北横岳〜縞枯山:2019年登り初めは雪山で
2019年01月06日2023年09月30日登山:八ヶ岳
登山情報
GPSログ
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コース情報
- 標高
2480m
- 標高差
709.0m
- 累積標高(登り)
412m
- 累積標高(下り)
406m
- 行動距離
7.69km
- 行動時間
3時間33分
- コース定数
13.1
アクセス
往路:~アルピコ交通バス 長野・松本-「東京ディズニーリゾート」-成田空港線 中央道茅野BS > アルピコ交通バス 北八ヶ岳ロープウェイ線 北八ヶ岳ロープウェイBS
復路:アルピコ交通バス 北八ヶ岳ロープウェイ線 北八ヶ岳ロープウェイBS > JR中央本線 茅野駅~
公共交通機関だけを使って冬の北横岳に余裕を持って登るには、中央線始発に乗って茅野駅に向かうのが定番のようですが、今回は23:40上野発の夜行バスで行ってみます。
夜行バスで茅野駅へ
茅野駅を7:55に出発する北八ヶ岳ロープウェイ行きのバス。これに都心から乗るには、朝4:40に立川を出発する中央線の始発に乗る必要があるようです。
が、それは立川以東に住む人にとってはちょっと厳しい条件。なので、他に何か手段はないものかと探していたら見つけました。23:40形成上野駅発、5:00中央道茅野BS着の夜行バス。これなら間に合いますね。
……車で行けばいい?ごもっとも。
中央道茅野から茅野駅まで、朝5:00の茅野の町を歩くこと。そしてそこから7:55まで時間を潰すこと。その二つがクリアできれば、この行き方はアリだと思います。
ちなみに茅野駅から少し歩いたところにファミレスがあるので、そこで軽く朝食を採ることができます。
コンビニは中央道茅野から茅野駅に向かう途中のローソンか、茅野駅東口のヤマザキショップちの大藤店を使うといいでしょう。他にもバス乗り場の前にあるお土産屋さんが割と朝早くからやってますね。
ちなみに一応、茅野駅10:20発のバスでも北横岳まで行くことはできそうですが……。
登山開始が12時前後になってしまうので、コースタイムは結構シビアになりそうです。
北横岳ロープウェイ山頂駅〜北横岳山頂
さて、茅野からの移動はすっ飛ばして。着きました、北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅。
読み通り天候は快晴。見事に雲ひとつありません。
最近は天気予報にはSWCとMountain Weather Forecastsを見ていることが多いです。
前回の黒斑山もそうでしたが、冬山は天気だけでなく風速も見た方が良さそうですね。
風が強いといくら天気が良くても登るのは厳しそうです。
というわけで、坪庭から北横岳を目指して登っていきます。
最初は坪庭の広い景色を見ながら周遊。
登山装備がなくても坪庭は歩けるようで、このあたりは穏やかです。
向こうに見えるのが……北横岳?
そして坪庭から見える……こちらは縞枯山かな?
周遊コースから外れて登山道へ。
初心者向けとは言え気が引き締まります。
登山道に入ってからは樹林帯の中を歩くことに。
さほど傾斜のきつくない、地味な登りを少しずつ登っていきます。
ふと右手の方を見てみると、こんな感じで八ヶ岳の山々が見えるんですよね。
なので、この道は歩いていてもキツくは感じないんじゃないかと思います。
そうして三ツ岳分岐を経て……
北横岳ヒュッテへ到着!
山頂までもう少しですが、休みなく歩いてきたのでここで少し休憩することに。
ロープウェイ山頂駅からここまで、歩いて1時間掛からないくらいですかね。
体力的には余裕を残せている距離だと思いますが、ここで休んでおくと後が楽かも。
雪山は普段よりも体力使いますしね。
最後に山頂までの樹林帯の登りを登ります。
このあたり、行きも帰りも下りで軽アイゼンの爪が刺さらず滑ってしまっている人を見掛けました。
今回は全部12本アイゼンで行ってしまったので気になりませんでしたが、ここはチェーンスパイクなどでは手こずるのかもしれません。
というわけでまずは北横岳の南峰に到着です。
それまでほぼ無風でしたが、山頂付近はそれなりに風が強い!
