飯盛山:八ヶ岳高原線でゆく日本の分水嶺
2019年04月09日2023年09月30日登山:八ヶ岳
登山情報
GPSログ
loading...
コース情報
- 標高
1643m
- 標高差
430.0m
- 累積標高(登り)
410m
- 累積標高(下り)
476m
- 行動距離
10.74km
- 行動時間
3時間53分
- コース定数
14.6
アクセス
往路:~JR小海線 野辺山駅
復路:JR小海線 清里駅~
今回は関東から公共交通機関で行くには若干ハードルの高い、八ヶ岳の麓にある飯盛山へと行ってまいりました。
標高1643mと、このあたりの山の中では若干背が低いのですが、その山容から山好きにはなかなか評判の良い山。そんな飯盛山に、新幹線やローカル線を駆使して日帰りで登ってまいりました。
野辺山駅〜平沢山
ほとんど雪も積もらないまま3月を迎えてしまい、アイゼンを使うこともなく冬が終わりそうな予感。
このままじゃ終われない、ということで覚悟を決めて、まだ雪の残っていそうな長野の山へと挑戦です。
前泊して登るほどの下調べもできておらず、お金が掛かってもいいから日帰りで雪景色を楽しめそうな山……ということで、色々な登山ブログで見掛けるこの飯盛山に行ってみることに。
黒斑山以来の上越新幹線で佐久平へ。そしてそこから八ヶ岳高原線の相性で親しまれているローカル線、小梅線で野辺山駅へと向かいます。
JR屈指の標高の高い駅が並ぶこの路線、中央線車内の路線図で見かけて気になってはいたのですが、まさか本当に乗ることになろうとは。
特に電車が好きというわけではないんですが。
公共交通機関で山に通っていると、色々な路線に縁がありますね。
小梅線に揺られて約1時間、「JRで一番標高の高い駅」野辺山駅へ到着です。
ここから飯盛山へと向かうわけですが……誰も降りない。山装備の人も車内に何人か見掛けたような気がしたのですが、ここでは誰も降りないんですね。
じゃあ、どこに行くんだろう……?
野辺山駅から登山口のある平沢峠まで、ひたすらまっすぐな道を歩きます。
距離およそ4km。あぁ、確かに電車でここには来ないわ……と納得するほど果てしない一般道歩き。
GPSログを見れば察して頂けるんじゃないかと思うのですが、2.5kmくらいは本当に一直線でした。
そんな真っ直ぐな道の先にあるのが自称「日本の分水嶺」、平沢峠。駐車場がかなりデカいので、車でのアクセスはかなり良さそうです。
駅では一人も見かけませんでしたが、アイゼンやスノーシューを準備する登山客の姿がちらほらと。あぁ、みんな車で来てるのね。
この平沢峠、地図にはトイレの表記があったんですが、冬季は閉鎖している模様。
期待してると絶望することになります。駅で済ませておきましょう。
平沢峠から見る八ヶ岳の景色を堪能したら、チェーンスパイクを装着して登山道へ。
積雪量も多くなく、ノーアイゼンでも歩けそうでしたが、せっかくなのでアイゼンの感触を楽しむことに。
急登や、危険を感じるような場所は皆無。安心して登れます。
雪山入門というと黒檜山(赤城山)が人気ですが、ここ飯盛山も登りやすくていい感じ。
尾根を伝ってそのまま飯盛山へ……行ってもいいのですが、その手前のピークへ登ってみることにします。
こちらの方が若干踏み跡が少ないようで、雪の感触がさくさく伝わってきて楽しい。
登りました。標高1653m、平沢山へ到着です。
実は飯盛山よりちょっとだけ背が高いという。
平沢山〜飯盛山〜清里駅
標高は奥多摩と大差ないくらいですが、八ヶ岳が近いので山頂からの景色はなかなか。
