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唐松岳:台風一過の青空

2017年09月24日2023年09月30日登山:日本アルプス

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

2696m

標高差

866m

累積標高(登り)

901m

累積標高(下り)

895m

行動距離

11.46km

行動時間

6時間03分

コース定数

23.87

アクセス

往路:~JR新宿駅>高速バス白馬・安曇野-新宿線 白馬八方BS>八方アルペンライン ゴンドラリフト
復路:八方アルペンライン ゴンドラリフト>特急バス白馬-長野線 長野駅BS>高速バス長野-新宿線 バスタ新宿BS
秋の三連休は台風で台無しに。そんな方も多かったのではないでしょうか。 私もそのタイミングで南アルプスの山々へ……と目論んでいたので、計画が大幅に狂いました。

台風が過ぎても林道の通行止めが解除されるまではやや時間が掛かるようで、急遽予定を変更して第二候補の唐松岳へ。
唐松岳は以前知人に勧められてから気になっていた山で、今回は前泊も合わせて二泊三日でのんびり登ることにしました。

唐松岳ってどんなところ

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アクセス良好で日帰りも可能、危険な箇所もなく難易度も低いため、夏は初心者にも登れそう。
それでいて尾根歩きはまるで高山のような開放感。それが唐松岳です。

新宿から麓の白馬八方までバスで一本、長野駅からもバスで一本。
そこから徒歩数分のところにあるゴンドラリフトに乗れば、およそ30分で標高約2000メートルの八方尾根に到着します。

標高はあまり高くないため、高さを求める方には不満かもしれませんが……。
それでも初っ端から高山にも引けを取らない絶景の中を歩くことができ、手軽にアルプス登山を体験できるとても良い山でした。

前泊

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今回は深夜バスで早朝に……と思ったのですが深夜便の予約が取れず、前日の昼頃に着いて前泊することに。
これが意外と当たりだったのかもしれません。

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白馬八方は長野五輪の、あのスキージャンプの舞台にもなった白馬ジャンプ競技場のある場所。スキーシーズンはとても賑わいそうですが、晩夏のこの日は人も少なめ。連休最終日ということもあって、穏やかな町並みを歩くことができました。
ホテルに荷物を預けて温泉に行ったり、温泉の前にあるたこ焼きのお店に入ったり。町の人はみんな暖かくて、とても居心地が良い……。

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そして見上げれば星。東京では街中で、こんなにたくさんの星を見ることはできないのでは……?
などと思いつつ、少し早めに初日が終わります。

初日:白馬八方〜八方池

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夏休みシーズンではないのでゴンドラリフトの営業時間は通常通り。ということで、朝8時に着くようにホテルを出発します。
……が、事前調査不足により八方バスターミナルで10分ほど時間をロスすることに。

事前に調べた限りでは八方バスターミナルからゴンドラリフトまでバスが出ている、とのことでしたが、それは休日のみ。連休明けのこの日はバスなんてありませんでした。
まぁ、ゴンドラリフトはその八方バスターミナルから徒歩数分の場所にあるので、歩いて行けばいいだけなんですけどね。

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リフトで標高約1800mの八方池山荘まで上がると、すぐに登山道が始まります。登山道といっても序盤は穏やかで、観光客の方もいるようなエリアですが。

標高はやや低めですが、広がる景色はまさに北アルプス。ここ八方尾根は地質の関係で、2000mに満たない標高でありながら、まるで森林限界を超えたかのような植生になっているのだとか。

道の脇にはハイマツが生え、右手には白馬の山々。左手には五竜岳。山を見ながら尾根道を歩くのも登山の醍醐味ですね。

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八方池山荘からおよそ1時間ほど歩くと、日本有数の絶景と謳われる八方池に到着します。
この日は台風一過の好天ということもあって、池に映る白馬連峰が美しい……!
思わず足を止めて、PLフィルターも装着して撮影大会。

八方池〜唐松岳

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八方池を過ぎると、道はハイキングコースから登山道へと変貌。ややガレた道を歩くことになります。
とは言え唐松岳までの道にさほど危険な箇所もなく、雪のない時期であればそれほど身構えることもないのでは。

実は今回の登山計画、唐松岳だけではなく隣の五竜岳まで縦走の予定。唐松岳山頂から五竜山荘までは3時間ほど掛かる上、途中には牛首なる難所もあります。
なのでここからはカメラ遊びも控えめに、少しペースを上げ気味に進むことに。

