リメイクや二次創作をやるモチベーションが湧かないと言っておきながら、気がついたらできてました。
FF9のトランスクジャ戦のアレンジのリメイクです。
2004年に制作した、ウチの1stアルバムのオープニングトラック。
ある意味、CROW&apos;SCLAWの最初の1曲みたいなもんです。


&lt;h2&gt;アレンジのこと&lt;/h2&gt;

軸になる部分は初出の時からあまり変えていませんが、テンポを若干上げたり、メインテーマ？のフレーズを1オクターブ下げたりしています。
1stアルバムでは重さを重視して、遅いテンポで粘っこく聞かせるためにやや遅めのテンポにしていたのですが、もう少しタテのノリも加えたくてほんのちょっとテンポを上げています。

ギターの変化は、時代の変化に合わせてのもの。
この曲のリフフレーズは、最低音がCあたり。まだダウンチューニングや7弦ギターも一般的ではなかった約20年前と比較して、今回の音域で弾くことへの抵抗や違和感もなくなったので、1オクターブ下げています。
入り出しのリフはドロップチューニングで、メインテーマは7弦のレギュラーチューニングというのが厄介。
開放弦も多用していて1つのチューニングで弾くことが難しくなったので、ドロップD+半音下げと2音半下げのギターを混ぜて収録しています。

まぁ、1stアルバムではAまで下げている曲もあるんですが。

&lt;h2&gt;サウンドメイクのこと&lt;/h2&gt;

この曲をやるならパイプオルガンの音源は必須。
一応KORG TRITONのVST版は持っているので、それを鳴らしてもいいのですが、せっかくリメイクするなら今の環境に合った音源を使いたい。
そんなわけでパイプオルガンの音源を（結構前から）漁っていたのですが、最終的にSoundironの無難なヤツに落ち着きました。
主な理由は……クオリティと値段のバランス。他にも良い音源はあったのですが、頻繁には使わないので、そこまで高い値段は払いたくないなぁ、と。

イントロのフットスタンプは、現役時代やりたくてもできなかったこと。
ホールで収録したような音にしたかったので、フットスタンプ専用音源のJason Johnson&apos;s &quot;Stomps And Claps&quot;と、シネマティック系のパーカッション音源を混ぜています。
1stでもベスト版でもMU100とDM5の音を元にしていたと思うのですが、ようやくDTM音源っぽくない感じにできました。

[youtube]&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/H5bL3L7BFAI&quot; title=&quot;YouTube video player&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;[/youtube]

&lt;h2&gt;次回作について&lt;/h2&gt;

しばらく世に公開するような曲を作るつもりはなかったのですが、7月の連休が悪天候で外出できなかったので作ってしまいました。
最終調整もほぼ終わっている段階なので、近いうちに公開できるんじゃないかなと思っています。

【新曲公開】The Dark Messenger 2022

今年最初の曲は月姫リメイクのアレンジ第二弾、魔眼覚醒のアレンジです。
本当はこの曲から真っ先にアレンジするだろうなーと思ってたのですが、結構弦の耳コピが大変だったので時間が掛かりました。
あんまり解釈を変える余地のある曲ではないですが、メタル屋らしい解釈を入れるっていうのがやりたかったので、やりたいことはできたかなーと思っています。


&lt;h2&gt;アレンジのこと&lt;/h2&gt;

土台は原曲そのまんま。そこから4分打ちキック+裏打ちハイハットメインのリズムを、メタルのリズムに置き換えていく作業。
4分打ちキックはメタル的に解釈すると16分のキックになるよね、ということでめっちゃキック踏んでます。
あとは8ビートとハーフの使い分けとか、そういった部分でメタルを表現してみました。

その他のアレンジでいうと、弦はなるべくそのまま。完コピはしてませんが。
ギターもなるべく原曲のニュアンスを残せるように譜割りを工夫してみています。
原曲は割と鍵盤っぽい音の残り方をしているんですが、ギターでもできる限りその感じを残して弾けたかなと思います。
変則チューニングでカポ使えばもっと鍵盤っぽくできたと思うんですが、今回はドロップBで弾ける譜割りになっています。
暇があったらTAB譜に起こしてみたいですね。
と言って、いつもやらないんですが。

&lt;h2&gt;サウンドメイクのこと&lt;/h2&gt;

前回でペダル主体の音作りになったはずのベースの音作りなのですが、結局全部ひっくり返してNeural DSPのParallaxを導入してしまいました。
作りたい音自体は決まっているのですが、なかなか定まらないですね……。
多分Kemperの、ツマミを弄れない、というデメリットが私を悩ませているんだと思います。
（EQ自体はありますが、アンプのツマミとはちょっと感覚が違うかなーという気がします）
Parallaxは単体で完結できて、ちゃんとアンプとして歪みの他にもEQ設定を詰めたりできるのが良いですね。音も良い。

他にもドラムやギターの混ぜ方もちょっと見直してみました。
やっぱり弦が入ってくると難易度が一気に上がるなぁという印象ですが、足りない部分や飽和している部分を見極めてもっと詰められるように、今回の経験を今後に活かしていきたいですね。

&lt;h2&gt;今後の予定&lt;/h2&gt;

