乾徳山:渋滞必至の鎖場ツアー
2019年06月23日2023年09月30日登山:奥秩父・大月
登山情報
GPSログ
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コース情報
- 標高
2031m
- 標高差
1194.0m
- 累積標高(登り)
1207m
- 累積標高(下り)
1200m
- 行動距離
10.34km
- 行動時間
5時間16分
- コース定数
25.4
アクセス
往路:~JR中央本線 塩山駅 > 山梨交通 窪平・西沢渓谷線 乾徳山登山口BS
復路:山梨交通 窪平・西沢渓谷線 乾徳山登山口BS > JR中央本線 山梨市駅 ~
朝イチのバスから終バスまでの時間がコースタイムとほぼ同時で、しかもバス停から山頂までの標高差は1000m。行動距離も10kmほどと、慣れないうちに登るべき山とは言い難いものがあります。
有名な鎖場も初心者がいきなり登るにはやや難易度が高く、また高度感のある岩のトラバースなどもあり、まだまだ高尾〜陣場ばかり歩いていた当時の私に山の厳しさの片鱗を教えてくれた山でもありました。
そんな乾徳山へのリベンジ登山。
山頂直下の鳳岩の突破こそ果たしたものの、今回はそういった技術的な難易度とはまた別の点から、この山の難しさを知ることとなった山歩きになりました。
乾徳山登山口〜扇平
甲武信ヶ岳や笠取山と同じく、朝一番の塩山発西沢渓谷行きのバスに乗って乾徳山登山口BSへ。
軽く身体を動かしてから登山口へと向かいます。
林道をしばらく歩いた先には登山口の看板が。
3年振り、ここに戻ってきたんだなぁという実感が湧いてきます。
国師ヶ原まではひたすら登り。前半はユルめですが、後半は結構キツい感じの急登に。
国師ヶ原に着いて、ようやく乾徳山の姿が見えてきます。
こうして見るとまだまだ、先は長いですね。
十字路になっていますが、鎖場を目指すなら直進です。
が、その前に左手にある避難小屋でトイレ。
今回初めて中を覗いてみましたが、結構綺麗ですね。
そこからまた暫く登っていくと、奥秩父らしい感じの草原エリア、扇平に到着。
鹿が遠くからこちらの様子を伺っています。
105mmではこれが限界。警戒心が強いのか、結構遠くからこちらを見ていました。
扇平〜乾徳山山頂
ここまでで既に800mくらい登っていて、ひと息つきたくなるところですが。今回は早めの登頂を狙って割と早めに出発。
……これが割と正解でした。
扇平から少し進むと、登山道に岩が混じるように。
この土と岩の混じった感じは、何となく奥秩父っぽい気がしますね。瑞牆山とか。
そしていよいよやってきた難所エリア。
まずは岩のトラバースからの梯子。足場はしっかりしてますが、鎖がなく高度感もある方。
まぁ、落ち着いて渡れば大丈夫です。
間髪入れずにカミナリ岩の鎖……なのですが。何か列ができているなぁと思ったら、団体様がロープ垂らして鎖場講習とかやってました。
一本道の鎖場で簡易ハーネスとか着けて確保の練習とか、なかなかクレイジーですね……。
露骨に慣れてない感じなので、普通に登るよりも時間掛かってます。
もちろん団体様なので、後ろにどれだけ列ができても道を譲ってくれたりはしません。
登る側が鎖を握りしめて離さないので、下山する側は鎖を使わずに降りることに。なかなか酷い光景です。
そんな団体が登り終えるのを待つこと20分、ようやくロープの撤収まで終わったので我々も登ることに。
そして最後の鳳岩。
アングルが雑なあたりで察してください。まだ先ほどのツアー組がロープ垂らして何かやってました……。
さすがにこれを待っていると言葉通り日が暮れかねないので、先に登らせてもらうことに。
そんなわけで鳳岩、何の感慨もなく登ってしまいました。
初めて見たときはなかなか手強そうに見えましたが、実際に難しいのは最初の一〜二歩だけ。序盤だけは足の置き場に悩みますが、それを越えてしまえばあとは普通の鎖場と変わりません。
鳳岩を越えればそこが山頂。
この日は山頂に到着した時間帯だけ曇りという何とも言えない天気で、しかものんびりしていたら団体に山頂を占拠されて楽しくなさそう。なので滞在時間も短めに、早々と下山することにしました。
ごつごつした岩の山頂。
狭くはないですが、キャパシティはさほど大きくはありません。
帰りは迂回ルートで鳳岩の鎖場をスルー。普段からここは混んでるので、鎖を使って降りるのは難しいと思います。
山頂裏手からはカミナリ岩も含め鎖場を経由せずに降りられるルートもあるのですが、そちらは破線扱い。
以前歩いた時は苔でかなり滑りやすかったり、所々踏み跡がなかったりとやや難しいルートという印象でした。
帰り際に鎖場の方を覗いてみるとこんな混み具合。この日、私より少し遅い人はこのあたりで1時間待ちだったようです。
山頂手前の開けた場所で昼食ののち下山。
カミナリ岩でもツアーの方とすれ違いましたが、こちらのガイドさんは気配りできる良い方だったので、特に詰まることもありませんでした。
ツアーはガイドの方次第ですね……。
少し早めのペースで降っていき、最終バスまで1時間ほどの余裕を残してバス停に戻ることができました。
普段と比べてもそこそこ早いペースだったのに、それでも1時間のバッファしか作れなかったのはなかなか厳しいですね。
というわけで、大混雑の乾徳山。公共交通機関を利用して登ると、ツアーと鉢合わせた時は非常に厳しそう。
少しでも巻いて進みたい場合や、体力に自信がない方は、往路はタクシーを使って早めに向かった方が良さそうです。
まぁ、カミナリ岩で鎖場講習ツアーにハマらなければ、そこまで苦戦することもないとは思うのですが……。
写真の撮れ高でもわかってしまうくらい、モチベーションの下がってしまった山歩き。
ツアー会社による私物化が続く限り、この山に登ることはないんじゃないかと思います……。
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