【北アルプス】乗鞍岳:夜行バスを使って日帰り3000m
9月というと関東では一年で最も雨の多い月。
毎年このタイミングではなかなか山に行けていないので、今年は4連休がありつつ何も予定を立てていなかったのですが。
そんな連休の中日に突然の晴れ予報、この期を逃すまいと一番天気の良さそうな山を探して登ってまいりました。
初心者でも気軽に日帰りで登れると有名な、北アルプスの乗鞍岳です。
乗鞍岳の情報
コース情報
標高 | 3026m |
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累積標高(登り) | 687m |
行動距離 | 11.18km |
行動時間 | 4時間40分 |
コース定数 | 19.03 |
上記の情報は、畳平から登れそうな山を全部登った上で、富士見岳に至っては二度登っているデータです。
乗鞍岳登山のデータとしては、上記から行動時間を-1時間、行動距離は-2kmほど引いたものが正確な数字になるかと。
大黒岳を抜けばさらにコンパクトになるので、剣ヶ峰の往復に絞れば、前泊や夜行バスを使わなくても関東からの日帰りが見えてきそう。
アクセス
往路・復路ともに:〜アルピコ交通 新島々駅 > 乗鞍高原観光センター > 畳平
公共交通機関を使う場合は新島々からのアクセスになるのですが、ネックになる点がひとつ。
なんと、乗鞍高原観光センターへ向かうバスの始発に乗る手段がないんです。
松本から新島々へ始発で行っても着くのは7時頃。新島々を出発するバスの始発は5時〜6時台なので、タクシー以外では間に合いません。
前泊する場所を新島々付近にするか、今回のように夜行バスを使うのが始発に乗る唯一の手段になります。
「気軽に日帰り」とはよく言われていますが、実際にはそんなに条件はユルくないんですね。
新島々〜畳平
たまたま天気予報を見たら連休中日の天気が良くて、中でも北アルプスの南側の天気がいい。
そしてたまたま新島々で降りられる夜行バスが1席だけ空いてる。
これはもう行くしかないでしょ乗鞍岳、ということでやってまいりました新島々駅。
上高地行きの夜行バス、ここ新島々で降りたのは私一人だけ。
みんな上高地行くんですね。まぁこの日は上高地も天気良かったですからね。
一時間ほど時間があったので、駅の近くのコンビニで補給をしてから始発のバスに乗ります。
この時点では乗ったのは二人だけ。空いてるかなーと思ったのですが……?
畳平に着く頃には満員、補助席も出るくらいになっていました。
車で乗鞍高原まで行った人がかなり多かったようで、列の後ろの方では始発には乗れない人もいたとかいないとか。
朝の気温は3℃。
夏山装備だとさすがにちょっと寒い。
それもそのはず、バス停の標高は2702m。
唐松岳より高いですよ、ここ。
バス停を降りたらこんな景色。
人工物が多いのであまりありがたみがないですが、植生は明らかに高地のものです。
畳平からは四方にピークが。
さて、どこから登ろうか。
魔王岳〜大黒岳
当初の予定では、まずは剣ヶ峰から……のつもりだったのですが。目の前にピークがあるとつい向かってしまう。
そんなわけで畳平から近い順に、ピークっぽいものを片っ端から目指していくことに。
まずは魔王岳、君に決めた!
ちょっと登ればすぐに着くのが魔王園地。
バス停から数分でこの景色です。
そこからちょっと登った先が、魔王岳。
標高2764m、ずいぶん高いところまで登ったなあ。
魔王岳の裏手にちょっとだけ歩ける道があります。行ってみましょう。
残念ながらバスターミナルの裏手にそびえる里見岳へは登れませんが。
いやあ、ここも登れたら景色は良いんだろうけどなあ。
でも、こんな雲海を見られる場所があるので良し。
あまりにバス停から近過ぎて、朝イチでこちらに登る人は少ないのかなと思いますが。敢えてこちらから攻めるのもアリなんじゃないかと。
あれが穂高岳と槍ヶ岳ですか。
いいなぁ、行ってみたいなぁ。
バスターミナルに戻ってきました。
このタイミングは誰もいねぇ!
下の方には湖が見えますね。
通行止になっている乗鞍スカイラインを少し歩いて、次の登山口へ。
なかなかダイナミックな光景が広がってます。
誰もいないので気軽に写真を撮れるのが気持ちいい。
大黒岳登山口から次のピークを目指します。
こちらもちょっと登っただけでこんな景色。
晴れたタイミングで来られて本当に良かったなぁ。
なぜか150mmマクロを持ってきたので望遠ショット。
今日はα7IIとα7IIIに単焦点レンズを付けて登ってみようかなと思いまして。
日帰りだから荷物も軽いし、ボディふたつ持ってきても大丈夫かなって。
山頂付近はこんな感じで、ちょっとした稜線歩き気分。
稜線というか、天空の庭園みたいな感じ。
次のバスもやってきたし、そろそろ主峰を目指しますか。
大黒岳〜剣ヶ峰
バス停に近いピークから順に……と思っていたので富士見岳にも登るつもりだったのですが、こんな感じでガスが出てきてしまいました。
予報では晴れだったのになぁ、と思いつつ完全に巻かれてしまう前に主峰に登ってしまうことに。
お花畑の方もいい景色。
9月なので高山植物はお休みかな?