リメイクはモチベーションが下がり気味なので、今年はしっかり新曲中心に作って行こうという気持ちは変わっておらず、次も月姫RかFGOのアレンジになると思います。
実はどちらも並行して作っているのですが、FGOの2部6章が好きすぎて、どんな形で公開するかちょっと悩んでいたり。
ひとつの作品としてまとめて公開したいっていう気持ちもありつつ、でも媒体はいつも通りYouTubeになるだろうなぁという気もしていて。
まぁ、ジャケットイラストを依頼したいだけなのかもしれませんが。

【新曲公開】Mystic Eyes Awakening

11月の楽曲公開は、2008年にリリースしたCrossfire Barrageから、オープニングトラック「亡き王女の為のセプテット」のアレンジのリメイクになりました。
今年はセプテットのアレンジを2回もリメイクしてるんですね。

この曲はいつかリメイクしたいと思っていた……どころか、いつだったかのwebイベントで一回リメイクしてますね。
今回のリメイクもそのデータが元になっています。といっても、原型は留めていないのですが。

そして今回は告知も。
東方深秘録に提供させていただいた聖徳伝説のアレンジが、スマホゲームの東方ダンマクカグラに収録されました。
既に実装済みなので既にプレイ済みの方もいらっしゃるのではと思うのですが、私も少し触ってみています。
作者+演奏者の視点で見ると、細かいところまでギターの表現の再現に拘って譜面が作られているのを感じることができて、プレイしながら感動したりしていました。
感動しつつボロボロになりながら、何とかHardをクリアするところまではいきました。
ギターで弾くより難しいですね（何


&lt;h2&gt;Crossfire Barrageについて&lt;/h2&gt;

変化球だったFrozen Frogから一転、直球のメタルインストアルバムになったCrossfire Barrage。
アメリカンなスタイルとは打って変わって、北欧メロデス寄りのスタイルがメインになっています。
私の方向性としてはまだ過渡期で、この頃はメロデスを中心に聴いていたので、そのカラーが出てる感じですね。
この頃一番好きだったのはDisarmonia Mundiとかかなぁ。

それまでの活動からHR/HMサークルとして認知されつつも、最初に出した東方アレンジ作品がロックンロール的なテイストだったので、ちゃんと看板に嘘偽りのない作品を作ろうということで挑んだのがこのアルバム。
ロックじゃなくてメタルになりうる要素って何だろうと考えた時に思い浮かんだのが獣性や暴力性。
英単語でいうBrutalな要素（ブルータルデスメタルのことじゃないですよ）かな、ということで、そういうものを感じられるようなアレンジが中心になるように、結構じっくり練って作ったのを覚えています。
特にこの曲は1曲目にしようと思っていたので、CDを再生した瞬間に感じるインパクトの強さみたいなのは意識していた記憶がありますね。

&lt;h2&gt;リメイクについて&lt;/h2&gt;

このアルバムを作る時にキーボードも結構使うメロデスバンドを色々聴き込んだので、今回はそのことを思い出しながらシンセ多めでリメイクしました。
今では色々と選択肢も増えましたが、バンドものならやっぱりKORGのシンセだろうということで、VST版のTRITONで色々音を入れたりしています。
当時使っていたハード音源も全部手放しちゃったのですが、VSTで使えるのはありがたいですね。
TRITONだけじゃなくてTRINITYも使えるともっと嬉しい（笑

あとはベースの音も前回のMagus Night 2021から発展させて、VSTを使わずにペダル+自作のKemperリグ+IRで完結させて作っています。
VSTで作るとなんか違う感が拭えないのですが、ペダル+アンプシミュで作るとしっくりきますね。
Ashdownから以前販売されていた、敬愛するJames LoMenzoのシグネチャーモデルがまさにやりたいことをできるペダルなので、かなり役に立ちました。
アナログで完結できることがわかったので、ベースアンプのプロファイリングなんかもいつかやってみたいと思いつつ。今は山が優先なのでいつになるやら（笑

&lt;h2&gt;次回作について&lt;/h2&gt;

ほぼ月一投稿を継続できた今年、もちろん12月も投稿しようと思っています。
既に9割方完成しているので間に合わないということはないかな。
次回作はリメイクではなく新曲で、今年リメイクされた月姫に収録されている新曲のアレンジになるんじゃないかと。

それとは別にリメイクを何曲か、今回の収録の際にベースの弦を張り替えた関係でまとめて録っていたり。
こちらの方はベース以外は何もできていないので、まぁ気長に待って頂ければ幸い。
それより山日記が溜まっててやばいんですが……。

【新曲公開】Scarlet Devil 2021 + 告知

緊急事態が続いて山に行けないので、創作活動の方の更新ばかりになってしまいました。
森林限界を超えずに2021年のサマーシーズンを終えてしまいそうです。

&lt;a href=&quot;https://www.crowsclaw.info/archives/4250&quot;&gt;Vanguard&lt;/a&gt;を録る時にベースを1音下げでセットアップし直したので、弦が錆びないうちになるべくいっぱい録っておこうと思って選んだのがこちら。
リメイクしたいと思ってた曲のひとつなのですが、ギターソロが結構難しいので躊躇ってました。
でも、まぁそろそろ覚悟を決めてやってもいいかなと。
というわけで、Lightning DischargeからMagus Nightのリメイクです。


