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瑞牆山・金峰山:百名山二座連続登頂

2018年05月05日2023年09月30日登山:奥秩父・大月

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

2599m

標高差

1082m

累積標高(登り)

1758m

累積標高(下り)

1757m

行動距離

15.94km

行動時間

10時間08分

コース定数

41.65

アクセス

往路、復路ともに〜JR中央本線 韮崎駅 > 山梨狭北交通 韮崎瑞牆線 みずがき山荘BS
前週の雲取山登山でテント泊も試せたので、春の連休で早速遠出してみることにしました。 そして前回が所謂稜線型のテント泊登山だったので、今回はベースキャンプ型に挑戦してみたいな、と。

そんなわけで2週連続のテント泊登山。そして4月は毎週末山に登ったことになります。
今回は、今までどうしても「遠くて日帰りの難しい山」という印象のあった奥秩父の名峰、瑞牆山と金峰山を目指します。
初日は瑞牆山荘からスタートして、中腹の富士見平にテントを張って瑞牆山へ。翌日早朝に金峰山へと登り、テントを撤収して下山する一泊二日のスケジュール。
遅くとも夕方頃には下山できそうな、そんな感じの日程。

テントを山頂近くまで担ぎ上げる稜線型と違い、ベースキャンプ地点でテントを下ろせる方が楽なイメージがありましたが、しかし……?

一日目:瑞牆山荘〜富士見平小屋

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朝、始発で余裕を持って出発……のつもりが、乗り換え駅で用を足していたら電車を逃してしまうアクシデント。
割と時間に余裕あると思ってたんですが……なかったですね。
というわけで、大月から特急に乗り換えてバスに間に合わせました。朝の自由席の特急、混んでるからあんまり使う気になれないんですけどね。

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そんなわけで韮崎駅からバスに乗って約1時間、登山口である瑞牆山荘へと到着。
ここから1時間ほど掛けて、今回のキャンプ地である富士見平小屋へと向かいます。

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意外と登りがきつい。そして滑りやすい。

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坂を登りきったところで出迎えてくれるのが瑞牆山です。
その姿が立派すぎて、これからこの山に登るのだという実感が湧きません。

数時間後、あの切り立った岩の上に立つことになる……と言われてもピンとこないですよね。

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急な登りから一転、瑞牆山が見えるスポットのあたりからは穏やかな道だったと思います。
そんなわけで今回のキャンプ地、富士見平小屋に到着。手続きを済ませて早速テントを張ります。

まだまだこれで二度目、慣れない私にも小屋の方はとても優しい。
暖かくて良い小屋だと思います。

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そして小屋ご飯!
名物の鹿肉ソーセージ入りのホットドッグを食べてみたくて、敢えて自炊ではなく小屋のご飯を頂きます。付け合わせのピクルスとの組み合わせがなかなか良い感じ。
ちょっと値は張りますが、次回はカレー食べてみたいな……なんて思ったりして。あれ絶対美味いって!

富士見平小屋〜瑞牆山ピストン

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テントを張ったら、必要なものだけ持って瑞牆山へ。のんびりしてたらお昼過ぎの出発になっちゃいました。
一応2時間程度で着くコースタイムですが、ちょっと帰りが心配。日が暮れる前にはテントに戻りたいですね!

前回の反省も踏まえて持参する水の量は少なめにしたので、水場で水も汲んでいくことに。
まだ4月、水場の水はとても冷たかったです。飲むのにはちょうどいいけど、手を洗うにはちょっと冷たすぎるくらい!

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富士見平からは一旦下り道。そしてこんな感じの沢のあたりまで下ったら、岩の多い登山道をひたすら登ります。
この休みなく続く感じ、日光の男体山に似てるような。

しかしこの沢、水がとてもきれい。透き通っていて飲んだら美味しそうな……。
飲めるかどうかはわかりません。

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岩の多い山なので、こんな感じの奇石も。
このぱっくり割れた感じ、思い浮かんだのは……岩山両斬波!

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道標に何かいるぞ……?

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山頂までは何度か鎖もあります。ユルめの岩場なので、鎖に頼らなくても登れるくらい。
ただ、ちょっと岩が濡れてて滑る。こういうときは張り切らずに素直に鎖を掴むのが一番。
余裕ぶっこいて滑っていくひとを時々見掛けますので。

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コースの内容まではあんまり把握しないまま登ってしまいましたが、瑞牆山だけでも片道3〜4箇所くらい鎖場があった気がします。
傾斜も控えめで、落ちたら谷底へまっしぐら……みたいな場所ではないので、怖くはないと思いますが。

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なんか見えてきたぞ。
でもまだ、ここからもうちょっと登るんじゃ。

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道を間違えて、こんな場所に出てしまいました。
本来のコースはあちら側。ごちゃっとした樹林帯の岩場って、道を見失いがち。

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見上げるほどの大岩。大ヤスリ岩でしょうか。
でも山頂はアレより高いんじゃ。

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若干凍結も残っていましたが、瑞牆山はアイゼン無しで問題ありません。
この記事が上がる頃には、もう凍結もなくなっているかも……?