池と、その向こうに見える雲海が良い雰囲気。
剣ヶ峰は雲を被っちゃってるけど、青空も見える。
今のうちに登るしかない!
こちらは乗鞍エコーライン。
今日、バスで登ってきた道です。
こちら側から歩いて登るコースもあるのだとか。
肩の小屋へとやってまいりました。
車もあるし、これは完全に観光地ですね。
それじゃあ今年も3000mまで登りますか!
実は登りが意外とキツい。
キツいというか、さすが3000m。ちょっとペースを上げたらすぐに高山病の気配が。
この高さまでバスで一気に登ると、それなりに高度順応にも時間が必要なんですね。
こちらは権現池。登山道から見下ろすとなかなか絵になる池です。
剣ヶ峰の主峰まであとちょっと!
しかしここが罠ポイント。実は左側の道が登りで、こちら側は下山用なんだとか。
正確には、一方通行ではないらしいのですが山頂の写真行列が左手の道に伸びてるので、実質一方通行のようなもの。
あと、右側から登ると山を舐めるなおじさんに怒られることでも有名……?
しかしそんなの気づきませんよね、私も右から登っちゃいました。
途中で声掛けられて、おとなしく左から登り直したんですが。
遅い時間に登ると、行列めっちゃ伸びるらしいです。
私が登った時は山頂手前くらいの位置だったのでまだ良かったんですが。山に行ってこういう行列はちょっと萎えるよね。
行列を待ちながらも写真は撮る。
このあたりも結構景色は良いですね。
心配していた雲も、ちょっと標高の高い位置に留まってくれたので助かった。
待ちに待った山頂3026m!仙丈ヶ岳に次いで、今までで二番目に高い山です。
先ほどの行列はここで記念写真を撮るためのものなので、そういうのに興味ない人はスルーでもOKかと。
私は看板が撮りたかったので大人しく並びました。
ちなみに自分を撮る趣味はありません。
広角MF単焦点でも頑張ってピントを合わせて撮る!
行列になってるので後ろからのプレッシャーが半端ないです。
剣ヶ峰〜富士見岳〜畳平
無事撮影も終わったので気分は楽になりました。
山頂はあまり広くないですが、周囲の山を撮ったりする余裕はありました。
山頂の鳥居も良い感じ。
こうやって雲より高いところに立っていると、登ってきたなぁって感じがしますね。
まぁ今日はほとんどバスで登ったんですが。
混んできたのでそろそろ降りますか。
乗鞍岳は火山なので、北アルプスの中でも少し雰囲気が違いますね。
唐松岳や鹿島槍のような、いかにもアルプス!って感じの稜線とは違った趣き。
こんな感じで人工物が多いのも、雰囲気が違う理由のひとつではあると思いますが。
アルプスの感動はちょっと控えめですが、それでも楽しめました。
緩い感じで歩き回れるので、カメラとか好きならちょうど良いかも。
残していた富士見岳にも登っておくことにします。
うーん、こっちの方が登山っぽい雰囲気があるような……?(何
登ってしまえば10分程度で山頂です。
何気にここの山頂は景色が良いですね。
畳平も見下ろせる。
12時くらいなのに、既にバス停には並び始める人の姿が。
私も降りてきました。
ご飯でも食べてのんびりしようかな。
再び富士見岳へ
降りてきたはずなのに……また登ってる……。
お昼ご飯食べながらタイムラプス撮りたいなあとか、そういえば朝コンビニでウインナー買ったんだよなあとか、そういえば調理用の水がないなあとか思い出しまして。
結局、一度下山してからまた富士見岳に登り直しています。
まぁ、映像はなかなか良い感じのが撮れたので良かったかなーと。
ご飯を食べながらのんびり1時間くらい、カメラを回していました。
α7IIIになってから、モバイルバッテリーから直で給電できるようになったのですっごく楽ですね。
再び降りてまいりました。
この時間帯になるとロードバイク勢も下っていきます。
やっぱりここの下りは気持ちいいのかなあ。
ギリギリの時間で帰りたくないので、そろそろバス待ちの列に並びます。
ありがとう乗鞍岳、楽しかったよ!多分、一度登れば満足できる山だけど。
バスを待つ人の列がかなり長くなって、乗れんのかなこれ……って感じになってきましたが。
ほぼ定刻通りにやってまいりました。大型バス10台。
アルピコ交通の本気を見た気がする……けど、メインのリソースは上高地の方に割いてるんだろうなあ。
この日の上高地はやばかったらしいですね、混雑っぷりが。
振り返り
多分、こんなに無計画に乗鞍岳に行けるのは今年くらいのタイミングだとは思いますが。
いつでも行けそうだから今までスルーしてたけど、実際に計画を立ててみたら結構難しかった乗鞍岳。
いいタイミングで登れたので満足です。
登れるものなら厳冬期にも挑戦してみたいですね、登れるものなら。
まだまだ夏休みゲージは温存中なんですが、そろそろ夏山は終わりにして、秋の山へと行きたいなと思っています。
今まで行くことのできていなかった東北の山にもチャレンジしてみたいですね、今年こそは。