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その地質の影響で高山さながらの景色を見せていた八方尾根ですが、丸山ケルンへは樹林帯を通ることになります。
樹林帯とは言え低山のそれとはやや趣が異なり、あまり湿っぽい感じではないのがこの道の特徴。
先は長いですが、ついカメラを取り出したくなる衝動に駆られたり。

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途中で雪渓を見に寄ったりしつつ、急登と呼ぶほどではないもののそれなりに体力を要する山道を進んでいくと、再び視界が開けてきます。
道は再度森林限界を迎え、唐松岳へと続く登山道のおよそ2/3を登ったところにある丸山ケルンへ到着です。

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ここがなかなか雰囲気の良いところ。まるで雲海から顔を出した岬のような感じで、ケルンは登山者を導く灯台といったところ。
思わずザックを降ろして、レンズも広角に交換して白馬連峰や五竜岳を撮ったり、見下ろせる白馬の町を撮ったり…。

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ふと時間を確認してみると、既に唐松岳へと着いておきたい時間に。
やや早めのペースで登ったつもりでしたが、やっぱり写真を撮りながらの登山だとコースタイムと同じくらいの時間が掛かっています。
低山が中心の私の登山経験ではこの空気の薄さにも慣れておらず、予想より体力も消耗している模様。

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そういえばザックも重いような。
……これは選べなくて、持ってるレンズ全部持ってきたから?
それとも容量が増えたのをいいことに、お風呂セットと称してバスタオルとか色々詰め込んできたから?

……うん、その両方ですね。

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ここは無理せず、五竜岳は諦め唐松岳頂上山荘へ泊まることにします。
景色がきれいだったので、我慢せずに写真も撮りながら登りたいと思ってしまったのもその理由のひとつ、と言い訳。

まぁ、山は逃げないんですよね。でも次に来た時もこんなに天気が良いとは限らないわけで。
天気の良い日はその好天を楽しむのが一番!

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そんなわけでここから先は撮影登山。
ちょうどハイマツの隙間に少し早めの秋が顔を出し始めた頃。被写体には困りません。

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丸山ケルンから先は、比較的穏やかな道が続きます。少し疲れた身体にはちょうど良い感じ。
紛らわしい箇所はいくつかありますが、基本的に岩に書かれた案内に従って歩けば道を間違えることはないはず。

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最後は岩山をトラバース気味に歩きます。
足を踏み外せば真っ逆さま……ですが、ロープや鎖がある箇所はそれに手を掛けながら歩けば大丈夫。多少の怖さはあるかもしれませんが、危険な場所はないと思います。

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そんな感じで歩いていくと……見えてきました、唐松岳山頂山荘です。

唐松岳山頂へ、そして唐松岳頂上山荘にて一泊

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予想通り、五竜山荘まで行くには少し遅い時間に唐松岳頂上山荘へ到着。ほぼコースタイム通りです。
今日はおとなしくここで一泊、翌日にのんびり下山することにします。

日帰りもできそうな時間でしたが、あまりギリギリの時間で下山してもリフトや帰りのバスが怖い。
そして実は前日白馬八方から見た星空が印象的で、できれば山の上でもまた星を見たい……などと思ってしまったこともあり。
初の山小屋泊はここ、唐松岳頂上山荘にすることに。

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小屋は山頂の手前、徒歩20分くらいのところに建っています。
建物の前には先に着いていた方が腰を下ろしていたり、これから五竜岳方面へと向かおうとしている方もいらっしゃいました。

私も宿泊手続きを済ませて部屋にザックを置き、少し休んだら山頂へ向かうことにします。
この距離だとつい、明日でもいいかな……などと考えてしまうのですが、山の天気は変わりやすいもの。晴れているうちに行っておいた方が良いでしょうしね。

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身軽になった状態で唐松岳の山頂へ。
小屋からすぐ近くとは言え、念のため水は持っていくことに。

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既に時刻は15時近く。日もだいぶ傾いてきて、山頂から見える不帰キレットはコントラストも強め。
その名が示すように、山頂から見ただけでもその険しさが伝わってきます。

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断念した五竜岳はどっしりと構えてこちらを見ていました。

男性的とも形容されるその山容は、見事の一言。
見てみたかった光景を見ることができて満足。いつかはあの頂上に登りたいですね。

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山頂にしばらく滞在していたら、次第に風が強くなり体感温度が下がってきたので山小屋に戻ることに。
小屋からは目と鼻の先、そんな山頂ですが離れる時は名残惜しいものです。

