黒斑山:2018年を雪山で締めくくる
2019年01月02日2023年09月30日登山:上信越
登山情報
GPSログ
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コース情報
- 標高
2404m
- 標高差
431.0m
- 累積標高(登り)
433m
- 累積標高(下り)
433m
- 行動距離
5.66km
- 行動時間
3時間12分
- コース定数
12.0
アクセス
往路:~JR佐久平駅 > JRバス関東 高峰高原BS
復路:~JRバス関東 高峰高原BS > バスタ新宿
新年の挨拶はほどほどに、去年最後の山歩きの記録を書こうかと。
暮れのあたりから「次は雪山……」と呟きまくっていましたが、執念実って大晦日は風もない好天に恵まれたため行ってまいりました。
浅間山の外輪山、黒斑山。
初級者向けの雪山として挙がることの多いこの山に、2018年を締めくくるため登ります!
車坂峠〜トーミの頭
何としてもこの年末年始の間に雪山に登りたい。
そんな思いでSCWとMountain Forecastに張り付いて、年末年始の山の天気をひたすら監視していたところ、大晦日の12月31日はどうやら天気が良いみたい。
風もあまりなさそうですし、雲も少なそう。経験の浅い私でも雪山に挑戦できそうなくらい、ベストなコンディションになりそうです。
そんなわけで兼ねてから狙っていた黒斑山登山を、2018年の最終日に決行することにしました。
黒斑山へのアクセスは、公共交通機関を使う場合は朝8:35に佐久平駅を出発する高峰高原行き路線バスに乗る必要があります(2018年時点)。
上越新幹線の始発か、次の便であれば間に合う計算です。
前日に新幹線のダイヤが大幅に乱れたため、今回は念のため始発に乗って佐久平で時間を潰すことにしました。
駅から少し歩いたところにコンビニもあるので、ここで朝食や昼食を買うこともできます。
そうしてバスに揺られて約1時間。今日の登山口でもある高峰高原ホテルに到着です。
定刻より若干遅れての到着でしたが、この時期は雪もあるのでバスに乗るときは多少の遅れも見越してプランを立てておいた方が良さそうですね。
山を見上げればこの青空。遠くに富士山も見えます。
予報を見る限り夕方くらいまでは雲も少ないはず。絶好の冬山歩きになりそうです。
チェーンスパイクでも登れるかもね、と同じバスに乗っていたおじさんとお話しながら、風を避けてホテルで準備。
確かにチェーンスパイクでも行けそうですが、12本アイゼンに慣れたいのでアイゼンの方を装着。
まだまだ慣れませんね、準備に時間が掛かってます。
準備が終わったらバス停の方へと戻ります。
バス停の裏手に登山口があり、黒斑山へはそこから登ることになります。
黒斑山には表コースと中コースがあり、今回は中コースを選択しました。
後から知ったのですが、メジャーなのは表コースから登って、中コースで降りるルートのようですね。
中コースはひたすら、針葉樹の森の中を歩く感じ。
振り返ってみると、これはコース選びを失敗したかもしれない。
時折こんな感じで視界が開けることもありますが……。
トーミの頭に出るまではだいたいこんな感じ。
このルートでピストンするより、黒檜山の方が道中は変化に富んでいるのでいいですね。
……と、このあたりでふとパンツのポケットが軽いことに気づきました。
探ってみると……スマホが、ない。
やっちまったなぁ、と足元を見ながら登山道を逆戻り。それでも見つからず、すれ違う方にiPhoneの検索機能を使わせていただいて、ようやくアタリをつけて探すことができました。
雪山だと物落としても、音がしないから全然気付きませんね……。
今後は落とさないようチェーンか何かで繋いでおこうかと。
アクシデントで1時間ほどロスして、引き返すか登るか悩みつつ……。
コースタイムを見る限り蛇骨岳にまで行かなければ、昼食休憩を入れても帰りのバスまでには余裕を持って下山できるはず。
ということで進みます。
そうして進んでいくと、樹林帯の終わりを示す道標が見えてきました。
ここから先は浅間山の外輪に沿って登っていくことになります。
写真でも見た、浅間山の見える絶景とともにトーミの頭へ到着。
