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川苔山:百尋ノ滝をもう一度

2018年10月12日2023年09月30日登山:奥多摩

登山情報

GPSログ

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コース情報

標高

1363.3m

標高差

1023.3m

累積標高(登り)

1662m

累積標高(下り)

1780m

行動距離

15.18km

行動時間

6時間57分

コース定数

34.75

アクセス

往路:~JR青梅線 奥多摩駅 > 西東京バス 川乗橋BS
復路:JR青梅線 奥多摩駅~
関東では梅雨よりも降水量が多いと言われる秋の3連休。 直前まで天気予報が不安定だったり、最近お疲れ気味だったのもあってテント泊は断念しましたが、それでも一度はどこかに登っておきたいと思うもの。

そんなわけで三連休のど真ん中に奥多摩の山へと登ってまいりました。
百尋ノ滝で有名な奥多摩の個性派、川苔山です。

川苔山という山

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落差40mもの名瀑、百尋ノ滝で有名な川苔山。
都心からのアクセスが良い奥多摩の山々の中でも特に人気が高い山で、初心者向けの山としても語られることが多い印象。
ですが個人的には、比較的登りやすい奥多摩の山の中ではややクセの強い個性的な山と捉えています。

鎖場や岩場など、一発で危険とわかるような箇所のない山ですが。
意外に長い行動距離や数値では見えてこない急登、南側のルートの多さや奥多摩らしからぬ荒れた道、度々報告される熊の目撃情報……。
その人気とは裏腹に、低山に潜むある種のリスクを薄っすら感じさせる、少し危うい山でもあると思っています。

川乗橋〜百尋ノ滝

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過去に数度登っている川苔山ですが、コースはいつもだいたい同じ感じ。
奥多摩駅から川乗橋に向かい、長い林道歩きを経てまずは百尋ノ滝へと向かいます。

今年は大型の台風が関東を直撃したこともあり、林道はかなり荒れていました。
ところどころに見られる倒木や落石の痕跡からは、各地に被害を齎したその強さが感じられます。

この週は雨が多かったこともあり、林道沿いの沢はかなりの水流。
ここまで元気が良いのはなかなか見たことがないですね。

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林道を越えると「絶対に開かない例のトイレ」を経て登山道に入ります。
あのトイレ、開いてるとこ見たことないんですよね……。

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序盤は山肌をトラバース気味に。
山の奥へと入り込んだからか、林道の時ほど台風の影響を感じませんが。
それでも時々、行く手を阻む倒木を潜ったり、乗り越えたり。

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平地では30度以上を記録したようですが、沢沿いの登山道は涼しげで良い気持ち。
道も穏やかなので心にだいぶ余裕ができます。

……そう、今のうちに余裕を作っておいてください。

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そんなわけで暫く歩くと百尋ノ滝。
沢の水量から推測した通り、水流もかなりのものでした。
やっぱりこの山、雨上がりの日に来るのが一番。

百尋ノ滝〜川苔山山頂

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今回はNDフィルターもしっかり持ってきたので、奥多摩屈指の撮影スポットでカメラ遊び。
後から振り返ってみると、構図が単調だなーと思わずにはいられませんでしたが。

一通り遊んだところで山頂を目指します。
百尋ノ滝まではアップダウンの少ないハイキングコースですが、このあたりから本格的な低山の登山道になってきます。
それまで易しい道だった分、このあたりからしっかりと登るような坂道が増えてきます。

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道端には青紫色の花が。毒で有名な、かのトリカブトですね。
いつが見頃かはあんまりはっきりと覚えていませんが、ルートによっては見応えのある花畑が広がったりもします。

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川乗橋から登る場合、地図にも書いてある通り、途中で二手に分かれます。
歩いてきた方向から見て左手側は、山頂までの距離は短いですがひたすら急登の続くコース。途中で踏み跡が消える箇所があり、そこから尾根への取り付きで迷いやすいです。
トリカブトの群生地があるのはこちらのルートですね。

右手側は一旦下ってから少しずつ登るコース。距離は長いですが、こちらの方が道は楽な方ですね。
それでも最後は、短いながらも容赦ない急登が待っています。
ちなみに今回はこちらを選択。

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数字では見えてこないんですが……川苔山、登りが結構キツいんです。
荒れ気味とは言え、奥多摩の中では割と穏やかな山道のはずなんですが。
個人的には御前山の大ブナ尾根以上、鷹ノ巣山の稲村岩尾根未満かなぁという印象。
さすがに、そろそろ慣れてきましたが……(笑

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というわけで、登りに登って山頂に到着です。

川苔山〜奥多摩駅

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山頂は、いったいどこにこれだけの人がいたんだろう、と思うくらいの盛況っぷり。
そういえばバスも増発しまくって、3〜4台くらい来てたような。
これから紅葉の季節にかけて、もっと人が増えるんでしょうね。

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昼食休憩ののち下山。
ここの防火帯の雰囲気、良いですよね。短いですが……。

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川苔山から南側に下るルートはいくつかありますが、今回は奥多摩駅に直で降りたいという理由からこちらの分岐を右に。
分岐っていうか……こちら側は道?踏み跡もほとんど見当たりませんが、大丈夫なんでしょうか?

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……大丈夫ではありませんでした!
大きく分けて3ルートに分かれる川苔山からの南側の下山ルートの中では、この川苔山から本仁田山を経由して奥多摩駅へと降りるコースが一番ハード。

川苔山から大ダワまでは道幅も狭く荒れ気味、ガレ気味の難ルート。
奥多摩の実線ルートでは、こういったスリルのある道は珍しいと思います。

そしてこの写真の通り、大ダワから本仁田山までは登り返し。
標高差は200mほどあり、ここまでの距離を歩いて疲労の溜まった身体にはなかなか刺激的。

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大ダワには、もうずーっと通行止になっている川苔山の巻き道が。
というか、崩落して道なき道になっているとか何とか?

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本仁田山からの下山ルートもなかなかアグレッシブ。
短い間に一気に900mほど下る大休場尾根、奥多摩随一の急坂です。
今回は下りでしたが、これを登るとなると……。それなりに覚悟が必要そうな。

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同行者の疲労も結構見えてきて、ちょっとやばいかなーと思ったところで一般道へ。
ここから駅まではまた40分ほど歩くことになるんですが、舗装された道なのでひと安心。
思いがけぬハードモードな登山になりましたが、無事奥多摩駅へと戻ってくることができました。

下山後はもちろんVertereへ

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敢えて難ルートを選んでまで奥多摩駅へ直行したのだから、寄らないわけにはいきません。
どういうわけか奥多摩に店を構える自家製ビールのお店、Vertere。
仲間と一緒なので普段は頼めないフードもがっつり頼みつつ、IPAとヘイジーをキメてようやく奥多摩を制した気分に浸れました。

改めて、川苔山という山

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珍しく同行者がお疲れ気味だった川苔山。
選択するコースにもよりますが、やはり一筋縄ではいかない山だと思います。
特に南側に降りる後半は、道が幾重にも分かれていてメインルートから外れると一気に荒れた急坂になったりするのがこの山の怖いところ。
避難小屋もなく、道迷いすると遭難リスクが跳ね上がりますので、地図を持たずに入っていい山ではないですね(どの山もそうですが)。

それらを理解してさえいれば、手の届く距離で見ることのできる名瀑や、奥多摩の山々を見渡せる山頂の景色など、低山の魅力に溢れた山でもあります。
そんな二面性が、この山にはあるんですよね。

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