木曽駒ヶ岳:標高約3000mの旅
2017年07月18日2023年09月30日登山:日本アルプス
登山情報
GPSログ
loading...
コース情報
- 標高
2956m
- 標高差
344.5m
- 累積標高(登り)
650m
- 累積標高(下り)
672m
- 行動距離
7.09km
- 行動時間
5時間59分
- コース定数
19.8
アクセス
往路、復路ともに:~JR 新宿駅 > 高速バス 伊那・飯田線 駒ヶ根市BS > 伊那バス 駒ヶ岳ロープウェイ線 しらび平BS > 駒ヶ岳ロープウェイ 千畳敷駅
とは言っても前泊日帰りできる初心者向けの山、ということで木曽駒ヶ岳です。
実は本当は乗鞍岳に行こうと思ってました。思ってたのですが、いざ行かんというタイミングで何を間違えたか、ホテルや移動手段の予約を全部この木曽駒ヶ岳用で予約してしまうというオチ。
というか、予約するときはなぜか頭の中が木曽駒でいっぱいでした。
まぁ乗鞍岳も木曽駒ヶ岳も割と初心者向けの、難易度の低そうな山。しかも今回うっかり予約した木曽駒ヶ岳はあの千畳敷カールで有名な地。どうせどちらに行っても満足できるんだから、ここは木曽駒ヶ岳に行くことにしようじゃないか!
前泊
大抵の場合、登山で前泊というと車で麓まで行って車中泊だったり、高速バスで深夜に現地入りしてどこかで時間を潰したり……というのがほとんどだと思うのですが。今回は連休ということで日中出発して夕方着でのんびり駒ヶ根を散策してホテルに。
……の、予定でしたが。まぁ連休なので道中が混むんですよね。OK、みんな考えることは同じだ。
そんなわけで昼頃新宿を発ったはずの高速バスは、夜一歩手前くらいの時間に着いたのでした。
あまり時間がなかったので翌日用の物資を買って、駒ヶ根駅付近で名物のソースカツ丼を頂き、ホテルに戻ってビールを飲みつつFGOをやっていたら寝落ち。うん、いい1日目ですね。
駒ヶ根駅前BS〜千畳敷
寝落ちしてもアラームはきっちり鳴らす。やる気勢ですね。
ところが準備に手間取り残念ながら始発のバスにはタッチの差で間に合わず。
……いや、実は間に合ってたんですよね。
てっきり駒ヶ根駅前BSからでないと乗れないものと思っていたのですが、実はその次のすずらんBSからでも乗れるらしく。ホテルからはそちらの方が明らかに近かったので、最初からそちらに向かっていれば余裕で間に合ってましたね……。
が、その30分後にはまた次の便が来るので駅までのんびり。
バスは意外と空いてました。始発でもそこまで混んではいないでしょう。
どうやらみなさん、菅の台から乗るようで。そちらの方はもう長蛇の列ができていて、一度では乗り切れないくらい。すごい……。
と、そんな感じでバスは中央アルプスの足元を駆け上がり、ロープウェイのあるしらび平へ。
ロープウェイの方も混雑していましたが、増発してフル回転で運転していたのでさほど待たずに乗ることができました。やはり始発前後で行くのがベストですかね。
高所恐怖症の私にはなかなかキツい高度感のロープウェイです……(笑
ちなみにこちらの写真はロープウェイの中から。よく見ると人が歩いてます。
そうして約8分。ついに千畳敷に到着です。
千畳敷〜中岳
駅を出てすぐに広がるのがこの光景。登山ブログや旅広告で見るあの千畳敷の景色が目の前に広がります。本当にあったんだなぁ、この景色。
嬉しくて思わず写真を……撮り……、いや、なんか空が白いっすね?
実は直前の予報では1日曇り。ガスまみれの登山になるかと思いきや、ここまで視界が晴れていたので得した方なのかな?