&lt;h2&gt;アレンジのこと&lt;/h2&gt;

東方の曲にしては調の展開の仕方が素直で、アレンジしやすかったなーというのを覚えています。
リフから組み立てていくHR/HMと転調の多い東方の曲調は、ぶっちゃけかなり相性悪いですよね。
イントロのクリシェっぽいコード進行も印象的で、リフを作る時にモチーフにしていたと思います。

正直なところ、この時期の自分のアレンジは、今ではそこまで気に入っていません。
なんと言うか色々な意味で、やりたいことと、本来の方向性のギャップに結構苦しんでるのが曲にも現れているような気がして。
艦これアレンジを作ってそのあたり軌道を修正できたので、自分の中でそういう印象があるというだけの話ではあるのですが。

とは言いつつ、そういう方向だけではアルバムは作れないもので。
開き直って自分の本来の方向性で作ってる曲もあって、そういう曲は後の方向性にも繋がっているのでリメイクはやりがいがあります。
この曲なんかがそうですね。

でもギターソロはちょっと勘弁して欲しかった（何
シーケンスフレーズの箇所では、普通のチューニングは無理っぽい超ストレッチフレーズが紛れ込んでいて、当時どうやって録ったのか謎です。
今回はストラトで録ってるんですが、レスポールだったら弾けたのかな……？
私の手はそんなに広がらないので、今回は1音下げて録りました。

&lt;h2&gt;サウンドメイクのこと&lt;/h2&gt;

Lightning Dischargeを作るタイミングで5150IIIを導入したこともあってモダンな音で録ってしまったのですが、元々この曲で目指していたのはOver The Rainbowの路線を継承した国産様式美系HR/HMバンドっぽいサウンド。せっかくリメイクするなら目指していた方向性にもっと近づけてもいいんじゃないかと、ストラト+JCM800（の自作Kemper Rig）の組み合わせで録ってみました。
やっぱりストラトっぽい音でメタルやるなら、JCM800より歪むアンプ使っちゃダメですね。

&lt;a href=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/210917-02.png&quot;&gt;&lt;img src=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/210917-02-1216x729.png&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;1216&quot; height=&quot;729&quot; class=&quot;alignnone size-thumbnail wp-image-4272&quot; /&gt;&lt;/a&gt;

ベースは今回、新しい試みとしてプラグインの歪みを混ぜてみました。
録音時は歪ませずに録っておいて、スクリーンショットのような感じで特定の帯域だけ歪ませたものを足してからキャビシミュを通しています。
特定の帯域だけ歪ませるのはよくある手法ですが、Dry/Wetツマミとかを使って原音と混ぜたりはせず、特定の帯域だけを足すっていうのは珍しいんじゃないかなと思います。
……と思うのですが、既にやってる人もいるみたい。

Andy Sneapの最近のベースの混ぜ方が結構特徴的で、中域のラインがやたらと見えやすいのでなんとか真似できないかなーと思って試してみた結果がこれ。
しばらくこの手法で模索していくことになりそうです。

ドラムは言うまでもなく、いつも通りです。
今回の曲調なら合うかなと思ってSDX Deathも試してみたんですが、あんまり奥行き感がないのでやめました。
冷静に考えてみたら、今回みたいな曲調でMetal Machinery使わなかったら一体いつ使うんだって感じです。

&lt;h2&gt;締めの一言&lt;/h2&gt;

月1曲を目安に公開できたらいいかなーと思ってるんですが、次はどうしましょうかね。
とりあえずFGOのアレンジ（といいつつあんまり弄ってないパターン）が1曲ほぼできているので、来月はそれを公開しようかなと。

その次は月姫Rのアレンジをやりたいんですが、サントラ出るまでは自重かな？
ベース弦を交換したいので、何曲か録り溜められるようにストックを増やす期間になりそうです。

【新曲公開】Magus Night 2021

7月の楽曲公開は、アリス・ギア・アイギスのアレンジです。
最近はFGOよりやってるかもしれない、そんなアリス・ギア・アイギスからVANGUARDをアレンジしてみました。
久しぶりにギターインストっぽい感じの曲を作ったなーと思います。
元のゲームの印象からはかなり離れちゃってますが……（笑

&lt;h2&gt;ゲームのこと&lt;/h2&gt;


最近は銃口からチャーハンが飛び出たことでちょっと話題になったゲーム、アリスギアアイギス。
キャラ同士の掛け合いが結構好きで、最近ハマり気味。
シューティングで楽曲提供がZUNTATAだったり、メカ娘でメインのイラストレーターが島田フミカネ氏だったり、ハマる人はかなり深くハマりそうなゲームだと思います。

あれだけ東方やっておいてシューティングが得意ではなかったり、艦これもあれだけハマっておきながらメカ娘が好きというわけでもなかったりするんですが、雰囲気が好きで割と続いてます。
格ゲー以外はあんまりがっつり攻略するタイプではないので、ゆるーく進めてる感じですが。

曲も結構印象に残るものが多いですね。
今回アレンジしたVANGUARDも、最近のシナリオ戦とかで流れていてなかなかカッコいい。
上に貼ったPVの曲がオリジナルです。
全然関係ないんですが、あのビーム上に避けられるなら避けたい（何

