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燕岳〜常念岳:秋雨前線真っ只中

2018年09月27日2023年10月08日登山:日本アルプス

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

2870m

標高差

1547.0m

累積標高(登り)

2236m

累積標高(下り)

2361m

行動距離

24.19km

行動時間

13時間34分

コース定数

55.5

アクセス

往路:~JR新宿駅>高速バス 新宿-白馬線 安曇野穂高BS>安曇観光タクシー 中房乗合バス 中房温泉BS
復路:タクシーで穂高駅まで移動>高速バス 新宿-白馬線 バスタ新宿南口BS
9月の連休前後に、念願のアルプス縦走を果たしてまいりました。 燕岳から常念岳までの表銀座縦走。その気になれば1泊2日で行けるコースですが、テントを担ぎながらの登山は久々だったので無理をせず2泊3日で歩くことに。

……が、生憎の雨模様。
台風こそ来ませんでしたが、見事に秋雨前線の真下にテントを張る羽目に。
初のアルプス縦走は、同時に初の悪天候テント泊でもありました。

0日目:中房温泉に前泊

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今回は初日に中房温泉登山口から燕岳へと登り、二日目は表銀座の稜線を歩き、三日目に常念岳から一ノ沢登山口へと下山するプランをベースに計画を立てました。
若干余裕のあるプランを基準に、天候や体調に合わせて柔軟に対応できるようにしようかな、と。

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新宿から高速バスで穂高駅へ。
今回の前泊地である中房温泉へはここからさらにバスに乗ることになるのですが、少し時間があったので昼食を摂ることに。

駅前の、ちょっとお洒落な感じのカフェでランチ。
ハーブの香りが効いた、オーガニックで丁寧な感じの味。美味です。

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小一時間ほど時間を潰してバスに乗り、中房温泉へ。
燕岳の登山口がある中房温泉ですが、温泉だけでなくキャンプ場でもあるんですね。
幕営料は1泊700円ほど。自前のテントでコスパ良く前泊しつつ、温泉も頂けちゃうという。

テン場は整地されていて設営もしやすく、水場も近くて至れり尽くせり。
なんだこの前泊……、最高じゃないですか。

一日目:燕岳

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夜に少し降った雨を払いつつ、テント撤収。
登る前から既に雨にやられて、先が思いやられますが……。
起きた頃には既に雨は上がっており、また予報によると夜まではこのまま降らずに曇り空が続くそうなので、当初の予定どおり燕岳への登りを決行。

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中房温泉から登る合戦尾根は、北アルプス三大急登にも数えられる標高差1200mの登り道。
テントの重みに耐えながらの序盤の樹林帯の登りがしんどいですね。

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まだ若い松ぼっくりが落ちていました。
茶色のやつしか見たことなかったのでちょっとびっくり。なんかクリーチャーっぽいですね。

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時々こんな感じの平坦な道も。
急登とは言うものの、登り返しはないので身体が温まってくれば大丈夫。

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振り返るとお向かいの山が。
案の定雲は多いですが、こうやって山が見えると少し嬉しいですね。

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疲れが出てきた頃にようやく合戦小屋へ。
途中で序盤に着ていたレインウェアを脱いだり、小刻みに休憩は取っていたのですが。ちょっとこの日は早めに疲れが来る感じだったので、このあたりで少し長めの休憩を取ります。

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スイカとかあるからね!
天気がダメならそれ以外は全部楽しんでやろうっていう。

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30分ほど休憩を挟んで再び登ります。
合戦小屋を境に木々の背が低くなってきて、アルプス登ってる感が出てきました。

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雨に濡れたナナカマドの実を撮りながら。

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ハイマツも見えてきました。
晴れてたら気持ちいいんだろうなー、でもご覧の通りガスまみれ。

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唯一のクサリ場はこんな感じ。
左側が少し切れ落ちてますが、足場もしっかりしていて高度感もないので大丈夫。
ここ以外には危険を感じる場所もないので、安心して登れます。

