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伊豆ヶ岳:浅見茶屋にリベンジ

2019年09月26日2023年09月30日登山:秩父・奥武蔵

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

850.9m

標高差

625.4m

累積標高(登り)

756m

累積標高(下り)

878m

行動距離

14.85km

行動時間

5時間50分

コース定数

23.0

アクセス

往路:~西武秩父線 正丸駅
復路:西武秩父線 吾野駅~
水着沖田さんの次はギル祭で、山日記を書くペースがまったく上がりません。 でもさすがにそろそろ書かないと……ということで、9月の上旬に行った低山の日記を。

9月の連休前に、立山テント泊以降山に登れず鈍っている身体に喝を入れに。そして立山登山で深手を負った財布には優しく。
そんなわけで選んだのが奥武蔵の伊豆ヶ岳でした。
鈍行で行けて、バスも使わないので割とコスパのいい山が多いのが奥武蔵。運賃の安い京王線で行ける高尾山には敵わないと思いますが、このあたりも割と安上がりで登れる山が多いので遠征後の懐寂しい状態のハイカーにはなかなか優しいエリアです。

長い鎖場もあったり、尾根歩きが長く楽しめたりと、個人的には奥武蔵の中でも特に好きな伊豆ヶ岳。
数週間振りの身体に喝を入れるにはちょうどいい感じの山歩きになりました。

正丸駅〜正丸峠

これで二度目の伊豆ヶ岳。今回も西武線の正丸駅から歩き出します。
コース的には前回と同じく、正丸峠を経由して吾野駅へと降りる「伊豆ヶ岳を越えるみち」ルート。
前回は11時頃にスタートとかなり遅い時間から登り始めましたが、今回はちゃんと8時台のスタート。
山を始めて3年、週末の早起きにもだいぶ慣れてきました。

レンズにPLフィルターを付け忘れていることに気付いて、初っ端からテンションが下がりましたが。
最近は口径の近い40mmの単焦点をメインにしていたので、フィルターもそっちに付けっ放しでしたね。今回も単焦点で行くことも考えたのですが、前回の立山登山で少しズームの利便性に心が傾いたので今回は24-105mmで。

でも実際に山に登りながらカメラを構えてみると、やっぱりズームは楽でいいなと。
こういう低山で超広角の出番はないので、35mm付近の単焦点一本でも充分登れる気がするんですが、こんな感じで花をアップで撮りたい瞬間にレンズ交換が要らないのはやっぱり大きな利点ですね。

光をいかに抑えるか、試行錯誤しながら登山口への道を歩いていきます。
今回も伊豆ヶ岳へ直登するコースはスルーして、まずは正丸峠を目指します。
別に伊豆ヶ岳へ登るだけなら正丸峠を経由する意味はないんですが、正丸峠からの尾根道歩きは個人的に外せません。

正丸峠へは、比較的穏やかな登山道を少しずつ登っていきます。
苔むした、すこし湿っぽい道が続きますが、勾配は非常に緩やかなので歩きやすいです。
派手な急登ポイントは全くないので、こちら側を下山ルートに使うのもアリかもしれませんね。

数日以内に雨でも降ったのか、道は少し濡れ気味。
しっとりした質感の、静かな山道が都会の喧騒を忘れさせてくれます。

しばらく沢沿いを歩いたら、沢を渡って峠へと登っていきます。
途中、こんな感じで荒れた道もありますが、靴が防水仕様なら大丈夫。

最後にこんな感じでちょっとキツそうな階段を越えれば……

正丸峠に到着です。

令和の時代に歴史を感じさせる称号ですね。
そういえば今上陛下もご趣味は登山とか。結構、色々な山でそのお名前を見かけますね。

正丸峠〜伊豆ヶ岳

9月に入って暦の上では秋、でもやっぱり9月上旬はまだまだ暑い。
思わず茶屋で買ったアセロラを飲み干してしまうほど。

そして正丸峠からはいよいよ、私の好きな尾根道歩きが始まります。
茶屋の裏手から少し登って尾根に取り付けば、そこにはきれいに整備された尾根道が伸びています。

こんなにきれいな尾根道なのに、PLフィルターを忘れたのが非常に痛い。
コントラストの強い夏の日差しを掻い潜って写真を撮るのが、とにかく難しい!