&lt;a href=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/20210711-02.png&quot;&gt;&lt;img src=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/20210711-02-562x1216.png&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;562&quot; height=&quot;1216&quot; class=&quot;alignnone size-thumbnail wp-image-4253&quot; /&gt;&lt;/a&gt;

今の主軸キャラはこんな感じ。
怜ちゃんとかめっちゃ強いですが、キャラ的な意味で好きなメンツを集めてみました。
シタラちゃん夜露ちゃんも好きなんですが、最近のお気に入りはこの3人かな？

&lt;h2&gt;楽曲のこと&lt;/h2&gt;

ギターメインのインストアレンジをやるのは久しぶりだと思います。
HR/HM寄りのアレンジ自体は引退してからもいくつか作っていましたが、CDを作ってた頃とまったく同じ作風っていうのは、リメイク以外ではやってなかったような気がしますね。

正直なところ、Shelling〜からSeven Wonders〜を作ってた時期と比べるとギターの腕もかなり落ちているので、こういうアレンジはもう作れないんじゃないかなとも思ってたんですが。
まぁ頑張ればできないこともない……ですかね。

現役時代を思い出しながら作っていたので、割と当時の作風に被せているような部分もあります。
逆に当時なら「ストレートすぎるから、もうちょっと捻った方がいいかな……」と思うであろう箇所も、敢えて捻らない展開にしてみたり。
CDに収録しようとすると、捻らないとどこかで被ってきちゃうんですが。今は1曲ずつの公開なので、あんまり気にしなくなりました。

&lt;h2&gt;今後のこと&lt;/h2&gt;

ベースのチューニングを今回から変えていて、それに合わせてメーカーもゲージも変えました。
次回か、その次に公開しようと思っている曲のためなんですが、コーティング弦ではないので、もったいないという理由で3曲ほど同時に収録しています。
なので、あと2ヶ月くらいは月1ペースでの投稿が続くかもしれません。

しかし最近はElixirの弦が品薄で、なかなか厳しいですね。
09-46や10-52のギター弦、テーパードの130のベース弦など、モロに品薄の影響を受けているセットを多用しているので、今収録している3曲が作り終わったらどうなることやら。

まぁ今作ってる3曲を作り終えたら月姫とメルブラが待ってるんですけどね。
なので在庫が復活しても投稿ペースは落ちるかも。

登山もハイシーズンが近づいてきましたしね。
こちらの方は昨今の事情もあるので、あんまりがっつり楽しむことはできないかもしれませんが。

【新曲公開】Vanguard - アリス・ギア・アイギス

月イチ投稿は残念ながら叶いませんでしたが、曲作りは継続しています。
今回は久々にオリジナル曲を作りました。
2015年リリースの&lt;a href=&quot;https://music.apple.com/jp/album/angels-wings/1072692846&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener noreferrer&quot;&gt;Angel&apos;s Wings&lt;/a&gt;以来なので、6年振りのオリジナルの新曲です。

FGOのアレンジでよくやっていた、トレイラーミュージック+メタルのハイブリッド。
まだまだ研究中で色々と模索しながらの制作ですが、ひとまず形になったので投稿してみました。


&lt;h2&gt;久々のオリジナル&lt;/h2&gt;

引退したらオリジナルメインの活動になる（引退したのに活動とはどういうことなのか、というのは置いといて）と思ってたんですが、意外とオリジナルを書きたい！というモチベーションが上がらず二次創作ばっかりでした。
アルバム単位での制作を考えなくていいので、もうちょっとフットワーク軽くいけるかと思ったんですが、そう簡単にはいかないものですね。
締め切りがない分、モチベーションを維持できないと完成しないんだなー、などと思ったりして。

珍しく構想が固まったので作った今回の曲。
結構早い段階から、今後オリジナルを作るならこういった形のトレイラーミュージック+メタルが中心になるかなぁと思っていたのですが、実際に1曲のイメージとして固まるまでには結構長い時間が掛かりました。
ストリングスのリフと、Aメロのブラスのフレーズができたところから全体的な構想を固めていって、最終的に今のような構成に。
コテコテのHR/HMだと「こうあるべき」というお約束がありますが、他にあまり例のないジャンルになるので自由ではありつつ、フレーズが向かいたい場所がどこなのかを掴むのが結構難しいですね。

&lt;h2&gt;タイトル&lt;/h2&gt;

タイトルは「立ち上がる」という意味のRise Up。
今がこういう状況なので、「再起」や「復活」のニュアンスでポジティブなメッセージはないかなと思って考えて、このタイトルに落ち着きました。
なかなか思うようにいかないことも多い日々が続いていますが、再び夜明けが訪れる日が早くくることを願って。
まぁ、インスト曲にタイトルなんてあってもなくてもいいかなとも思うんですけどね。

【新曲公開】Rise Up

lunatlazurの結城えいしさんからお声掛け頂いて、久々に東方アレンジでヴォーカル曲です。
先日公開されたゲーム、&lt;a href=&quot;https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm6490&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener noreferrer&quot;&gt;幻葬再演&lt;/a&gt;のエンディングテーマとして書かせていただきました。