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鎖やハシゴを経て……

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山頂に到着!
富士見平からここまで2時間くらい。意外と掛かりました。

瑞牆山山頂〜富士見平小屋

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さすがに約2200mの山頂は見晴らしが良いですね。
奥秩父の山々と富士山、遠くアルプスまで見渡せます。

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こちらは明日登る金峰山with富士山。
左手でちょこんと飛び出ているのが五丈石です。明日はあそこまで行くんですね。

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八ヶ岳方面もこんな感じ。
この日は雲ひとつない見事な快晴でした。遅い時間でも空がきれい。

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山の男たちをこんな感じで撮ってみたり。

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逆光でシルエットだけ。うーん、かっこいいですねー。
瑞牆山の山頂はそれなりに高度感のある岩なのですが、物怖じせず立っている姿は美しい。

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私は高いところ怖い勢なので、ちょっと腰が引けてる。

ご飯を食べるわけでもないのに山頂で1時間ほど小休憩。
景色がいいといつまでもそこに居たくなります。

が、日が暮れないうちに帰りたいので、人がいなくなる前に下山することに。

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帰りは来た道を戻ります。
鎖場怖いなーと思っていましたが、思ったより降りやすくて安心。

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最後の登り返しにちょっと心が折れかけましたが、無事日の沈む前に戻ってくることができました。

山で日が暮れてしまうと危ないというのもありますが、他にも日が暮れてからの調理は結構面倒だなーというのが前回学習したこと。お湯を沸かすだけですが、それでもヘッドライトだけでは手元が危うい。

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……でも、今は何よりこの一杯を。
なんと、富士見平小屋ではクラフトビールを飲むこともできちゃいます。
3種類あってめっちゃ迷いましたが、話を伺ったところこちらが濃いビールとのことで。

確かに注いでみたら結構色も濃くて、味もなかなか深いです。
チタンマグで飲む初のビール。山でこれができるって最高ですね。

瓶は持ち帰ることになるのかなーと思っていたら、なんと返却OKとのこと。
だったらもう一本くらい飲んでおけばよかったかな……とか思ったりして。

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そんなことをやっている間に日が暮れる。
八ヶ岳の向こうに日が沈んでいきます。

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夕焼けに照らされて、山のシルエットがくっきりと。
前回の雲取山では疲れて眠ってしまったのでこれを拝むことはできませんでしたが、リベンジ達成です。

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そしてそれを眺めながら、ご飯。
ベースキャンプ型だから多少余計なものを持ってきてもいいだろう、とフルーツ杏仁の缶詰なんか持ってきちゃいました。
前回甘酸っぱいものが欲しくなってしまったので、それを想定してのこと。
ちょっとぬるかったですが、美味。

最初は山に缶詰なんて……と思っていましたが、今後のテント泊では必須アイテムにしたいくらいですね。

ご飯を食べたらすぐ眠くなってしまったので、さっさと寝ることに。
ちょっと寒かったのでアンダーウェア+Tシャツ+フリースで防寒。この重ね着なら、寒くて眠れないということは全然なかったです。
むしろ熟睡。

二日目:富士見平〜大日岩

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早い時間に寝てしまったので起きる時間も早い。
月明かりでめっちゃ明るかったので星撮りは諦めて、月だけちょこっと撮ってみることに。

木々の合間に昇る月は、なんか月姫っぽいイメージ。

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そして今回は御来光とかは特に考えていないので、夜が明ける頃に出発です。
いよいよ金峰山、今年初の森林限界に挑みます……!

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富士見平から金峰山への道は、こんな感じで薄暗く湿っぽい感じ。
奥多摩あたりの登山道とは趣が違いますね。

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1時間ほど歩いたところにある大日小屋とそのテン場。
金峰山だけならここもアリですね、山の中っぽくて楽しそう。

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そしてまた薄暗い山道。
ファンタジックでミステリアス。

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そして鎖場。
結構滑りやすくて、下りは怖いだろうなーと思ったのですが、下山時に下ってみるとそこまででもなかったです。
鎖場を超えると瑞牆山の大ヤスリ岩にも負けないくらいの大岩、大日岩へ。

大日岩〜金峰山

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大日岩のあたりで一旦視界が開けました。
朝の早い時間、雲海がとても美しい。山に泊まるとこういう光景も見られるんですよね。
日帰り登山では得難い光景。

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そして木漏れ日からの光芒チャンス。24-105mmも絞れば結構イケますね。
朝日もだいぶ昇ってまいりました。

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大日岩から先は凍結あり。
気をつけて歩けばアイゼンなしでも問題ないですが、砂払ノ頭の直前ではこんな感じでがっつり凍っています。
今回はチェーンアイゼンを持ってきていたので、躊躇わずにここで装着。せっかく持ってきてるので頼ってしまいます。