でも着いてすぐは朝日が強すぎて、空が白んでたような気がします。写真を撮るならもう少し日が昇ってからの方がきれいなのかなぁ。
というわけで、登ります。混んではいますが、それでも写真はがっつり撮りたい。
ちなみにこの日は我が家のレンズを全部持ち出して、全力でレンズ替えまくりながら撮ってました。おかげでゴミもめっちゃ入る……。
最初のこの坂が千畳敷〜木曽駒ヶ岳間での一番の急登だと思うのですが(宝剣岳を経由するルートを除く)。登った先に一体どのような景色があるのか、もうそれが気になって辛さとか全然感じません。
……まぁ、ここが一番急なのは確かなので、序盤はゆっくり息を整えられるペースで登った方が良いんでしょうけど。
登った先の景色はこれ。ロープウェイの駅から1時間掛かるかどうか、という距離でこれですよ。
こちらは三沢岳方面……でしょうか。あんな稜線を歩いてみたいですね。
登りきったところからは風が強くなり、防寒も兼ねてウィンドシェル代わりのレインウェアを着込みます。
まずは中岳へ向かいます。
が、登っていくうちに、次第にガスの気配が……。
中岳の山頂に着く頃にはもうこんな感じ。
初めてのアルプス登山、まぁそんなに良い方向にばかりは行かないよな……と思いつつ、本命の木曽駒ヶ岳へと向かいます。
中岳〜木曽駒ヶ岳
これが山の天気。ぱっとガスが晴れたかと思ったら……
その数秒後にはこれですよ。そしてその逆もあるわけで。
晴れたタイミングでレンズ交換して……なんてやってる間にまたガスっちゃいます。一瞬たりとも油断できねえ!
などと言いつつ高山植物も撮ったりしながら、少しずつ山頂へと歩いていきます。
そうして中岳を出発してから約30分(えっ、そんなに掛かった……?)。ついに木曽駒ヶ岳の山頂へ到着!
……やっぱガスまみれじゃねーか!
木曽駒ヶ岳〜濃ヶ池
着いた直後は本当にガスまみれだったんですが、少し待っていると時折ガスが晴れて、景色を楽しむこともできたり。
まぁ千畳敷では晴れてたからいいか、と半ば諦めていましたが、結構ツイてますね。
そんなわけで山頂では広角レンズを常にスタンバイさせて、ひたすら写真撮りまくってました。
いつもだったら山頂でご飯……なのですが、時刻はまだ9時ちょっと。さすがにご飯には早すぎるので、写真を堪能したら先へと進みます。
メジャーなのはここで折り返して千畳敷に戻るルートのようですが。時間はまだ早いし、せっかくここまできてピストンなんてもったいない。
それにこの景色。千畳敷までコースタイム3時間、予定通りです。
行くしかないでしょ。
というわけで向かいます。
濃ヶ池へと続くコースは、こんな感じで背の低い針葉樹に囲まれた稜線を歩きます。
低山の尾根歩きとはまた違った気持ちよさ。良いですね……。
少しガレた場所もあったりしますが、変に端を歩いたりしない限り危険な箇所はほぼありません。
そしてこちらのルート、大混雑のメジャールートと比べたらほとんど人がいません。
途中で野生の猿と遭遇したり。
さすがに野生の動物なので刺激するのは避けます。
ううむ、良い景色……。
そう、この稜線を歩くわけですよ。しかもこのあたりは結構晴れ間が続いたので視界も良好、この絶景を堪能しながら歩けるっていうね。
そんなこんなで楽しんだ稜線歩きも1時間ちょっとで終わり。
この分岐を右に曲がって、まずは濃ヶ池へと向かいます。
ここから先は木の背もやや高くなり、それまでの高山気分とはまた違った山歩きになります。
高山植物?も多く、飽きさせません。ちょっと虫は多いですが。
そうして緑のカーテンを潜ると次の目的地、濃ヶ池が。
うーん……きれい、ってことは……ないかな(笑
秋に行ったら紅葉との組み合わせで見応えもあるんでしょうね。この日は天候とのマッチングが良くなかった模様。雪もだいぶ残ってましたしね。
この日はここでお昼ご飯にします。まだ11時代、早いといえば早いのですが。
ちなみに今回もコンビニおにぎりです。まぁ、場所とらないしね……。
寂しくなるので出発します。
濃ヶ池〜千畳敷
濃ヶ池から先へと進む道はちょっとわかりづらいかも。
なんせコレですから。水が流れてるけどこれ道なんです。
川にしか見えないけど道なんです。