久々に歌モノを作る機会を提供して下さったlunatlazurのお二人と、数年ぶりの依頼に快く引き受けて下さった池田奨さんに感謝。

ゆえさんとは一度コラボしたいと思っていたのですが、こういった形で叶うとは。
このような素晴らしい作品に関わらせて頂けて本当に光栄です。


&lt;h2&gt;曲のこと&lt;/h2&gt;

&lt;h3&gt;アレンジのこと&lt;/h3&gt;

正直なところ、東方Projectの曲を歌モノにアレンジするのはかなり難しい。
フルアルバム2枚とEP1枚作ったところで、もうこれ以上は作れないなぁと思っていたのが記憶に残っていまして。
依頼を頂いたものの、ちゃんと作れるかはちょっと不安でした。

テーマがゆかれいむということで、二人のテーマ曲を混ぜてアレンジするというアイデアを最初の時点で頂いていたので、そのおかげでなんとか曲になりました。

&lt;h3&gt;タイトルと歌詞のこと&lt;/h3&gt;

逝川流水不絕 而水非原模樣。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

プロットから浮かんだイメージは輪廻転生と自然の循環。
山から流れる水が海へと渡り、再び山へと巡り還ってくるというサイクルから、このタイトルになりました。

めっちゃネタバレになるんですが、人の命や死後のことがストーリーのテーマになっているので、人にとっての時間の流れと星や自然にとっての時間の流れ、長命種と短命種のギャップのようなものも混ぜ込んでいます。
そういった意味でSilent Neighborに近いテーマと言ってもいいかな？

ゆえさんのアイデアで、最後のサビに場面転換を盛り込めたのも良かったですね。
それまでは曲調も相まって若干重ためだったのが、最後の展開で一気に光が差したような感じになりました。
振り返る視点の前半と、前を向く後半の視点とで切り替えることができたのは、個人的には劇中の変化と歩みを合わせられて嬉しいです。

&lt;h2&gt;動画のこと&lt;/h2&gt;

&lt;h3&gt;作った経緯&lt;/h3&gt;

多分今回を逃したら一生チャンスはないだろうと思い、今回の曲を使ってリリックビデオを作らせて欲しいとゆえさんにお話したところ、ゲームで使用しているイラストを提供して頂けることになりました。
ぶっちゃけその時点では、作りたいとは思っていたものの、作れるかどうかを真剣に考えてはいませんでしたが、ゆえさんの全力サポートのおかげでなんとか形にできました。

そんなわけで軽い気持ちで作り始めたんですが、いざ手を動かしてみるとすごく難しい！
After Effectsなんて今まで波形読み込ませてぷるぷる揺らしたり、なんかそれっぽくオブジェを回転させるくらいのことしかしてこなかったので、全然知識がなく大変。
国内外問わずチュートリアルの動画を見まくったりして、付け焼き刃ですがやりたい表現はできるようになりました。

リリックビデオなのであくまで歌詞がメイン。なるべくキャラクターの顔は見せない、というのを意識して作りました。
人の表情が入ってしまうと人間の意識はそっちに持っていかれてしまうので、ここは拘りポイント。

ただ、そうすると表現の難易度が跳ね上がってしまうので、最初はかなり苦戦した記憶があります。
シネマティックブラックバー的なものを使って、表現するスペースを限定するアイデアを思いついたのが転機になったかな？
ラストシーンの演出にも繋げることができたりと、かなり結果オーライな感じ。

&lt;h3&gt;気に入っている場面&lt;/h3&gt;

気に入っているのは最後の、彼岸花から桜吹雪に変わる場面。
最初にイラストを見せて頂いた時から、どうしてもこれをやりたくて。
技術的な心残りは多々あるのですが、やりたいことはなんとかできたのでほっとしています。

あとはソロ部分の戦闘シーンも。
ワンシーンだけなら魔法使いの夜の戦闘シーンみたいなこともやれるかなと思って、頑張ってトライしてみました。
コンテも書かず、後先考えずに作っていってしまったので、後から辻褄を合わせるのには苦労しました（笑
でも、実際に動いているところを見ると結構嬉しいですね、これ。

&lt;a href=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/210404-02.jpg&quot;&gt;&lt;img src=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/210404-02-1216x684.jpg&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;1216&quot; height=&quot;684&quot; class=&quot;alignnone size-thumbnail wp-image-3737&quot; /&gt;&lt;/a&gt;

あんまり使う場面はなかったのですが、霊夢と魔理沙をイメージした魔法陣も作ったので供養しておきます。

霊夢は陰陽道から五芒星と五角形をベースに、梵字で装飾。陰陽ということで太陽と月も入れています。
魔理沙はそれと対になるように、西洋魔術ということで六芒星と六角形をモチーフにして、装飾はルーン文字。
東方なので、弾幕の形をモチーフとして取り込んでも面白かったかなーとは作り終えてから思いました。
霊夢の魔法陣には、紫のモチーフを入れてもよかったですね。

&lt;h3&gt;締めの一言&lt;/h3&gt;

曲を作ったり歌詞を書いたり動画を作ったり、数ヶ月掛けて仕込んだ動画。お披露目できてほっとしています。

東方アレンジは昔たくさん作ったので今後作る予定はないんですが、かといって絶対に作らないと決めたわけでもなく。
少女さとりとか、リベンジしたいなーという曲もないわけでもない。
……けど、新曲に関してはあまり期待はしないでください。
って言おうと思ったんですが、とある曲のリメイクがとあるタイミングで公開されるみたいです。乞うご期待。

