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【北アルプス】爺ヶ岳〜鹿島槍ヶ岳:晩夏の稜線を、運を味方につけて歩く

2020年09月13日2023年09月30日登山:日本アルプス

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

2889m

標高差

1550m

累積標高(登り)

2635m

累積標高(下り)

2642m

行動距離

25.31km

行動時間

13時間16分

コース定数

59.4

アクセス

往路・復路ともに:〜扇沢BS
一ヶ月ほど放置してきたこのブログを突如更新し始めたのは、他でもない。この日記を書くためだ。 ……というのが誇張でもないくらいの、最高の山歩きを堪能してまいりました。

7〜9月といえば3000m級の高山のハイシーズン。
毎年、このあたりに狙いを定めて休みをとってはどこかに登ってきています。
2017年は木曽駒ケ岳と唐松岳。
2018年は甲斐駒仙丈と燕常念。
2019年は天候に恵まれず立山のみでしたが、2020年は……といったところで、去年に引き続きの長梅雨ですよ。
病禍に梅雨に、本当に今年は良いことないですね。

休みを取るタイミングも微妙に逃し気味で、9月に入ってからの登山になってしまいました。
9月は高山では紅葉の始まるタイミングでもありますが、実は梅雨の6月以上に雨の降る日の多い月でもあり。
今回も二連続の台風に包囲され、直前まで天候の優れない状況ではありましたが……意を決して登ってまいりました。
鹿島槍ヶ岳です。

扇沢〜種池山荘

9月初旬のとある週半ば。直前まで天気が読めませんでしたが、分の悪い賭けではありつつ「行動中は降らない」という読みに賭けてテン場を予約。
登山口のある扇沢が終点というベストな夜行バスの席をゲットして、夜中の新宿から北アルプスへと向かいました。
ちなみにバスタ新宿発だと思ったら違ったので、めっちゃ焦りました。

そんなわけで乗客は私を含めて僅か2名。バスに揺られてやってまいりました扇沢。
新宿でバスに乗って、寝て起きたら登山口。今まで深夜バスはあんまり使ってこなかったけど、これはかなりアリなのでは。
実は割とギリギリまで朝イチの新幹線+バスで行く計画を立てていたのですが、それだとテン場に着くのが割と遅くなり、午後から崩れるという天気予報と照らし合わせると不安が残る内容だったため、急遽予定を変更してこのプランに。

扇沢から少し降って登山口へ。
まだまだハイシーズンのはずですが、週の半ばで天気予報も芳しくない。ハイカーの姿はまばらです。
同じバスでやってきた方と、同じ方向ですねと言葉を交わしつつ淡々と登っていきます。

序盤は樹林帯。
町の方は晴れ間も見えますが、このあたりは分厚い雲に覆われて……あぁ、降らないというだけで、結局ガスまみれの虚無の山歩きかな。
前回の八ヶ岳を思い出してしまう。

なんかでっかい滝のようなものが登山道から見えるんですが、雲に覆われていてそのスケールを正確に伺うことはできず。

でも全体的には登りやすい道かなぁ。
危ない場所もほとんどなくて、あってもこうして山荘の方が看板で注意喚起してくれる。

そこそこ標高を上げてきた気もするけど、すっかりガスの中。
やっぱり確定で晴れ予報じゃないとダメかなあ。

柏原新道は、序盤はしっかり登るものの中盤からはかなり平坦。
この水平道の看板が出たあたりから、名前の通り水平な道をのんびり歩きます。

一箇所、崩落の痕跡のある場所を通ります。
ここは石の崩れる音に注意すればいいのかな?

最後にくいっと再び標高を上げて、種池山荘に着きました。
ここからは稜線歩き……のはずなのですが、ご覧の通りガスガスで、しかも風が強い。
一瞬撤退も考えるレベルでしたが、少し待っていると嘘のように風が止んだので出発です。

種池山荘〜爺ヶ岳〜冷池山荘

こんなガスまみれなら巻いてしまっても良いのですが、爺ヶ岳。
前回の八ヶ岳の教訓から、「登れる時に登っておく」ということでピークを目指します。

目指したからなんだ、という感じですが。
とりあえずピークハントには成功しました。

爺ヶ岳は南峰、中峰、北峰に分かれているので、このまま中峰を目指します。
比較的歩きやすいハイマツの稜線……なのですが、ご覧の通りガスガス。
割と先の方まで見えるのが唯一の救い、といった感じ。

中峰にやってまいりました。
なんもねぇなあ。完全な虚無登山。
燕常念といい、先日の阿弥陀岳といい、私のテン泊縦走ってこんなんばっかり?