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小屋に戻ったら一人ビールで祝杯をあげつつ、ご飯の時間までのんびり。
撮った写真の整理とかもしたりして。
山小屋泊は初めてなので、粗相のないように……と恐る恐る。

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小屋のご飯はなかなか良い感じ。
山小屋でご飯に味噌汁、焼き魚まで頂けるなんて。普段の山ごはんとは大違い……(笑

夕飯を頂いたらすぐに三脚を持って小屋の外へ。
小屋泊でどの程度星を撮れるかわかりませんが、日の入りなら何の躊躇いもなく撮影できるはず。

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日が完全に沈むまでは多少時間があったので、カメラの設定を変えて色々撮ってみました。
ブラケット撮影なんかも試してみたりして、家に帰ったらHDR合成するぞーなどと目論んでみたり。

flickrには幾つか上げていますが、Blogの方にはとりあえず1枚だけ。
こちらはブラケット撮影して、LightroomでHDR合成しています

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肝心の星は……いくつか撮ってみましたが、消灯前のギリギリの時間に急いで撮ったので、空がまだ少し明るかったりとか。
そもそも星をどうやって撮るのか、まだよくわかってませんね……。

夜中に起きたらこっそり撮ってみようかな、とも思ったのですが。夜間はかなり風が強く、またガスも出ていたため諦めました。
しっかり星を撮ろうと思ったら……、テント泊なんでしょうね。

二日目:下山

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思ったよりよく眠れました。日の出前の時間に起きて、山荘裏のピークに登って日の出を待ちます。
……が、この日は雲が多く、はっきりとした日の出を見ることはできませんでした。
それでも朝焼けと雲のコントラストは、結構綺麗でしたね。

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午後から天気は崩れるかも……と小屋の方が話していたのと、あまり長居すると帰りが遅くなるなと思い、朝食を取ったら早めに下山することに。
風が強かったのでレンズ等もザックに入れてしまい、早めのペースで下っていきます。

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名残惜しい北アルプス。その稜線を歩くことは叶いませんでしたが、いつかまた。

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途中で小休憩も挟みましたが、それでも結構なハイペース。
コースタイム2時間のところ、最終的には30分弱くらいのペースで下山していたようです。何をそんなに急いでたんでしょうね。

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とは言っても時々足を止めてはカメラを構えていたんですが。
でも途中でカメラの容量がいっぱいになってしまったので、都度ミスショットは消しながらの撮影に。

八方池のあたりで7時30分頃。6時頃に山小屋を出発したので、明らかに予定より早いです。
行きは休憩込みで4時間くらい掛けて登ったような気がしたのですが……。

時間に余裕もある、どころかリフトが動き出すまであと1時間もあります。
そんなわけでリフト近くの木道を被写体に、STFで撮ってみたり。

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そうやって最後にペースを落としながら、始発15分くらい前にリフトへ到着です。
営業時間前でしたが、既にリフトは動いていました。
一応シルバーウィーク期間中ではあったので、もしかしたらもっと早い時間から動いていたのかも……?

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そんな感じで、あっという間に下山。
もう少し楽しんで帰っても良かったような、とも思いましたがカメラの容量がいっぱいなので。
あと一応平日なので、首都圏の帰宅ラッシュも避けたかったという大人の事情がありました。

白馬八方のバスターミナルからは、新宿へと直で行ける朝の便が既に終わってしまっていたので一旦長野駅を経由することにします。
長野駅から新幹線……もいいのですが、また別の高速バスで関東に帰ることができるので、そちらのルートを選択。バスターミナル近くの足湯で少しくつろいでからバスに乗り込みます。

おしまい

今回の唐松岳は初の北アルプスを堪能できたものの、色々と失敗が多かったなとも思った山歩きでした。
当初の予定だった五竜岳まで行けなかったのは事前の調査不足と、不要な荷物をザックに詰め込みすぎたこと。レンズもちゃんと剪定して(笑)軽量化を進めた方がよさそうです。
高地ならではの行動ペースも少し考えた方が良いのかもしれません。

そろそろ今年の夏山シーズンもおしまい。
あと1ヶ月も経てば低山の紅葉の季節でしょうか。去年は山の紅葉を撮ることができなかったので、今年はぜひ撮りに行きたいですね。

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