【楽曲提供+新曲公開】逝川流水不絕 而水非原模樣

去年はいっぱい動画を上げてたんですが、今年は全然です。
時間はあるのにね、なんでだろうね。
その理由はそのうちわかるとして、久々に動画を作りました。
前からずーっと作りたいと思っていた、Silent Neighborのリメイクです。

なんかどの曲もそんなこと言ってますが、この曲は特にそう。
作りたいと思いつつ、なかなかこの曲に合うドラム音源が見つからなくて保留してました。
一昨年くらいに出たToontrackのDeath&amp;amp;Darknessが、意外とオルタナティブメタル/ポストグランジ系にも使えそうとわかったので、ようやく着手できたというわけです。


&lt;h2&gt;この曲の思い出&lt;/h2&gt;

ウチではお馴染みの&lt;a href=&quot;http://showikeda.eek.jp/vo/&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener noreferrer&quot;&gt;池田奨さん&lt;/a&gt;に、CROW&apos;SCLAW作品として初めて歌っていただいた曲。
収録もこの曲から始めたと思います。

初めてその歌声を聴いた時に衝撃を受けて、この方とならヴォーカル曲も作れるかもしれない、と思ったのを今でも覚えています。
声質や歌い方、色々なものが自分のイメージする音楽にドンピシャで、池田奨さんに歌って頂けたからこそできた曲というのは結構あると思います。
このSilent Neighborもまさにそんな曲。

A Sense Of Distanceのテーマが身長差なのに対して、この曲のテーマは寿命差。
長命種=鬼と短命種=人の繋がりとはどんなものだろうかと考えた結果、そんなテーマになりました。
種族は違いますが、確かほた。さんの同人誌『かぜなきし』にインスピレーションを受けた記憶があります。
鬼というと憎まれ役のイメージがありますが、人間社会との関係性を考えると、信仰の対象のようなものでもあるのではないだろうか？なんて。

&lt;h2&gt;プロダクションの話&lt;/h2&gt;

&lt;h3&gt;ドラム&lt;/h3&gt;

冒頭で書いた通り、今回はいつものMetal MachineryではなくDeath&amp;amp;Darknessを使っています。
まだ音源の美味しい部分を捉えきれているかわからないですが、予想通りMetal Machineryとは違ったキャラクターで、こういう曲にも合ってますね。

HR/HMは基本的に縦ノリ+音数重視なのでアタック感を重視する傾向にあるんですが、Deathの方はアメリカで収録されたというのもあってか、若干の粘り気みたいなものがある気がします。
コンプでぶっ叩いた時のくしゃっとした質感を重視してるというか。ラップメタルの影響なんでしょうかね。
音源本来の狙いからは若干逸れるかもしれませんが、その文化的な違いみたいなのがうまく私の求める音にハマってくれました。

実際に混ぜてみると、アタックがなかなか出てこないので奥行きの表現に苦労したんですが。

&lt;h3&gt;ギター&lt;/h3&gt;

こういう曲調の場合、ギターの音もいつもと同じようで若干変わってきます。
歪み方がシャープだと単調になるので、音色をどうするかというのが昔からの悩みどころだったのですが、ふとJCM800でいいのでは……と思って試してみたら大当たり。
よく考えてみればプリ管で作る歪みはシャープなので、パワー管の歪みも加えられるJCM800の方が合うってのは納得です。

ちなみにクリーンはいつも自作のFenderのRig。
スタックアンプで鳴らしたクリーンの音はペラいので、クリーンはほぼ必ずコンボアンプを使ってます。
中でもFenderのクリーンは、中域が出るので音に厚みがあってお気に入り。

&lt;h2&gt;次の予定&lt;/h2&gt;

まだまだ山には行けなさそうなので、次も音楽コンテンツの更新になりそうです。
予定通りにいけば次は新曲、今年に入ってからずっと作っていたものをお披露目できるんじゃないかと思います。

【新曲公開】Silent Neighbor 2021

歪んだギターの壁が左右にそびえ立つHR/HMは、あらゆる音楽の中でもミックスの難易度が高いジャンルのひとつだと思います。
ただでさえ音数が多いのに、左右の帯域リソースを歪んだギターが埋めてしまうので、真っ当なやり方で棲み分けるのはほとんど不可能に近い。

今回はそのHR/HMのギターを私がどんなやり方で混ぜているのか、このジャンルのミックスではマストで習得しなければならないM/S処理を中心に、動画も交えて解説します。

話のストックがないので、山の話は緊急事態的なアレが終わるまでは書けません。
山サイトなのに……


&lt;h2&gt;トラック単位でやる処理&lt;/h2&gt;

&lt;h3&gt;ノイズゲート&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/-YuIdBBjycg&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;
&lt;/div&gt;

いきなり解説から入ってきますが、まぁノイズゲートに関しては適当に。
丁寧に波形をスライスするのは手間なので、無音部のちょっとしたノイズが消せていればなんでもいいです。
ハイゲインアンプの場合は、これに加えてアンプの前でもノイズゲートを掛けておいた方が後の処理が楽になりますね。