まぁ歩けることは歩けるので向かいますよ。
今日の宿、冷池山荘まではここからもう少し先。

少し標高を下げて、樹林帯っぽいところを歩いたりもします。

冷乗越にやってまいりました。
山荘までもうちょっとかな。

一瞬、ガスが薄くなったような気がして写真を撮ってみたのだけど……、こうして見てみると虚無ですね。

というわけで歩いて歩いて、冷池山荘に着きました。
受付を済ませて、説明を聞いたらテン場に向かいます。

テン場までは地味に距離がある。
ちょっとした登りもあって、あんまり頻繁には往復したくないなあという感じ。
トイレや水、アルコールの購入はなるべく一度に済ませたいところですね。

誰もいないテン場で設営を済ませて、のんびり遅めの昼ごはんを食べていたら……何やら背中が暑い。
この日は、登山道はガスまみれでしたが時々雲の切れ間から直射日光が当たっていたので、それだろうなあと思って振り返ってみたら……。

えっなんですかこれ。
合成か何かですか、と言いたくもなる光景が背後に広がっていました。
思わず転倒しそうになるくらいの、予想外の展開。

さっきまで真っ白だったのに、いや鹿島槍方面は時々ちょっと青空も見えましたが、まさか雲が切れてこんなことになるとは。

あの白い筋、劔の氷河ですよね。
予報は芳しくなくて、一瞬でも晴れ間が見えればそれでOK、くらいの気持ちで挑んだ今回……いい意味で予想を裏切ってくれました。

冷池山荘〜鹿島槍ヶ岳〜冷池山荘

阿弥陀岳の反省を活かして、「登れる時に登る」。
慌てて昼食を掻き込み、設営を終えて軽くなったザックに最低限の荷物だけ放り込んで鹿島槍ヶ岳へ向かいます。
この写真はなんだか天気悪そうですが……、テン場からあの稜線が見えるっていうのは十分良い天気ですからね?

色々掻き分けて進んでみれば、青空とハイマツの稜線。
出発が遅かったので、コースタイムと日没の時間も計算に入れないといけない際どい時間帯ですが。
タイムリミットと、降ったら問答無用で帰ることを頭に入れて進みます。

右手の方からガスが追い上げてきますが、辛うじて空は見える。
山の向こうには日本海だって見える!

なだらかな稜線。難所と言えるような難所はなさそうな。
つまり、ここを越えれば鹿島槍ヶ岳の山頂ですよ。

振り返ればこれまで歩いてきた、布引山の稜線が。
そう、これが見たくてテント担いでアルプス登りに来てるんだよなあ。

もう少し、あともう少し。
テントの設営を終えた時点でもう休む気満々だったので、突然叩き起こされた身体が悲鳴を上げていますが……。
でも、再び天気が崩れる前にあの山頂まで登りたい。

迫る山頂、ゴールはすぐそこに。
振り返れば雲ももうそこまで迫っています。山頂より前であれに巻かれてしまったら、これまでの苦労が台無しになってしまう。

間に合いました。
鹿島槍ヶ岳の南峰、雲に巻かれる前に到達することができました。
標識の間から見える劔も、まだ雲に覆われてはいないみたい。

……さて。
鹿島槍ヶ岳には、南峰と北峰があるんですよね。
下から見た感じだとゆるゆるの尾根歩きで北峰まで行けそうな感じでしたが……。

そんな道がどこにあるというのか?
っていうか道、あります?
断崖絶壁っていいませんかこれ。

ああ、どうしてだろう。
1時間近く巻いて、時間に余裕あるし……とか言って、北峰の方に降りちゃった。
ある程度の高さまで降りてから振り返ってみたら、こんな景色ですよ。
ここを降りてきたの!?って、思わず悲鳴が出たほど。

南峰から北峰は緩やかな傾斜と吊尾根、なんて解説を見かけましたがそんなの嘘ですね!
鎖はないので、岩場の降りに慣れていないとそれなりに怖いと思います。
この日はガスもあって、底が見えなかったから尚更かな。

天候はどうだろう?
爺ヶ岳が雲から顔を覗かせてる。なかなかかっこいい。

北峰に登ってきました。
標識は無残にも地面に転がっていて、つい撮り忘れちゃった。
でも一応、これが北峰から見える世界ですよ。

心配していた天候もこの通り。
予報では午後から雨だったんですが、降らせそうな雲は見当たらないので運が良かったかなと。

さて降りますよ。
降りるといってもあの絶壁を、こんな感じで登り返すんですが。
空が見えてると若干恐怖感も薄れるというか。登ってみたら、先日の阿弥陀岳よりは精神的には余裕のある岩場でした。

こちらは鹿島槍ヶ岳より先。今回の山歩きの、もうひとつの候補になっていた五竜岳。
バスの接続が芳しくなくて見送ったのですが……夜行バスだったら関係なかったかな。
右手には八峰キレットと、キレット小屋も見えます。