眼前に堂々と佇んでいるのが現在も警戒レベル1の活火山、浅間山。
トーミの頭は開けていて景色も良いので、ここで昼食休憩を取っている方も多かったです。
開けているということは風の直撃を受けるということでもあるので、それなりに寒くはあるのですが。
トーミの頭〜黒斑山山頂〜トーミの頭
振り返るとこんな景色。
左手に見えるのは八ヶ岳、右手には北アルプスでしょうか。
雲も少なく、遮るものもないので遠くまで見渡すことができます。
……と、優雅に写真を撮っているように見えますが。
実はこの時既にα7IIのバッテリーがひとつ、寒さで逝ってしまっていまして。
予備のバッテリーでカメラを動かしている状況ですが、この感じだといつまで保つやら。
この時点で気温は-13度。歩いていると鼻水があっという間に凍ります。
肌が露出していると寒い、いやそれどころか痛いくらい。
時間によってはここで引き返すことも考えましたが、コースタイムを見る限り山頂まで行く時間はありそう。
なのでトーミの頭の滞在は短めにして、黒斑山の山頂まで進むことにします。
山頂へは火山活動で抉られた外輪を歩くことになるのですが、意外と道は穏やか。
絶壁の縁を歩くので、一歩踏み外したら真っ逆さま……みたいなのを予想していたのですが、こんな感じで樹氷の中を歩く感じ。
木々の合間から、時折浅間山が顔を覗かせます。
トーミの頭からコースタイム30分ほど。黒斑山の山頂に着きました。
山頂といってもかなり平坦で、浅間山の方角が開けている程度。意外と地味です。
背後の木々に遮られてさほど風も感じないので、ここで昼休憩にしてもいいかなと思ったのですが。
やっぱり景色が良いところがいいなと思い、トーミの頭まで戻ることに。
標高2400mですが、ギリギリ森林限界は越えていないのかな。
杉なのか松なのか、雪を被った針葉樹を撮りつつ。
こちらは浅間山の火山活動を見守る監視カメラ。
亜高山帯にいることを一瞬忘れさせる佇まい。
トーミの頭までの道はずっとこんな感じ。
雪山の日差しに目をやられないか、サングラスも必要なんじゃないか……と思っていましたが、この感じだと日帰りでこの山に挑むなら問題なさそうですね。
黒と白、そして時折顔を覗かせる空の青。
雪山にはその3色しかありません。
夏頃には高山植物なんかも咲いていたりするらしいですね。
公共交通機関でもアクセスしやすい山なので、その時期に登ってみるのもアリかも。
見上げればこんな感じ。
クリスマスツリーのイメージってこんな感じですよね。
黒斑山からの穏やかな道をのんびり歩いていたら、見えてきました。トーミの頭です。
こっちから見ると断崖絶壁って感じがしますね。
そんなわけで戻ってまいりました。
ここから黒斑山まで、リスキーな箇所はほとんどありませんでしたね。
一応時間に余裕もあるので、ここでご飯にすることに。
大晦日ということで蕎麦にでもしたかったのですが……めんつゆを入れる容器が思いつかず、結局パスタになりました。
年越しパスタ……それも明太子味。果たして洋風なのか、それとも和風なのか?
山ごはんの方も色々スキルを磨いて、写真でお見せできるようなレベルまでステップアップしたいところですね。
ここを離れるとまた樹林帯に入ってしまうので、数枚撮るたびに落ちてしまうバッテリーを必死に温めながら撮影会。
またこの山に来ることはあるかもしれませんが、2018年を悔いなく終えられるようカメラ遊びは妥協しない!
今年買ったZeissのLoxia 21/2.8。この光芒は他のレンズにはない魅力ですね。
これがある以上、他社のカメラには乗り換えられない……。
黒斑山を振り返って一枚。
次はアクシデントを防いで蛇骨岳までちゃんと行きたいですね。
トーミの頭〜車坂峠
16時過ぎのバスを逃すと帰れないので、名残惜しいですが下山することにします。
帰りのルートは安全策で、朝登ってきた中ルートを使います。
中ルートは意外と変化が少なかったので、表ルートにも興味があったのですが……。それはまた次回ということで。
下山中、開けたところからはこんな景色も見えました。
登る時は振り返ったりしない限り見ることはできないので、こちらのルートは下山時に使う方が良いのでは?
