さがありますね……。

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沢を渡ると、そこから先は樹林帯。しばらく急登を下ります。
樹林帯の下りは……まぁ、撮るものはあんまりないですね。

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時々、道の脇にこんな沢を見つけてカメラに収めたり。
先日一緒に歩いたお兄さんが、南アルプスは水が豊富で良いと仰っていたのを思い出します。

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そして急登を下りきって、こんな感じの穏やかな道を進めば登山道もあとわずか。
しばらく平坦な道を歩いた先、木々の合間から大平山荘が見えてくると、仙丈ケ岳の長い旅もいよいよ終わり。

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山荘で少し休憩を挟んで北沢峠に戻ります……が?
ここでまた道を間違えたわけだが。

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バスの通る舗装された道を歩いてしまいましたが、なんかショートカットする道があったみたいですね。
もうゴールした気分で油断してましたわ……。
この写真を撮ったあたりが分岐点だったのかな。

そんなわけで最後に遠回りして北沢峠へ。
終バスまでは割と余裕もあったはずなのですが、撤収に手間取ったり、うっかり甲府ではなく長野方面へのバス待ちの列に並んだりしていたら割と遅い時間になってしまいました。
そういえば長野方面はめっちゃ混んでましたが、甲府方面はそこまで並んでなかったですね……。

振り返る

と、こんな感じで南アルプスの百名山を二座、一気に登ってきたわけですが。
近くにある山でもこんなに表情が違うのか、と驚かされた二日間だったような気がします。

今回の日記で書いた仙丈ケ岳は女性的とも言われる穏やかな山体の、比較的緩やかな山。
対して前日に登った甲斐駒ヶ岳は、対照的に急登の多いパワフルな山。男性的とも言われるのがよくわかります。

実際に登ってみて、一泊二日で二座を登るのは結構ハードなスケジュールだなぁとは思いましたが……。でも、セットで登ってみるとこの二つの山の表情の違いをより楽しめるかもしれませんね。
今回は先にキツい方の山を、と甲斐駒ヶ岳に登りましたが、テント設営もある初日は仙丈ケ岳を狙ったほうが良いかもしれません。
そして翌日早朝から甲斐駒ヶ岳にアタック、といプランが体力的には良いかも。

さて。
今回も前回の瑞牆山、金峰山と同じくベースキャンプ型の登山になりましたが、次はぜひ稜線にテントを張ってみたいですね。
まぁこれから暫くの間は、日帰りで行ける山が中心になると思いますが……。

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