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色の変わり始めた葉に雨の雫。
紅葉の時期に涸沢カールとか、行ってみたいですね。

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と、登っていると突然燕山荘に到着します。
ガスってると前触れなくテントが現れるので、ちょっと笑える。

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というわけで到着!
10時ちょうどに着いたので、このまま先に進めそうな気もしましたが……。
翌日は雨で、その翌日は晴れるかも、という予報。
このまま先に行ってしまうと、明後日の朝日は下界で拝むことになりかねん。ということで、早いですが今日はここまで。

出発したのが6時ごろだったので、休憩も含めて4時間ほどですね。
周りのペースが早めだったのでもっと掛かってるかなと思ったのですが、思ったより早いペースで登っていたようで。

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有名な燕岳の稜線は……、残念ながらガスに隠れてあまりきれいに見えません。

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西側もこんな感じで……雲ばっかり。

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待っていても晴れてくれそうにないので、まずはテント設営。
前日から泊まっている方を除いて、この日は私が一番乗りでした。

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飯じゃあ!
噂の燕山荘のカツカレーを頂きます。
標高が高いのに、ちゃんとお米は芯も残らずに炊けてます。カツがサクサクで美味。

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めっちゃのんびりしたところで、ようやく燕岳の山頂へ。
ここまで来てピークを踏むことを忘れかけてる自分がいます。

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噂の奇石はこんな感じで。
これだけガスってると情緒もへったくれもない。

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穏やかな稜線歩きが続きます。
晴れてたらほんと最高なんだろうなぁ。

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というわけで山荘から約30分、山頂に到着です。
のんびり歩いても30分、危険な箇所もないので手ぶらでも行けそうな。

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狭い山頂でのんびり、展望ゼロのガスを満喫してから下山です。

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多分、また来るよ。次は天気の良い日にしよう。

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小屋に戻ったら、天気の鬱憤を晴らすべくスイーツタイム。
景色を楽しめない分、山小屋で贅沢の限りを尽くしてやる!

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もういっちょスイーツタイム。
……スイーツ?

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テントに戻ってゴロゴロ、うとうとしていたら日も暮れて。
そろそろ寝るかなー、と思ったタイミングで何やら外から声。なんでも、今なら燕岳の山頂が見えるとかなんとか。
そんな馬鹿な、と思って顔を出してみたら……マジだ。

晴れているわけではありませんが、見えました。
あぁ、来た甲斐があったね。

そんな感じで撮りまくっていたら雨粒が。
最後の一枚を撮ったところで本降りになったので、慌ててテントに戻ってこの日はお休み。

予報は怪しげでしたが、行動中に降らなかったので良かったですね。

二日目:燕山荘〜常念小屋

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二日目は待ちに待った表銀座縦走コース……ですが。
昨晩からの雨は少し待ってみても止む気配がなく。

雨が穏やかになる瞬間を狙ってテントをザックに突っ込み、泣く泣く雨天の縦走開始です。

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レインウェアを着ていても、アンダーウェアまでびっしょり濡れるほどの雨。
着方が悪かったのかもしれませんが……。
カメラバッグの中に水たまりができるほどの雨で、ほとんどカメラを取り出すこともなく黙々歩きます。

燕山荘から大天荘までは、一度下ってから登り返す道。
これが意外とキツい。途中にトラバースと鎖、梯子に岩場がいっぺんにやってくる箇所があったり。
悪天候の日はそこが一番の難所ですね。

でも最後の500mのガレ場が一番キツかったかなー。
雨で景色も真っ白だし、カメラ遊びもできないし。

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身体が冷えてしまったので、大天荘でかなり長めの休憩を挟んでから常念小屋に向かいます。
ここからはほとんど起伏もないので、前半で消耗した体力でも問題なく歩けました。