写真にも写っているスキー場から案内の放送らしきものが、こちらにまで時々聴こえてきます。
人の気配は山では雰囲気を壊すもの……ですが、こういう雪山だと逆にちょっと安心しますね。
そして樹林帯を歩いて約1時間。登山口が見えてまいりました。
標高はそれなりに高いですが、黒斑山までは激しい急登もなくて楽に登れますね。
黒檜山は途中の急登が結構ハードだったような気がしますが、黒斑山はそういった箇所もないので本当に穏やか。
確かに、雪山の入門にはちょうど良さそうです。
というわけで、戻ってまいりました。
時刻を見れば15:00頃。バスが来るまではあと1時間くらい余裕があります。
この感じだと、アクシデントがなければ蛇骨岳まで行ってもまだマージンを残せそうですね。
バスを待つ間に、さっとホテルの温泉に入って冷えた身体を温めなおしたり。
入浴料500円ちょっとなので、かなり安いですね。お湯は熱めで、短時間でも結構温まることができました。
バスを待つ間に、沈む夕日を写真に収めたり。
2018年が終わりますね。
行きと同じくホテル前のバス停からバスに乗って帰宅。
帰りはここから新宿までまっすぐ向かってくれるようなので、新幹線は使わずにバスで都心まで出ることにしました。
バス移動は到着が大きく遅れるイメージがある(主に小仏トンネル付近)のですが、早着するほどスムーズでした。まぁ、帰省シーズンですしね。
おしまい
こんな感じで終わった2018年の山歩き。
今年は最終的に山行日数41日と、結構な量になりました。
標高100m台の低山から、目標にしていた3000mまで。幅広くバリエーションに富んだ山歩きになったと思うのですが、2019年は密度を重視して登っていきたいですね。
まず今季は雪山をしっかり堪能するところからですね!
蛇足で、装備について
そういえば、ちゃんと書いてませんでした。雪山装備について。
今回はこんな感じの装備で登っています。
アンダーウェアはジオラインMWの上下。
冬の低山ではLWの方で登っていますが、今回は2000m超の雪山ということで一回り厚手のものを買い足しました。
これはだいぶ効果ありで、-10度以下でもほとんど寒さを感じませんでした。
個人差はあると思いますが、とりあえず天気のいい日に日帰りで登るならこれを着ておけば間違いないと思います。
アンダーウェアの上からモンベルのフリースを重ねて、レインウェアで風を防ぐようなレイヤーになっています。
下半身はジオラインMWと中厚手のパンツ。シェルレイヤーはありません。
バラクラバは必須みたいです。顔を露出しているとだんだん鼻が痛くなってきます。
稜線に出ていなくても、この気温だと無防備では危険なのかも。
私はモンベルのネオプレンフェイスバラクラバを選びましたが、メガネが結構曇るので悩みどころ。
雪山ではコンタクトにした方がいいかもしれません。
グローブはBlack DiamondのSoloist Finger……を最近買ったので持っていきましたが、見事にザックの肥やしになっていました。
モンベルのウインタートレッキンググローブだけでも結構頑張ってくれます。
行動中は問題ないですが、外して放っておくと寒くなるのでギリギリのラインかも。
調理中に水をこぼしたりしても、すぐに拭いておけば凍りつくことも染みることもなかったです。
靴は3シーズン用のTibetで事足りました。
厚手のウールのソックスと合わせて、寒さを感じることはなかったです。
今回のコンディションで、黒斑山くらいなら冬靴は必要なさそうですね。
アイゼンはグリベルのニュークラシック。Tibetにはバンド式のアイゼンしか装着できません。
黒斑山の登山道はよく踏み固められていて、急登もないので軽アイゼンでも問題なさそうです。チェーンスパイクで登ってる方もいらっしゃいました。
ゲイターはちょっと奮発してODのクロコゲイターを。
夏用のペラいやつはアイゼンで切り裂いちゃったので、今季から冬用の頑丈なやつを使うことにしています。
今回は天候もよくほぼ無風だったため、こんな感じで比較的軽装で登ることができました。
悪天候だと同じ山でもどうなるかはわかりませんね……。なので、悪天候の時は登らない。事前によく天気の情報を調べてから登るようにしたいところです。
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