そんな感じで尾根道を堪能して、まずは最初のピークの小高山。

このあたりの稜線にあるピークは、どこもさほど展望の良いものではありませんが。
木々の合間から、秩父の山が顔を覗かせていました。

そうして幾つかのピークを越えながら、伊豆ヶ岳を目指します。
歩きやすい道だからか、トレランの人にも時々すれ違いました。
コースも長くて転倒リスクも低いので、確かにトレランにはちょうどよさそうですね。

まぁ、最後の方はこんな感じでザレてるんですが。
階段も朽ち気味、割と急斜面で結構登るのに苦戦します。

そしてそれを越えれば階段の急傾斜。
とは言えコース全体で見ればまだまだ序盤なので、割と余裕はあります。

ザレたエリアを越えて五輪山。
来年の夏はネタ的な意味で、ここに登りに来る人も多そうな。

五輪山の後は伊豆ヶ岳の核心部、男坂の鎖場へと進みます。
もちろん迂回して、女坂から登ることもできますよ。

傾斜自体は40度ほど、崖というほどの高度感はありません。
ただ……結構滑るんです、この岩。

そういえば山道もちょっと湿っぽかったなぁというのを思い出しつつ。
ここを三点支持で登るのはちょっと難しいかも。足を掛けられる場所というのが意外と少ない。
「岩場を登る」という感覚よりは、靴底で岩をしっかりグリップしながら「傾斜40度の坂道を歩く」という感じで登った方がここはむしろ安全かも。
下手に小さな足場に体重を掛けた方が、むしろ足を滑らせて危険な気がしました。

終点までもうちょっと。
長さ50mもあるので、届くようで届かない。
乾徳山のラストは15mでしたが、こちらはその3倍もの距離を登ることになります。
人によると思いますが、個人的にはこちらの方が距離が長い分難しいかなと。勢いだけではちょっと登りきれないんですよね。

鎖場を越えたら最後に岩場。
この岩の左右どちらからも行けそうに見えますが、途中で崩れていて渡り切れません。
この岩をよじ登っていくのが正規ルートなんです。

そうして登った先に、女坂との合流地点が。
ここまで来ると、かなりやり切った感が出てきます。

合流地点から山頂へは目と鼻の先。
相変わらず木々に阻まれて展望はほぼゼロですが、とりあえず今回の目的地には辿り着くことができました。

伊豆ヶ岳〜子ノ権現

伊豆ヶ岳の山頂自体はそこまででもないですが、山頂手前は割と広いので昼休憩にはちょうど良い感じ。
少し早い時間ですが、私もここで昼食を摂ることに。
いつものパスタですが、茹でるだけとは言え山で調理を始めると結構声掛けられます。
いやね、カップ麺飽きたんすよ。

食後のコーヒーも頂いたら再び前進。
実はここ伊豆ヶ岳、全行程のたった三分の一くらい。まだまだこれから長い道が続きます。

降りては登り。登っては降り。

急坂もあります。

そうしてお隣の古御岳へ。こちらには屋根のある休憩舎もあるので、ここまで登ってから休憩でもよかったですね。
今回はカップルさんがいたのでスルー。心で泣いても口元には笑みを!

そういえばこの日はでっかいキノコをよく見かけました。
これはアカヤマドリタケっていうやつでしょうか?だとしたら食用らしいですが……、さすがに山で見かけたキノコを採って食べようとは思わないですね!

尾根道は続く。
天気も良かったので、木の根がくっきり写って立体感を演出してくれます。
アップダウンを繰り返しますが、道自体はまっすぐ伸びていることが多くてカメラを構えるのが楽しい。

このあたり、前回も撮ったかな。
奥まですっと伸びていくこの感じが好きです。

縦構図でも、横構図でも美しい。
自然とも人工物とも違った、この不思議な感じがとても魅力的。

そうして登っては降りての繰り返し。
本当にこの道、細かいアップダウンが非常に多い。
高尾山〜陣馬山のようなわかりやすくなだらかな道とはちょっと違った、低山の尾根道っぽい雰囲気が続きます。