しかも飯盛山へ直で向かう人が多いのか、こちらは全然人がいないので貸切状態。
奥秩父の山々もこんな感じで一望できちゃう。
……とか言ってたら後続の人たちも登ってきて、なぜか写真撮影役に。
5人くらいに声掛けられたぞ、写真撮ってくださいって……なぜだ。
スキーやら何やらで毎週のようにこのあたりに来るというおじさまから聞いたのですが、実は一週間くらい前はこんなに雪もなかったんだとか。
それから平日の間に天候が崩れて、雪が戻ってきたんだそうな。
運が良かったですね、私。危うく、新幹線を使って雪のない雪山へと行くところだった……。
平沢山もいいけど、そろそろ今回のメインである飯盛山へ行こうか。
雪だるまの後ろにある、おむすびのような形をしたあの山。そこが今回の目的地です。
形が立派なので結構高い山に見えますが、実はそうでもない。
近寄ってみるとこんな感じ。意外と可愛らしい山です。
お腹も空いてきたので、さくっと登って山頂へ。
着きました、飯盛山。
意外と小ぶりですが、山頂に木のない山(坊主山と呼ぶそうな)なので見晴らしは抜群。360度、遮るものがありません。
八ヶ岳はもちろん見えますし……
奥秩父の山々もこんなに。あの雪を被っているのが金峰山かな?
南には富士山も見えました。
三脚も持ってきていたのですが、雲ひとつない快晴なのでタイムラプスは諦めてお昼ごはんに。
一旦、あの平べったいところまで降りてしまいます。
Helinoxで雪でも安心。
前回の山行でガスを切らしていたので、今回はガスの余っているジェットボイルでカップラーメン。
山メシに慣れると、カップラーメンでは質的に物足りなくなってくる……(笑
今年ラストになるであろう雪をゆっくり楽しんで下山。
平沢峠まで戻るなら車に乗せてあげるよ、と誘われたりもしましたが、やっぱりピストンじゃなくて別の道を歩いて帰りたい。
というわけで清里駅方面へと歩いて降りていきます。
……が、こちら側は南側で日当たりもいいのか、少し降りたらすぐに雪がなくなってしまいました。
外すタイミングを見失ったチェーンスパイクは泥だらけに。仕方なく、つけっぱなしでそのまま下山。
一般道に入り、残っていた水を使ってチェーンスパイクの泥を落としながら春の訪れを感じるのでした。
ちなみに清里駅方面もまた、3kmくらい一般道を歩くことになります。
もしかすると、山を歩く時間より一般道を歩く時間の方が長いかも……?
締めの一言
ギリギリ、辛うじて雪山と呼べる時期に間に合ったような感じの今回の飯盛山。
一般道歩きは長いですが、リスキーな道もなく、登りやすくてとても気持ちよく歩けた山でした。
山の滞在時間はさほど長くはありません。
おそらく車で、しかもそこまで時間を掛けずにアクセスできる人向けの山だとは思います。
でも、清里駅ではこんな感じでSLを見たりすることもできますし、観光とセットで登るのもアリかもしれません。
冬の澄んだ空気の中で、雪の感触を楽しみながら360度の展望を見渡すも良し。
春以降は花も豊富とのことなので、ピクニック気分で登るのも良さそうです。
関連記事
【八ヶ岳】編笠山〜権現岳:雪少ない春の南八ヶ岳
【八ヶ岳】硫黄岳:厳冬期南八ヶ岳への挑戦
【八ヶ岳】北横岳〜蓼科山:双子池ヒュッテに泊まり八ヶ岳の最北端を目指す
【八ヶ岳】赤岳〜阿弥陀岳:聖地・妖怪の山巡り
天狗岳:厳冬期登山への挑戦
天狗岳〜硫黄岳:黒百合ヒュッテから八ヶ岳の稜線を歩く
北横岳〜縞枯山:2019年登り初めは雪山で
赤岳、横岳〜硫黄岳:突発的南八ヶ岳テント泊登山