前回の黒斑山は外輪に出てもほとんど無風でしたし、他の雪山も森林限界に届かない標高だったので、このあたりは私にとって未知の体験。
下山を前に装備を整え直しているおじさんがかっこよかったので勝手に1枚。
いいですよね、山の男の背中。私もこんな山男になりたい。
そして稜線を少し歩いて北峰へ。
この間数分程度だと思います。あっという間。
南峰でも感じていましたが、とにかく寒い!
気温自体は-10度に届かない程度ですが、森林限界を超えた風が刺さります。
こちらは蓼科山。北横岳よりちょっと高くて、2500mを超えてきます。
当初はこちらに行く選択肢もありました。
こちらは浅間山かな?
先日登ったばかりの黒斑山からの眺めを思い出します。
こちらは北アルプスのあたり。
修羅の地、冬の北アルプス。私もいつか登ることがあるんでしょうか。
燕岳までなら装備を整えて登ってみたいですね。
北横岳〜縞枯山
予想以上に山頂が寒いので、写真を撮ったら早めに下山。
南峰に向かう短い稜線歩きが気持ちいい。
色々なブログとかで写真を見て、冬にこの稜線を歩きたいと思っていたんですよね。
南峰で南八ヶ岳を撮影。遠くに見える赤岳が美しい!
赤岳のあたりは鎖も多いので、冬に登るのはかなり厳しそうですね。
さて、名残惜しいですが寒いので下山します。
いつもなら山頂でご飯、なのですが。さすがに森林限界を超えるとそんなことは言ってられませんね。
北横岳は隣の縞枯山と一緒に登るのが定番コース。
残りのコースタイムとバッファの時間を頭に入れて、この後どうするかを考えながら降りていきます。
山頂で食べられなかった昼食は、北横岳ヒュッテで。
このあたりは木に囲まれているので、風の影響も受けずに安心して休めます。
ゆっくり休んでリフレッシュしたら、再び下山。
この段階で時刻は13時ちょっと前。次の縞枯山のコースタイムが往復2時間ちょっとだったので、行けるかどうかは微妙なところ。
山頂に着かなくとも14時半には引き返そう、ということで縞枯山へと向かいます。
坪庭の周遊コースを時計回りに歩いて、縞枯山への分岐へ。
このあたりはずっと平坦な道なので安心して歩けます。
最後の階段のあるところが急なので、特にアイゼンを付けている場合はそこだけ気をつけて。
ほとんどアップダウンのない道を歩いていくと、縞枯山荘が見えてきました。
冬でもコーヒーとか飲めたりするらしいですが、今回は時間の都合上スルー。
ここまで起伏がなかった分、雨池峠からは一気に登ることになります。
この時間、双子池方面へスノーシューで進む人の方が多かったですね。この時間、縞枯山へと向かう人はごくわずか。
薄暗く、所々雪の深い斜面を登っていきます。
山頂までほぼ直登なので、ここは思いの外しんどかったですね。
無理をせず、時々息を整えてから登っていきます。
ちなみにこのあたり、それなりに踏み固められているのでアイゼンなら問題なく登れると思うのですが。新雪の上をスノーシューで歩く人も結構いるようで、メインのトレースから外れてそちらに足を踏み入れてしまうと、膝のあたりまで踏み抜いてしまうことが。
登る時は多分大丈夫ですが、下山中は気をつけた方が良さそうですね。
頑張って登っていくと……道標が見えてきました。
というか、あの道標のあるところが縞枯山の山頂です。
まぁ、山頂は特に目立ったオブジェもなく、展望もほとんどありません。
時間の方もかなり余裕があったので、道標に沿って少し先の展望台まで歩いてみることにしました。
縞枯山〜展望台〜北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅
縞枯山から展望台へと続く稜線もなかなか、景色が良かったですね。
その山の名前の通り。縞枯れ現象の影響で、稜線付近は木々に視界を遮られることなく周囲を見渡すことができます。
そして稜線の果てに、展望台が。
ここもほぼ360度、木々に遮られずに見渡すことができます。
北横岳の北と南の山頂も開けていて良い景色でしたが、こちらもまた負けていないくらい。