途中、登山道を雷鳥さん達と一緒に歩いたり。
多分この子達、私から逃げようとしてるんですが……。律儀に登山道を歩くので、雷鳥と隊列組んでのパーティー登山状態になってました。

常念小屋に着いたらすっかりお疲れ。
悪天候登山は身体よりもメンタルに来る感じがありました。

そんな私を見て、道中一緒になった方にお酒を頂いてしまったり。
あー、山でお会いする方は温かいなー……。

ロクな着替えもないのにウェアはびしょ濡れ。
やっぱ大人しく下山しちゃった方がよかったかなー、なんて思いつつ、濡れたものを片っ端からテントの中で吊るして、干しながら二日目を終えます。

が、奇跡は起こる。

三日目:常念岳〜一ノ沢登山口

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夜間は雨足だけでなく風も出てきて、テントが揺れる恐怖を味わいつつ。
眠りが浅いなーと思いながらウトウトしていたら、外から話し声が。

こんな天気の悪い日に日の出登山っすか……と思ったら、晴れてんじゃねーか!
思わず跳ね起きて、カメラと三脚を掴んで外へ。

そこに広がっていたのは、満天の星空でした。

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星を撮ったり、次第に明るくなる東の空を撮ってみたり。
雨の中こっちまで来た甲斐があったね!(前日と言ってることが真逆

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登ってから一度も見ることのできなかった太陽の光を、ついに拝むことができました。
奇跡だ……。

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朝の一番美味しい時間をカメラ遊びに費やしてから、まだ登っていない常念岳にお出かけ。
何気に常念小屋から常念岳まで、400mほど登ります。しかも全部ガレ場。
浮石多めなので油断は禁物。片道1時間くらいなので、さすがに手ぶらは厳しい。

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山頂は団体さんの記念写真でめっちゃ混んでました。
狭いので浸る間もなく、さっと写真だけ撮って下山。

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日が昇ると雲も出始めましたが……、この雲の中に槍ヶ岳があるはず。

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山頂の待ち時間も含めて、往復2時間くらいでさくっと下山。

降りたら前日にご一緒した方にタクシーの相乗りを誘って頂いたので、さっさとテントを片付けて撤収します。
昨日に引き続き、何やら色々と良くして頂いてしまって……本当にありがたい限り。
私もこう、山で出会った人に何かをしてあげられるような懐の深さを持ちたい。

ちなみに一ノ沢登山口にはバスは停まりません。
下山時にタクシーの予約が必要で、山荘の方で受けて頂けるようなのでお忘れなく。

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下山ルートは結構長いです。常念岳の山頂から数えると1500mくらい下ることに。
危ない箇所はないんですが、縦走の疲れと下山の疲れが事故に繋がらないようにだけ注意。

前日までの雨で、登山道にはちょっとした水の流れができていました。
時々渡ることになる沢も結構水量が増しているように見えます。

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疲れたら立ち止まって花でも撮るんだ。

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最後は沢沿いを歩いておしまい。
もう少し流れが穏やかな日に、NDフィルターでも持って歩けたら最高だろうなぁ。

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そして、三日間の旅を終え下山。
タクシーに乗りながら安曇野の町に戻ってくると、安堵と僅かな寂しさが。
しばらくテント泊はいいかな、なんて思いつつも後ろ髪を引かれる感じがありますね。

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穂高駅前の観光案内所で、バスが出るまでの間に行けるお風呂を案内して頂いちゃいました。
微妙なコースタイムだったのですが、汗を流してから帰れる最適解を見つけて下さってめっちゃ感謝。

そうして無事に新宿行きのバスに乗り、小仏トンネル35kmの渋滞の洗礼を浴びて帰宅。
前泊込み3泊4日のテント泊は疲れましたが、色々なものを得て充実した山歩きでした。

初めての悪天候テント泊ということで、色々と反省点というか発見がもありましたが、それはまた後日。

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