いつもの木漏れ日ショットも。
うーん、これで絞り羽が偶数だったら綺麗な光芒が出るんだろうけどなぁ。
まぁ、ズームレンズにそこまで期待するものではないですが。

高畑山へとやってきました。
前回登った時からナローノって何だ……とずっと思っていたのですが、実は別名「楢生ノ高畑山」というらしく。ナローノとは「楢生の」のことだったんですね。

休憩してないで元気に歩けやコラァ!と地元の小学生に励まされ、先へと進みます。

人通りの少ない、寂しいとすら思うほどの静かな尾根道なのですが。
不思議と心細くは感じません。
前回は日没との戦いでちょっと焦り気味でしたが(笑

突如現れる展望エリア。
前回省略しちゃって書きませんでしたが、この鉄塔見ると思い出すんですよね……。

肉のハナマサ。
あの牛のマークに似てませんか。それとも長旅で腹が減ってるからですか。

その後も尾根道を登ったり降りたり。
このあたりからしばらく作業道との並走が続きます。

車道と交差する天目指峠で少し休憩してから再び行動開始。
ここでようやく全行程の半分ちょっとですが、ここからまた登り返しが始まります。

派手な急登はないんですが、登っては降りての繰り返しになるのがこの道の特徴。
コース自体が長い上にアップダウンを繰り返すので、山はピークを越えたらあとは降りるもの、という感覚だと心が折れそうになるかも。

後半に階段は……なかなかキツいよなぁ。

そうしていくつかのピークを越えて、子ノ権現に到着。
それまでの里山感から一転、唐突に人の営みを感じるエリアに足を踏み入れることになります。
標高600mの山の中に唐突に現れるので、初めて行くと面食らいますよね。

子ノ権現〜吾野駅

この子ノ権現、1000年以上前からあるとも言われる由緒正しいお寺なのですが。
種火……もとい手のような謎のオブジェとか、馬鹿でかいわらじとか、ド派手な原色の仁王像とか、よくわからないものが色々あります。
私は見たことないんですが、本堂の方にはでっかいハイヒールなんかもあるんだとか。

そんな珍スポットですが、登山者にとっては癒しのスポットでもあったりします。
トイレ完備、自販機もあるし、お店でも飲食物を買うことができます。
ここまで来ればあとは下るだけなのでスルーしてもいいんですが、この日はかなり暑かったのでアイスを頂いてしまいました。

お寺の駐車場方面から、吾野駅へと下る下山ルートが伸びています。
ここから先は一気に下ることになるんですが、下山する分にはそこまで厳しいルートでもないですね。

斜面を下った先には民家と……シュールな謎の案山子。
この子もこの登山道の名物といえば名物。丹沢のクリステル、奥武蔵のセーラームーン。
ちょっと苔っぽいの生えてるし、セーラームーンなのになぜかリボルバー持ってるし、インパクトでは負けてない。

セーラー苔ムーンから逃げるように道なりに下っていくと、見えてきました。浅見茶屋です。
前回来た時は出発が遅すぎて、ここに着くころには既に閉まっていたのですが。今回はまだまだ営業中。

というわけで山歩きの途中ですが、ちょっと寄ってみました。
うどんが評判らしいのですが、そこまで空腹というわけでもなかったので選んだのが最近一押しっぽい天草きなこ黒みつアイス。
天草のやわらかい寒天ときなこ、黒蜜の相性は抜群。アイスを溶かしながら頂けて、暑い日には嬉しい甘味です。

長旅の疲れもすっかり癒えたところでお店を出たら、あとはひたすら一般道を歩いて駅へ。
秋には……まだちょっと早いでしょうか?

……とか言ってたら、駅の手前でまた山道に案内されたりもするんですが(笑

そうして駅を発ってから約8時間。15kmほどの山歩きを終えて吾野駅へ到着です。
今回はカメラメインでペースはかなり遅めでしたが、久々の登山で心地良い疲労感に包まれながら家に帰ることができました。
求められる体力レベルとしては奥多摩の大岳山と同程度ですが、アップダウンが激しく、また伊豆ヶ岳から先は結構人通りも少なくエスケープルートもないので、普段から運動していない人にはちょっと厳しいかも。

でもアルプスの派手な稜線とは違う、控えめながらも美しい尾根道を歩けるこの道。
それなりに体力がある方なら是非一度は歩いてみて頂きたいところです。

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