【八ヶ岳】赤岳〜阿弥陀岳:聖地・妖怪の山巡り
今年は本当に、テント泊が難しい。
大抵のテント場が予約必須になっていて、しかも早い時期に枠が埋まってしまう。
ギリギリまで天気予報を見ながら目的地を絞り込む私には、早い段階で登る山を決めてしまうというのはなかなか慣れません。
そんな中ではありますが、8月の連休は八ヶ岳へと登ってきました。
行者小屋のテン場が予約不要だったので、ならばまだ登っていない阿弥陀岳を目指してみることに。
八ヶ岳といえばかつて富士山と背比べをしたという伝説もありますが、その頃の八ヶ岳の中で最も高かったのがこの阿弥陀岳。
富士山よりも背が高かった頃の八ヶ岳とされる東方Projectの「妖怪の山」、それがあるとしたらここ阿弥陀岳なんじゃないかなと思っています。
赤岳〜阿弥陀岳の情報
コース情報
標高 | 2899m |
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累積標高(登り) | 1520m |
行動距離 | 16.39km |
行動時間 | 7時間9分 |
コース定数 | 37.50 |
行者小屋で一泊し、又三郎尾根から赤岳を目指します。
下山ルートは御小屋尾根を使い、阿弥陀岳から直接美濃戸口へと向かいます。
アクセス
往路、復路ともに:JR中央本線 茅野駅 > アルピコ交通 美濃戸口BS
定番の、茅野駅から美濃戸口へのバス。
この日は連休初日ということもあり、増便も出るほどの盛況っぷりでした。
美濃戸口〜行者小屋
公共交通機関を使った八ヶ岳登山の起点、茅野駅からの始発のバスで美濃戸口へ。
こんな時期ですが増便が出るほどの混みっぷり。都心から前泊なしで行けるというのが良いですね。
美濃戸口から赤岳山荘までのかったるい林道歩きは省略して、南沢と北沢の分かれ道。
以前は赤岳鉱泉に泊まったので北沢でしたが、今回は行者小屋に行ってみたいので初の南沢ルートへ。
こちらはこちらで悪くないですね。
八ヶ岳らしい苔むす山道が続きます。
渋の湯〜黒百合ヒュッテを思い出す、苔まみれの道。
なかなか日は当たりませんが、こちらの道も雰囲気は良いですね。
苔の山道がしばらく続いたあと、不意にこんな感じで視界が開けてきます。
この日はちょっとガス気味で……いまいち晴れない感じではありますが。
そんなわけで行者小屋にやってまいりました。
運良く前日宿泊組の撤収タイミングと重なって、整地済みの一等地をゲット。
そういえばご覧の通り、今年からテントはLocus GearのKhufu Silを使っています。
所謂ULテントってやつですね。使い心地とかはあとで記事にしてまとめようと思います。
連休初日の行者小屋、この日のテン場の密度はこんな感じ。
夕方になってもまだ張るスペースは残っていました。
ランチを済ませて、ふと空を仰げば青空が。
まぁ明日行くからいいか。
……その考えが今回最大の過ちだったと気づくのは、翌朝。
行者小屋〜赤岳〜阿弥陀岳
早めに寝て早めに起きてみれば、星一つ見えないガスガスの空。
やっちまったなぁという感じですが、テントを片付けて赤岳に向かいます。
前回は地蔵尾根を使ったので、今回は又三郎尾根で登ります。
一度見てみたかったんだよなぁ、このマムートマークの階段。
又三郎尾根はとにかく階段ラッシュ。
晴れていれば展望は良いのでしょうが、こうもガスガスだと距離感が掴めなくて辛い。
稜線に出て岩&鎖場エリアへ。
地蔵尾根より難易度は低いとのことですが、個人的にはこちらの方が急で、慣れないと竦みそうだなぁと思ったのですが。
うーん、感じ方は人それぞれですかね。
行者小屋を発ってから1時間50分ほど。山頂へ到着しました。
うーん、何も見えねえ。
予報を見る限り待っていても晴れそうにないので、早めに次のピークへ移動することにします。
岩場を降りてしまえば次のピーク、中岳へは比較的穏やかな道。
晴れてたら気持ちいいんだろうなぁ、この道は。
というわけで中岳へ到着。
もちろん何も見えません。
諦めて阿弥陀岳へ向かいます。
岩場や鎖場、梯子などが続くので、それまでより難易度はひとつ上がる感じ。
ガスの影響で岩が湿っぽかったのでちょっとスリルはありましたが、落ち着いて登れば大丈夫そうな感じ。
着きました。阿弥陀岳です。良い眺めですね!
素敵な眺めをほんの10分ほど堪能したところで下山開始です。
阿弥陀岳〜美濃戸口
美濃戸山荘〜美濃戸口の歩きがかったるいから、という理由で下山ルートは御小屋尾根を選択。
下山ルート、写真は撮りませんでしたが阿弥陀岳のすぐ近く、西の肩の摩利支天が一番高度感はあったと思います。
鎖と梯子で巨大な一枚岩を渡る、なかなかスリルのある道。一瞬、鎖も梯子も掴めない瞬間があるのが怖かったなぁ。
その後は怒涛の急坂ラッシュ。
階段や鎖を使って稼いできた標高を、どちらも使わずにひたすら降りていく道です。
多分、好みは分かれる道だと思います。個人的には似たような道が延々続くのであんまり好みではない感じ。
このルート唯一の水場、不動清水を越えると道は穏やかに。
歩きやすいですが、標高が下がらないのでじれったくもあります。
美濃戸口に降りたいので、御小屋山のところで右折。
実はここでようやく折り返し地点。標高も2000m以上ですし、まだまだ先は長い。
御小屋山から美濃戸口へは、こんな感じで非常に穏やかな道でゆっくりと降っていきます。
降りているという感覚がほとんどないのですが、3km以上続くこの道。気がつけば600mほど降りています。
この先舗装道。やったね、下界に着いた!
……正直、トイレ我慢してたのでここからのアスファルト歩きが一番しんどかったです。
美濃戸口に着いたら、次のバスまで1時間ほど余裕があったのでお風呂を頂いておきました。
茅野駅の方でもお風呂には入れるんですが、バスに乗る前に汗を流せると一番良いよね。
振り返り
天気が良ければまた違う印象だったのでしょうが、この日はガスまみれで展望ゼロ。
かなり虚無感漂うテント泊登山になってしまいました。
初日の青空が見えた瞬間に、赤岳だけでも登っておくべきでしたね。
ひとつ教訓になりました。テン泊する時は、天気が良いうちに山頂には行っておけと。