雪解け水が濃ヶ池になって、そして麓へと流れていくわけですね。
と、和やかな雰囲気は最初だけ。
事前の情報にもあったのですが、ここからは幾つかの雪渓を超えていかなければなりません。地図上は6月までと書いてありましたが、今年は7月の半ばになっても結構残っていました。
この雪。この傾斜角。
滑ったら終わりですよこれは。
しかし幸い踏み跡はしっかりしていて、アイゼンがなくても渡ることは充分可能。といっても一部際どい箇所もあったので、心配であれば軽アイゼンなどを使うことをお勧めします。
あと、ストックは必須でしょうね。
そして幾つかの雪渓を超えたら、ガレた道を登っていきます。濃ヶ池までに下げた標高を、このあたりから宝剣山荘まで登り返すことになります。
実は今回、割と疲れ気味でした。酸素が薄いのもあるのでしょうか、それともシャッターを切る度に息を止めていたからでしょうか(笑
そんなこんなで体力をそれなりに消耗した私にはちょっとキツかった。
でも、途中の駒飼ノ池付近ではこんな光景も。
いや、ほんと水がきれい。
しかしこのあたりの時間帯はかなりガスが出ていて(結局、それは下山まで続きましたが)、景色はほとんど見えず。これから登り直す宝剣山荘付近も全然見えません。
木曽駒ヶ岳は道がわかりやすかったので良いのですが、これが人の気配のないマイナーな山だったら……と思うと、怖いですね。
そうして割とバテながらも宝剣山荘付近へ。もうガッスガスで何も見えません。登ったはいいものの、宝剣山荘なんてどこにあるやら。
意外と時間が掛かってしまったので、ほとんど休まず千畳敷まで一気に下ります。
ここから先は下りのみ、しかも既に登りで使った道なので安心。
八丁坂付近はこの天気でもそれなりに混んでいて渋滞気味。ちょっとした雪渓が残る千畳敷を観光客が歩くからですね。
あちらの雪渓は滑るような角度じゃない……ですが、スニーカーではさすがに難しいかも。
そうして観光客に紛れつつ、行きで通らなかった千畳敷カール方面に寄ってから千畳敷駅へ。
千畳敷〜駒ヶ根駅
帰りのロープウェイは混む。それは事前に聞いた通り。
ですが、まさか3時間待ちとは。ピーク時は2時間待つ、というのは有名な話でしたが、この日はそれ以上でしたね。
整理券をもらって、千畳敷駅付近をぶらぶら歩いて時間を潰します。見知らぬ人とお話しとかして、なんとか3時間粘って下山。
しかしここで問題が。これだけ混んでるとバスも臨時便が出るのですが、残念ながらそれは菅の台バスセンターまで。駒ヶ根駅まで行ってはくれません。結局定期便の到着を待って何台か臨時のバスをスルーして、そこからようやく駒ヶ根へと帰ってきました。
山歩き自体はほぼ予定通りでしたが、交通機関の混雑はややこちらの予想外でしたね……。
タッチの差で予約していたバスに乗れず、止むを得ず宿を手配して翌朝帰宅。
ちなみに新宿行きのバスの最終は、駒ヶ根市ではなく駒ヶ根IC(女体入口BS)から19:50。気づいたときには駒ヶ根駅前まで来てしまったので諦めましたが、何から何まで事前の情報収集が足りませんでしたね。
まぁ初回なので失敗もあるでしょう。これを次に活かして、より充実した登山ライフを。そう誓う帰り道なのでした。
と、そんな感じで最後の最後にだいぶグダグダになりましたが、それでも景色は最高で、初のアルプスとしては満点といいたくなるくらい楽しい山歩きになりました。
今回は(山にとっては)初夏でしょうか。次は真夏か、秋の紅葉か。季節が違えば見える景色も違うので、また楽しめそうですね。
次回の山歩きは当初行く予定だった乗鞍岳か、それとも……。
北アルプスの山も良いと教えられて、最近は次はどこへ行こうかとあれこれ考える夜が続いています。
関連記事
【中央アルプス】木曽駒ヶ岳:厳冬期アルプスへの挑戦
【北アルプス】白馬岳:微かに残る雪渓を登り、美しい稜線へ
【北アルプス】黒部五郎岳:薬師峠からピストンで挑む北アルプス最奥の秘境
【北アルプス】薬師岳:夜行バスで折立から立山の名峰へ
【南アルプス】北岳:UL装備で挑む日本で二番目に高い山
【北アルプス】残雪期の蝶ヶ岳に上高地から挑む
【北アルプス】奥穂高岳:上高地から涸沢を経て北アルプス最高峰へ