新曲公開:Dichromatic Lotus Butterfly 2018

2018.12.23 音楽

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先日も書いた通りMacを買い替えたので、新環境でのDAWやプラグインの動作確認と、HR/HM系のミキシング自体が久々なのでリハビリも兼ねて昔作ったアレンジの再ミックスをやってみました。
2016年にリリースしたSeven Wonders Of The Lotus Landから二色蓮花蝶のアレンジで、Dichromatic Lotus Butterfly 2018です。

新環境での動作確認

Mac Pro 2010からMac mini 2018に移って最初のミキシング。
問題なくプロジェクトファイルを読み込むことができるのは既に確認済みだったのですが、意外と見落としてることもあるんじゃないかと思いまして。そんなわけで昔のHDDからミキシング用のプロジェクトを引っ張り出して改めて混ぜてみることにしました。

生録中心のミックスにお勧めのVSTプラグイン

プラグインの構成は先日の日記の通り。ただ、入れ忘れてたことに気づいたのがいくつかあったので追加しています。
FluxのElixirと、Brainworxのbx_stereomakerでした。

前者はドラムのタムに挿したりして、突発的なピークがあった時に抑える用途。
普段はリダクションさせず、異常なピークがあった時だけ動作するように設定しています。
後者はベースのステレオ化に使っていて、インサートせずに送りでステレオ化した音を(リニアフェイズでHPFとかLPFとか掛けながら)原音に混ぜたりしてたのを思い出しました。

全部のプラグインは mojave + Cubase 10 環境で問題なく動きました。
mojaveに移行するのに色々とお布施もといアップデートは必要ですが、大抵のプラグインは安定して動くみたいですね。

肝心なマシンパワーの方は……体感できるほどではなかったです。
今までの環境の時点でマシンパワーに頼らず、過度な負荷を掛けないようにしていたのが大きそうですね。

今回の方向性

実はこの曲を収録したアルバム、ミックスに結構悩んだ一枚でした。
空気感も欲しい、でも近年のメタルらしい分離感とパワー感も欲しい。色々悩んだ結果、分離感とパワー感の方に寄って、立体感みたいなのはちょっと控えめになっていました。

ハイファイでパワー感もあるので、以前の方が好きっていう人も結構いるんじゃないかなーと思いつつ。
今回はせっかく音圧を詰めなくていい環境で聴かせられるので、分離感よりも上下と前後の厚みの方を重視したミックスになりました。

このあたりは2年前?との音の好みの変わり方が出てますね。
iTunesとかでCD収録版と同じ音圧で聴き比べてみると、目指すものが変わってきているのが見えてくるんじゃないかと思います(何

そんなわけで、今回は録り直したトラックとかは無し。CDに収録した時とまったく同じものを使っています。
プロジェクトファイル自体は昔のものを流用したので、面倒くさいルーティング作業がいらなくて楽でした。

プラグインを一旦全部外して音量バランスだけ整えて、バランスの悪いところから補正していくような感じで手をつけていきます。

ドラム音源

ドラムはいつものToontrackのMetal Machinery。
出てからそこそこ時間も経ちましたが、スラッシュメタルを通ってきた人間としてはMetal Machineryに勝るシャープなメタルドラム音源はないと言わざるをえない。

Metal Machineryは本当に面白いくらいRawな音が収録されていて、しかも「とりあえず立てた」んじゃなくて何に使うかの意図が明確なマイキングなので、どのマイクを使うかも含めて悩むところ。
欲張って全部使おうとせず、必要なものだけを選択して最小構成で目的の音に辿り着くように色々考えてみるのが良いと思います。

ドラムのミキシング

現役当時とあんまり変わってないですが、HPFの位置が以前より下がって、特に金物の低域もある程度出すようになりました。
分離感を出すなら切りまくった方がいいんですが、下まで出てる方が音の厚みはありますね。一長一短。

金物は不要な上と下をHPFとLPFで切って、スネアの被りをEQでちょっと削っておしまい。
皮モノはFabfilterのPro-C2をパラレルで挿して音を締めつつ、EQで不要な部分を削って。上の伸びが足りないかなーと思ったら適当なモデリングEQで伸ばしていきます。あとはOxford TransModでアタック感をちょっと強調してやるくらい。

今までブースト用途のEQはUADに頼ってたので、今回はどうするか悩みました。悩むといっても他に選択肢がなかったのでWavesのPultecっぽいやつとNeveっぽいやつを使っています。
UADに慣れてると、WavesのモデリングEQはマウス操作がすごくやりづらいですね……。

混ぜるアンビの数が現役の頃よりも増えていって……、スネア専用に2つと全体に3つ。分離感の良いミックスからは遠ざかっていきます。

ベースのミキシング

KemperのRigの方を使いたいなーとも思ったのですが、結局CDに収録した時と同じHartkeのキャビのIRを使いました。
プロセスは割と面白みがなく、SuprEsserで近く聴こえる帯域を削りつつ、不要な上下の帯域をフィルタリングして、上と下を切ったbx_stereomakerをパラで混ぜておしまい。
あとは、最終的に他の楽器と被ったらEQでそこだけ削っていきます。

ギターのミキシング

ギターはいつもどおりです。
SuprEsserで要らない部分を削ったり、ブリッジミュートの時に盛り上がる部分を押さえたり。最初はDynamic EQでやろうとしたんですが、これは何か違うかも……と思ってSuprEsserに切り替えました。
マルチバンドコンプをDynamic EQとして使うのと、Dynamic EQを使うのはちょっと違いますね。前者を使った方がイメージに近かったので、SuprEsserに戻ってきました。
EQ処理の方は、2mixを曇らせる帯域を一箇所見つけてEQで削るくらい。

あとは秘伝のM/Sプロセスですね。Ozoneのマルチバンドステレオイメージャーで帯域別にM/Sプロセスしてから、M/S EQで細かい部分の調整。

主旋律とシンセ

このあたりはもうざっくりと説明する程度で。
今回はギターが主旋律なのでSuprEsserでバッキングと近い処理をしつつ、Mono To Stere系で左右に広げたり、TrueVerbでERを足したり。あとはディレイとリバーブ。
そういえば今回はリバーブ、IR-Lと2CのBreezeしか使ってないです。Lexiconは選んでみて、なんか違うなーと思ってやめた形跡が何度か。

シンセは上と下を切ってリバーブを足すくらい?
必要に応じてERとかディレイとか足したり。あんまり書くことないですね。

締め

再ミックスものはあんまり需要もなさそうですが、ミキシングの感覚が鈍ってくるようなタイミングで時々やってみようかなと思います。
こういう曲は録るのにとにかくエネルギーが要るので、多分今後新しく作ることはあんまりないんじゃないかなーと思いますが。

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