こちらもまた風当たりが強く、なかなかの寒さ。
そして足元がガレているので、立ち上がってカメラを構えるのに少し勇気が要ります。
高度感のある場所ではないので、転倒したからと言って即滑落ということにはならないと思いますが……。
当初はかなり順調に行けたら、この先の茶臼山も視野に入れていましたが……。
さすがに無茶が過ぎるので引き返します。
コースタイムの上では、ここまで来ると茶臼山方面から坪庭へ戻るのも、ピストンで戻るのもあまり変わらないようなのですが……。
でもタイムリミットまでのバッファが少ない時や、雪山などのシビアな条件下では、やはり一度歩いて知っている道の方が安心して歩けます。
雨池峠に戻ってまいりました。
この時点で15時前。ここから先は既に歩いた通り起伏もない道なので、そこそこバッファを残して下山できそうです。
縞枯山荘と、遠くに見える北横岳を眺めながら、今日一日を振り返ってみたり。
気分はすっかりウイニングランですね。
というわけで15時10分ごろ、北八ヶ岳ロープウェイ駅へと戻ってまいりました。
ロープウェイの最終便が16時。20分感覚で動いているので……10分でとりあえずアイゼンだけ外してザックにしまい、15:20のロープウェイに乗り込んで山麓駅へ移動。
バスは17:00の便しか残っていませんが、麓のレストランでコーヒーを飲みつつ、写真の整理とかをして待つことにします。
下山してから余韻に浸る時間が取れると、色々と思い返せるので良いですね。
帰りは茅野駅から特急で都心方面へ戻り、そのまま真っ直ぐ帰宅するのでした。
19時過ぎの特急の指定席を取っておけるといいですね。時期によっては自由席が埋まっていたりするので。
山の帰りはゆっくり、座席に身体を預けて帰りたいものです。
今回の教訓
今回は初めて、雪山の森林限界の上を歩いたような気がします。
今までに歩いてきた雪山と大きく違うと感じたのは、森林限界以降の風の強さと冷たさ。
気温は高かったので、前回と同じ装備で登ったらむしろ暖かいくらい。樹林帯を歩いている時はグローブも要らないんじゃないかと思うほどでしたが、森林限界を超えてからは手持ちのグローブではちょっと厳しいかも、と思うほど。
モンベルのウインタートレッキンググローブでは、ちょっとカバーしきれないレベルですね。
が、それ以外は前回と同じ装備で全く問題なし。
もちろん風は冷たいですが、手以外は寒いと感じるほどではなかったです。
足の方もアイゼンと重登山靴、ウールの厚手ソックスがうまく寒さを遮断してくれたので大丈夫でした。
どうやら冬山では身体の末端、特に手と顔の防寒に力を入れるのが良さそうです。
身体の方は動けば意外と温まりますし、最悪の場合ダウンでも着てしまえば良いですから。でも、手と顔は温まりにくいですね。
……もちろん、悪天候の時や強風の場合はまた別だと思います。
そういう時はそもそも、森林限界の上を目指すべきではなさそうですね。特に私のように、経験が浅い場合は。
カメラの方は……前回の黒斑山でバッテリーがほとんど保たなかった経験から、普段使っているカメラバッグにさらにインナーケースを追加。インナーケースにホッカイロを貼り付けてみたのですが……全然ダメでした。
ちょっと長く保ったかな?とも思いましたが、確かバッテリーが力尽きたのは北横岳の山頂付近。1時間ちょっとしか保ってませんね。
最終手段として普段タイムラプス用に使っている、大容量のモバイルバッテリーをダミーバッテリー経由で直接使うことに。
カメラバッグの中がケーブルまみれになるので不格好ですが、その後はバッテリー切れを気にすることなく撮り続けることができました。
α7IIIは寒冷地でのバッテリー対策も進んだようですが、α7IIを冬山で使う場合は今回のようにダミーバッテリー経由で動かしてしまった方が良さそうです。
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