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最後の凍結を登ったら砂払ノ頭へ。ここで再び視界が晴れます。
そして山頂への道を仰ぎ見ると……こう。2018年初の森林限界越えです。

唐松岳以来、久々に2500mを超える山へとやってまいりました。
特徴的な五丈石がすぐそこに見えますが、登りはまだ続きます。酸素の薄い、岩の多い稜線を一時間掛けてゆっくり山頂へと進みます。

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稜線上はこんな感じで、雪の残っている箇所もありました。
高地では4月はまだ、冬の影響が残っている時期ということですね。

出すのが面倒だったのでアイゼンなしで登ってしまいましたが、なかなか怖い。
滑ってもハイマツが受け止めてくれそうですが……。

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稜線に出てから1時間ちょっと。ようやく金峰山の山頂へと到着です。

金峰山〜瑞牆山荘

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山頂付近にあるのが、人の手で積まれたんじゃないか、と思ってしまう五丈石。
遠くからもその姿を確認できますが、近くで見てみるとこんな感じなんですね。

時々登っている方もいましたが、こう見えて五丈石よりも山頂の方が標高は高いので、そちらに登ることを優先。

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岩をかき分けて山頂へ。
標高2599m、木曽駒ヶ岳、唐松岳に次いで今まで登った中では3番目に高い山になります。

富士見平からの標高差は800mほど、行動時間はここまで4時間弱。
距離自体は僅か5kmほどですが、数字以上の疲労感があります。高地での運動は、低山とは全然感覚が違いますね。

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この圧倒的な展望も、低山とは違う感覚。
金峰山は周りに高い山がなく、360度全てを見渡すことができます。

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見飽きることのない大パノラマ。達成感もひとしお。

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いつまでもここにいたい気分ですが……、ちょっとガス欠の予感がしてきたので、一旦五丈石付近まで降りてしまいます。
空腹を感じたので、予定外ですがここで食事にすることに。

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さっと食べられるもの、ということでパスタを選択。
アルファ米は時間掛かりますからね。そういえばこのシリーズ、いっつもお湯入れすぎてスープパスタになってるんですよね……。こういうものなのか、それとも失敗してるのか。

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予定以上に頂上付近で長居してしまいました。名残惜しいですが、早めに帰りたいのでそろそろ下山。
今まで残雪や凍結のあった箇所に合わせて、再度アイゼンを付けて降りていきます。

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稜線や凍結のあったあたりを抜ければもう安心。
陽に照らされて、往路とはまったく違う表情になった登山道が。
朝の神秘的な雰囲気から一転、穏やかな尾根道です。

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山頂からは2時間半ほどで富士見平に戻ってきました。ピストンなので写真は省略。
前日からの疲労がピークに来ていますが、撤収のためテントを片付けます。

ザックに荷物を全部詰め込んで、さて出発……と顔を上げたら山桜が咲いているのが見えました。
この子、昨日は咲いていなかったと思います。春が昇ってきました。

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水場で最後の一杯を補給したら、瑞牆山荘まで一気に下ります。
登りでも感じましたが、ここの道は乾いていると結構滑りやすいですね。

そんなこんなで30分足らずで富士見平から瑞牆山荘へ到着。
そこからバスに揺られて韮崎駅へ、韮崎駅からは臨時便のホリデー快速でゆったり都心まで。

ベースキャンプ型だから雲取山より楽だろう……なんて甘く見てましたが、実際には二座登る今回の方が遥かに大変。考えてみれば、二日連続で山に登ったのは今回が初めてでしたね。
肉体疲労は久しぶりに翌日まで続きました。

今回の反省点

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前回の反省を踏まえて水は少なめ、行動食は脂質だけでなく糖分も摂取できるようにスポーツようかんをプラス。
肉体疲労に効くと噂のゼリー飲料も持って行ったり。
二日間の山歩きでも疲れ知らず!ということはなかったので効果のほどは不明ですが、疲れた時に甘いものを食べると元気が出る気はします。
ナッツ類は腹持ちは良いのですが、気分のリフレッシュにはなかなか繋がりません。行動食にもバリエーションがあると飽きなくて良いですね。

衣類の方も前回一度も使わなかったダウンジャケットを、化繊のダウンベストに入れ替え。
日没から一気に冷えた時はちょっと焦りましたが、それでも今回の装備で事足りました。
好天に恵まれてのテント泊なので、天気が崩れた日の夜などはどうなるかわかりませんが……。

今回使わなかったもの、といって思い浮かんだのは箸くらいのものでした。メニューにラーメンがなければ箸は要らないかもしれませんね。
他は緊急時用のものを除いて、大抵一度は使っていると思います。

広角レンズは欠かせませんが、今回は星を撮らなかったので三脚の出番はあまりなし。
今後は天気だけでなく、月の満ち欠けもチェックが必要そうですね。

月別アーカイヴ

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