素の音はこんな感じ、という感覚で聴いてもらえればと。

&lt;h3&gt;ブリッジミュートした時の低域を抑える&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/DR3xJCBMBsc&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;
&lt;/div&gt;

Oxford SuprEsserを使って、ブリッジミュートしている時だけ特定の帯域にコンプを掛けます。
有名な、所謂Andy C4セッティングですね。
&lt;strong&gt;ブリッジミュートした時の低域の膨らみを抑える&lt;/strong&gt;のが目的なので、私の場合、それ以外のフレーズではリダクションしないように調整しています。
曲中にブリッジミュートするフレーズが出てこない時は使いません。
EQとして掛けるわけではないので、リダクションしていない時は音色を変化させないのが基本。

SuprEsserがなくても、リニアフェイズなマルチバンドコンプで代用できます。
Andy C4というくらいなのでWavesのC4が有名ですが、あれはリニアフェイズで帯域をスプリットしていないのでお勧めしません。

&lt;h3&gt;ダイナミックEQで他の楽器と棲み分ける&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/2m4oNJLfiWg&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;
&lt;/div&gt;

静的なEQでも別にいいんですが、静的なEQだと「常に同じ量のリダクションが掛かり続けている」状態。
それだと奥に引っ込む印象があって個人的にあまり好きではないので、基本的にDynamic EQで形を作っていきます。
掛かりっぱなしになるようにセッティングしてるので、静的なEQでも大差ないと思いますが。

コツはQを広く取ること。
ノッチフィルター的なQの狭いEQは、触ったところの近くの帯域が目立って聴こえてくるので、ギターに対しては基本的に使ってません。

どこを狙うかは好みに応じて……という感じ。
&lt;strong&gt;他の楽器の邪魔になる帯域をカット&lt;/strong&gt;していくことになると思うので、他の楽器を聞かないと何とも言えません。
ですが、主にギターが邪魔するのは主旋律とリバーブ成分になると思います。

Qが広いので全帯域に掛かってるように見えるかもしれません。
そう見えるならきっとそうなんだと思います。

静的なEQなら、LとRまとめて掛けて問題ないですね。
Dynamic EQの場合は入力音量に応じて得られる効果が変わるので、トラックごとに掛けないとダメ。

&lt;h3&gt;その他&lt;/h3&gt;

基本的にはこれだけ。これだけで済まない場合は録り直した方が早いです。
そこまで録り音を追い込むのが一番大事。
最近はKemperとかがあるので、何も考えなくていいのが楽ですね。
私は&lt;a href=&quot;https://gum.co/cckp01&quot; target=&quot;_blank&quot; rel=&quot;noopener noreferrer&quot;&gt;自作のRig&lt;/a&gt;を使っています。

&lt;h2&gt;M/S処理&lt;/h2&gt;

&lt;h3&gt;M/S処理でやること&lt;/h3&gt;

ミックスでやることには全て理由がないといけません。
ゴールの見えないやり方でM/S処理をしても、期待するような効果を得るのは難しいんじゃないかと思います。
というわけで、まずはゴールを定めないといけませんね。

HR/HMのミックスで一番ネックになるのは、最初に書いた通り左右のギターの壁。
休符以外のタイミングでは常にあらゆる帯域を占有してしまい、他の音が入り込む余地を残さない史上最悪の楽器です。

しかしHR/HMである以上、そのギターの壁の存在感はしっかりと残しつつ、他の音が入り込む余地を作らないといけない。
もちろんEQだけでもある程度の隙間を作ることはできますが、充分ではありません。

そんなわけで、ギターのM/S処理におけるゴールは、&lt;strong&gt;存在感は残しつつ他の音が入り込む余地を作ること&lt;/strong&gt;です。
無茶難題ですね。

&lt;h3&gt;ギターにM/S処理をする時のモニタリング&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/9e1TTAF3oEU&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;
&lt;/div&gt;

具体的なM/S処理の前に、まずはモニタリングの仕方について。
ミックスでM/S処理をする時は、トラックを&lt;strong&gt;ソロで鳴らしてモニタリングするのは厳禁&lt;/strong&gt;です。

ソロで聴いていると、定位感を把握するのが非常に難しい。
ソロで鳴らしていると「弄れば弄るほど定位感が失われて中央に寄っていくように聴こえる」んですが、実際には他の楽器も加わるとそうではなくなってくるので。
このギャップはヘッドホンやイヤホンだと特に露骨に出てくると思います。

特にHR/HMのギターは左右に振り切った状態で鳴らすので、それと対になるように、センターで鳴る楽器と、あとは左右のリソースをいっぱい使う楽器も一緒に鳴らしながら確認していきます。

というわけでここから先は、ドラムとベースも一緒に鳴っている状態で撮っています。
幸いこの曲はイントロが左chのギター1本、そこからベースが入ってドラムが入るという展開。
M/S処理をした音に他の楽器が加わると聴こえ方がどう変化するか、というのも参考にしながら聴いてみてください。

&lt;h3&gt;マルチバンドステレオイメージャー&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
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&lt;/div&gt;