帰り道。
やや遅い時間なのに、登ってきた時よりも雲が切れて景色が良いくらい。
北アルプスのこういう稜線を歩くのが楽しみだったんですよね。

ある程度標高を下げたらガスに巻かれてしまいましたが。
最悪の予報から比べれば、山頂が晴れていた時点で大勝利みたいなもんです。

冷池山荘〜爺ヶ岳〜種池山荘

行動中の好天の反動を受けて、激しい雨と風にビビりながら一夜過ごして翌朝。
思ったより遅い時間に目が覚めたなあとテントから顔を出してみれば、この景色。

まさかの日の出チャンスですか。
でもこれだけ雲が多いとなあ。

とりあえずご飯食べよう。
昨日は予想外の長時間行動でお腹が減らずに、夕食を抜いてしまったので。

とか言ってたら日の出ですよ。
雲多かったからあんまり期待してなかったんだけど。
これだったらタイムラプスも撮っておけばよかったなあ。

稜線も見事な赤紫色。
日帰りでは見ることのできない美しい光景。

再度鹿島槍を登るプランもあったのですが、この清々しい朝日を前に私の心は決まっていました。
降りて、風呂に入ろう。

またガスに巻かれる前に、晴れている爺ヶ岳の稜線を歩こう、っていうと聞こえがいいですね。

これだけ晴れてるなら、登っても良かったかなあ……ともちょっと思ったんですが。

というわけで冷池山荘を後にして、爺ヶ岳へ登り直します。
昨日の疲れもあるからキツいかな?と思ったけど、それほどでもなかった。

富士山だって見えちゃう。
初日も二日目も、午前中は雨は降らなさそうという予報でしたが。まさかここまで晴れるとはね。

夏のコントラストの強い日差しのおかげで真っ黒ですが、青空を背に最高の稜線歩き。
燕〜常念では味わえなかった、晴天下の北アルプスの稜線を私は今歩いている!

爺ヶ岳の中峰から、鹿島槍ヶ岳を振り返ってみる。
この時間はまだまだ、ガスもなくて登山道が遠くからでもよく見えますね。

中峰から南峰へ。
下山するだけなら巻いてもいいんだけど、これだけ晴れてるのにピークを目指さない理由はないよね。

というわけで、着きました。
この頃にはじわじわと、冷池山荘から布引山への稜線にガスが昇り始めているのが見えます。

でもこっちの方は大丈夫。
ここから種池まではこんなになだらかな道が続きます。

何というか、ハイジって感じ。

鹿島槍方面は、あっという間に雲が昇ってしまいました。
でも雲を纏った姿もかっこいい。

種池山荘まで勝利の道を歩きます。
どう考えても勝ったも同然じゃないですか。

種池山荘〜扇沢

種池山荘で少し休憩。
これから一気に降るので、補給はしっかりと。
道中、水場もないですからね。

昨日はガスガスで何も見えなかった標識。
雲もそこそこ出てきましたが、今日はちゃんと向こう側まで見えます。
っていうか、こんなに景色良かったんだなあ。

名残惜しいですが、降ります。
天気の安定しているうちに降りて、温泉に入るんだ。

木々の合間から見えるのは、鳴沢岳や赤沢岳ですかね。
晴れてたらこんなに景色良かったんですか、この道。
ずるい。

こちら側はその先、蓮華岳とかですか?
昨日は何も見えなかったのに、絶景じゃないですか。

残暑の日差しを感じながら、樹林帯へと進み降りていきます。
難所っぽいところもこの通り。

頭上にカモシカや猿がいたら要注意、って看板には書いてありましたね。
落石の気配を感じ取りながら、さっと進むのが良いようです。

時折、こんな感じのトラバースもあるので、見惚れすぎて足を取られないように。

晴れている時に登ると、こんな景色が続くんですね。

2000m付近まで降りてくると、再びガスが。
まぁ、ここまで保ってくれれば文句なしですよ。

雨が降るか降らないか、ギリギリな感じでしたが幸い行動中は降られることはなく。

何事もなく、無事登山道まで戻ってまいりました。

扇沢まで戻って少し休んだら、バスに乗って温泉に行こう!
……とか言ってたらここで降られました。あと数十メートルってところだったんだけどなぁ。

その後は薬師の湯で汗を流して、長野までバスで移動してから新幹線で帰宅。
長野駅ではクラフトビールも買えるので、帰宅ルートとしては割とアリなんですよね。

振り返り

というわけで、今年も何とかアルプスの稜線を歩くことができました。
今年はダメかと思いましたが、運に恵まれた登山になりましたね。
まだ休みは残っているので、秋の山にターゲットを移していくのも悪くはないですね。

Album

月別アーカイヴ

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