ここから先はあくまで私がよくやる一例でしかないのですが、具体的な処理の解説に入ります。
まずはマルチバンドステレオイメージャー。いきなりギターのM/S処理の核になる処理から入ります。
ここでやるのは完成形を見据えて&lt;strong&gt;ギターが居ていい場所と、ギターが邪魔してはいけない場所を分ける&lt;/strong&gt;こと。

まずはギターの居場所を確保したい。
中央付近の低域にはキックとベースとスネアがいるのでやや混雑してますが、幸い左右の端の方にはギターの他に鳴る音は多くない。
シンバルの下はカットしてしまいますし、タムは打楽器なので音量さえ出ていればギターにも負けません。
ここはギターの居場所を作るチャンス。ローミッドのあたりかな、がっつり広げていきます。

次に、他の音が入り込む余地を作りたい。
中域はありとあらゆる楽器がひしめく過密エリア。
ギターのこのあたりの帯域はとにかく目立つ上に、中域のSide側にはリバーブ成分も居ます。
なのでギターのハイミッドには、ちょっと真ん中に引っ込んでもらうことにしましょうか。

そして、上に行くにつれて窄まっていくような音像にしないために、中域を引っ込めた分、高域は少し広げてやることにします。
HR/HMでは意外と混雑してないし、ちょっと広げてもあんまり問題にはならないエリア。
Side側を強調すると、ちょっとざらついた感じのクリスピーな音になりますね。
まぁ高域は割と適当なんですが。

&lt;a href=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/210123-01.png&quot;&gt;&lt;img src=&quot;http://www.crowsclaw.info/img/210123-01-1216x684.png&quot; alt=&quot;&quot; width=&quot;1216&quot; height=&quot;684&quot; class=&quot;alignnone size-thumbnail wp-image-3713&quot; /&gt;&lt;/a&gt;

アナライザー映してると動画がすごい汚くなっちゃうので変えてしまったのですが、実際に私がやっているセッティングはこんな感じです。
後述するHPFやLPF、EQと合わせて初めて完成するものなので、このセッティング単体で掛けてもイマイチかも。

&lt;h3&gt;フィルタリング&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
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&lt;/div&gt;

ギターにHPFとLPFは必須です。
Side側の低域がダダ漏れだと締まりが悪い音になるので、HPFの位置はSide側を少し高めに設定しておきます。
高域は適当です。個人的な感触として、MidよりもSide側を少し高めに設定しておくと収まりがよく感じるかな。

EQはDMG AudioのEQualityをずっと使っています。これ以外を使う気が起きないくらい。
M/S処理もできるんですが、Mid専用機とSide専用機の2つを用意しないといけないのがちょっと面倒かな。
今回の動画では左がMid、右はSideを担当しています。

M/SでEQを掛ける時は絶対にリニアフェイズEQを使ってください。
なぜそれが必要なのかは以前書いた記事を参照。

https://www.crowsclaw.info/archives/351

&lt;h3&gt;M/S イコライジング&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/BYKrnma83AU&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;
&lt;/div&gt;

M/S EQは音色を変えるのではなく、特定の帯域の密度や広がりをピンポイントで制御するのに使います。
ステレオイメージャーで作った形を整えてやる感じ。
ハイミッドの密集地帯に一箇所、Side側の隙間を作ってやることで空間表現ができる帯域を確保。
ローミッドは主旋律やスネア、ベースが集まる帯域にMid側の隙間を作って主要な楽器の居場所を確保しました。

&lt;h3&gt;ギターのM/S処理のコツ&lt;/h3&gt;

&lt;div class=&quot;youtube&quot;&gt;
&lt;iframe width=&quot;560&quot; height=&quot;315&quot; src=&quot;https://www.youtube.com/embed/zcm92t2ammc&quot; frameborder=&quot;0&quot; allow=&quot;accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture&quot; allowfullscreen&gt;&lt;/iframe&gt;
&lt;/div&gt;

M/S処理というと左右に広げて真ん中に隙間を作りたい、っていう意識が先行しがちですが。
ギターの場合、意外とポイントになるのはSide側を狭めてやることだったりします。
Side側には実音以外の残響成分などが多く居るので、そこがギターで埋まると一気に空間が狭くなります。

しかし他の楽器に応用が効くかというと……（笑
ギター以外でM/S処理を積極的に使う場面はあんまり思いつきませんね。

M/S処理といってもM/Sコンプは使いません。使うと死にます。
理由は以前書いた記事を参照。

https://www.crowsclaw.info/archives/343

&lt;h2&gt;締めの一言&lt;/h2&gt;

こういう具体的なミックスでのM/S処理のTipsはほとんど見かけないので、未だに答え合わせができていないのが現状。
ですが、私はこの手法でようやく自分なりに納得できる音が出せるようになったので、たとえ正解とは違っても別にいいかなと。
正解の数はひとつではないですが、Andy SneapやAdam Dutkiewiczあたりが好んでこの音像を使ってる印象。

初心者の方からすると、ちょっと難しい視点で考える部分が多いかもしれません。
ですが、ちゃんと理解して効果的にアプローチできるようになれば、M/S処理をミックスに導入するメリットは大きいです。

M/S処理は音像や定位が崩れると言われることも多いですが、そもそも音像も定位も崩すのが今回の目的。
それさえ理解してさえいれば派手に間違えることはないんじゃないかなと思います。

タグ：HR/HM

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